刺身屋だけではない。海産物と少しでも関係のある食品を売る商売人たちは、原発汚染水の放出の影響は避けられないだろうと口をそろえる。

2023-08-25 21:02:42 | 韓国を知ろう
 

「刺身を食べるのは今日が最後」

汚染水放出を前に消費者や商人に不安広がる=韓国

登録:2023-08-24 02:13 修正:2023-08-24 07:02
 
 
日本政府は22日、福島第一原子力発電所の汚染水の海洋放出を早ければ24日から開始することを正式に決定した。写真は22日のソウル銅雀区の鷺梁津水産市場/聯合ニュース

 「今日、最後に刺身の出前を頼んで食べました。これからは刺身を食べるのは難しいと思うからです。こんな状況で韓国政府は積極的に対応するどころか、『原発汚染水は安全だ』という広告まで作ったなんて…。一切れ一切れ食べていたら、何か悲壮な思いさえしてきました」

 ソウル麻浦区(マポグ)に住むYさん(43)は、日本政府が原発汚染水の放出を24日から開始すると発表した22日、夕食は刺身の出前を頼んで食べたと話した。Yさんは「韓国の漁民を考えると気が沈むが、原発汚染水が海洋生態系にどんな影響を及ぼすか分からないので、この刺身が最後だと思って出前を取った」と語った。

 日本政府による福島第一原子力発電所の汚染水の海洋放出が目前に迫った23日、市民の不安と商人たちの危機感は高まっている。秋夕(チュソク、旧暦8月15日)を1カ月後に控えているため、海産物のギフトセットの販売にも影響が出るとみられる。

 
 
日本政府が福島第一原発の汚染水の海洋放出を早ければ24日から開始することを決めた22日午後、京畿道水原市の水産物市場で、関係者が放射能測定器で水産物を点検している/聯合ニュース

 海産物を売る商人は、政府に対する恨みを吐露する。ソウル冠岳区(クァナック)の刺身屋の店主は、「すでに汚染水の放出が確実視されているため売上は30%以上減っているが、今後がさらに心配だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、漁民や商人は死のうがどうしようが構わないというのか。どこの国の政府なのか疑念がわく」と声を強めた。

 刺身屋だけではない。海産物と少しでも関係のある食品を売る商売人たちは、原発汚染水の放出の影響は避けられないだろうと口をそろえる。ソウル永登浦区(ヨンドゥンポグ)のカルグクス(手打ち麺)屋の店主は、「昨日、ニュースを見ながらアサリのカルグクスを食べていたお客さんたちが『もうアサリも危ないのではないか』と言っていた」とし、「韓国産のアサリだけを使っていると案内したところで無駄だと思うので、事態が落ち着くまでは『エゴマのカルグクス』など海産物を使わないメニューだけを売るつもりだ」と言ってため息をついた。

 大規模なスーパーやデパートなどは先を争って「放射能検査完了」、「汚染水放出前の事前仕入れ分」であることを強調したり、自主的な精密分析装置の導入を発表したりしているが、秋夕を控えてギフトを準備する消費者の苦悩も大きくなっている。

 個人事業を営むWさん(46)は、「主な取引先や家族、知人には毎年名節にアワビや干しイシモチのセットなどを贈ってきたが、今年は贈っても陰口を言われそうだ」とし、「社員と相談して贈り物のリストから海産物セットは外すことにした」と話した。

 
23日、ソウルの日本大使館前で、市民団体の会員たちが日本による放射能汚染水の放出日程の撤回を求めて記者会見を行っている/聯合ニュース

 主婦たちは、真空パックされた干し魚を冷凍庫に保管するというやり方で準備に当たっている。40代の主婦のJさんは、「一昨日に束草(ソクチョ)に行ってきた。家族と真空パックされた干し魚を何箱も買って、分けて冷凍庫に保管しておいた」、「友人に『魚が食べたくなったら取り出して揚げて食べれば良い』と助言してもらったので、その方法を使うことにした」と話した。

 外食業界も汚染水放出の影響に神経をとがらせている。ある外食フランチャイズの関係者は「新型コロナウイルス禍の余波で店舗数が減るなどの打撃を受け、最近は外食物価の上昇にともなう消費低迷で困難が続いている中で、汚染水問題まで起こるものだから踏んだり蹴ったり」だとし、「日本産ではないものの海産物食材は少なくないため、火の粉が降りかかって来るのではないかと心配だ。危機感はすぐに消えるという楽観論ばかりを信じているわけにはいかないため、放射能測定装置の自主導入を検討中」だと語った。

ユ・ソンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本は自分たちの利益を全人類の長期的な幸福よりも上に位置づけた。このような行為は極めて身勝手で無責任だ。

2023-08-25 19:33:07 | 中国を知らなければ世界はわからない


この日から、永遠に「環境を汚染した者」の

不名誉を背負い続ける日本

人民網日本語版 2023年08月24日17:49
 

8月24日、日本は東京電力福島第一原子力発電所の原発汚染水の海洋放出を開始し、自らの手で自分に「環境を汚染した者」の烙印を押した。日本国内も国際社会も強い反対と疑問を表明する中で、そして未知のリスクがあることがこれほど明らかであり、広範囲に及ぶ中で、日本は自分たちの利益を全人類の長期的な幸福よりも上に位置づけた。このような行為は極めて身勝手で無責任だ。

日本のやり方は悪しき先例となった。人々は最初、こんなことが環境保護と食品の安全を重視すると一貫して言い続けてきた日本で起こるとは、信じていなかったのかもしれない。しかし今、人々はこう確信せざるを得ない――日本のこれまでのイメージは、大々的なキャンペーンやPRによって獲得したものにすぎなかった。

福島原発汚染水の海洋放出を始めるため、日本政府はさまざまなPR手段を駆使した。新聞やテレビで原発汚染水のいわゆる「安全性」に関する広告を大量に打ち出し、国民の懸念や反対の声を撹乱し、覆い隠した。さらに「風評被害対策」として総額800億円にも上る基金を設立して、事を穏便に済まそうとした。北大西洋条約機構(NATO)首脳会合や東アジア首脳会議(EAS)参加国外相会合、東カリブ海漁業相会合などの機会を利用して、海洋放出計画について弁解を繰り返した。国際原子力機関(IAEA)の報告書をよく見れば、報告書が海洋放出を承認したわけではないと分かるにも関わらず、日本人は人々の耳目をくらますことに懸命になった。

原発汚染水が海に放出されれば、そこに含まれる放射性核種が海洋のあらゆる場所に急速に拡散し、深刻な災いを残すことになる。環境と生態系の重要性を無視して、原発汚染水を海洋に放出する日本政府の行為は、海洋生物と海洋生態系に深刻な破壊と巨大な危害をもたらすだけでなく、周辺地域の人々の健康に潜在的な脅威を与えるものでもある。日本政府の行為が海洋汚染の元凶となり、世界の環境破壊の反面教師となるケースであることは間違いないだろう。

「多く不義を行えば必ず自ら斃(たお)る」(多くの不正を行えば必ず自滅する)。日本政府の身勝手な行為は、国際社会の強い非難を受けるだけでなく、影響を受ける国の対抗措置を引き起こし、同時に日本の国際的なイメージと評価に長期的なマイナス影響をもたらすことになる。

信頼と尊重は最も価値あるものだ。日本の原発汚染水の海洋放出は日本の総合的戦略の変化における有機的な構成要素であり、海洋放出の推進を急ぐことは短期的には日本の経済効果を高め、既成事実を作る上ではプラスになる。日本の指導者は任期内に政治的な実績を作ることを選んだ。この措置は一見、節約のように見えるが、実際にはこのために非常に大きな代償を支払うことになるだろう。

日本人は「既成事実」を作れば黙認されると考えているようだが、実際にはこの日から日本は永遠に恥ずべき不名誉を背負い続けることになる。原発汚染水の海洋放出が国際社会で生み出す生態環境の破壊、政治的衝突、経済的影響もこれから積み上げられていく。各国政府は、「宥和的」態度を取る政府も含めて、ますます激しさを増していく国民の反対の圧力に直面するだろう。各国企業、とりわけ海を資源とし、水をビジネスとする企業は、巨額の損失に直面して日本に賠償請求をせざるを得なくなるだろう。原発汚染水の国際環境保護機関にとっても、海洋放出問題は最も現実的で、最も厳しく、最も時間のかかる論争テーマにもなるだろう。日本から全世界の公海へ流れ込む原発汚染水の1滴1滴によって、日本はこれから終わりのない責任追及に向き合わなければならなくなるはずだ。(編集KS)

「人民網日本語版」2023年8月24日

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「韓日関係を回復し、未来へと向かおうと言っていた日本が、核汚染水の海洋投棄で両国関係を後退させ、世界の迷惑国になっている」

2023-08-25 12:41:13 | 韓国を知ろう
 

韓国の水産物市場「もう商売あがったり…

朝6時でもお客さんが来ていたのに」

登録:2023-08-25 07:44 修正:2023-08-25 08:57
 
 
 
24日午前11時ごろの仁川南洞区の蘇莱浦口総合魚市場。週末はもちろん平日も客で賑わっていた場所だが、福島第一原発の汚染水放出の影響で事実上の開店休業状態だ=イ・スンウク記者//ハンギョレ新聞社

 24日午前11時ごろ、首都圏の代表的な水産物市場のひとつである仁川市南洞区(インチョンシ・ナムドング)の蘇莱浦口(ソレポグ)総合魚市場は、すでに「閉場」したかのように閑散としていた。日本政府による福島第一原発の汚染水放出がはじまる直前だったが、客足は途絶えていた。商人たちは「国内産です、1キロ1万ウォン」などと叫びながら客引きしていたが、空虚に響くだけだった。客のいる店よりいない店の方が多かった。一部の店舗は電気を完全に消し、営業をはじめてもいなかった。

 港の近くの刺身屋も事情は同じだ。昼休みになったものの、多くの店はハエが飛ぶばかり。一部の刺身屋ははじめから営業しておらず、店の前で魚介類を販売しているだけだった。

 同地で清掃労働者として働くAさんは「このかんワタリガニすり替えなど別の問題も多かったが、福島第一原発の汚染水の話が出てからは客足が本当に途絶えた。いくら平日だといっても、この時間にこんなにお客さんがいなかったことはなかった」と語った。

 海産物を販売するチェ・ジョンスンさん(60)は、「汚染水を放出してもいない数日前から、すべてのお客さんに『安全な海産物か』と繰り返し聞かれる。政府は積極的に今回の問題について日本に反対してくれればよかったのに」とため息をついた。ワタリガニなどを売っている50代のBさんも「(以前は)朝6時に開店しても客がいた。でも今日は午前11時になってから開店したんだから何も言えない。もう商売あがったり」と語った。

 
 
日本が福島第一原発の汚染水の放出をはじめた24日午後、仁川市中区の仁川総合魚市場で商人が心配そうに海洋放出開始のニュースを見ている/聯合ニュース

 この日、仁川地域の政界や市民社会団体からは、汚染水の放出にきちんと対処していない政府を批判する声が相次いであがった。共に民主党所属の仁川市議会議員たちは、この日発表した声明で「韓日関係を回復し、未来へと向かおうと言っていた日本が、核汚染水の海洋投棄で両国関係を後退させ、世界の迷惑国になっている」とし、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は政権の政治的利益のためにそろばんをはじいてばかりで、核汚染水の海洋投棄は黙認している」と主張した。

 仁川地域連帯、気候危機仁川非常行動、仁川市民社会団体連帯、民主労総仁川地域本部なども23日に記者会見を行い、「海を核廃棄場化しようとしている日本政府による核汚染水の海洋投棄決定と、これをほう助し、容認し、共犯者となることを自任した尹錫悦政権を強く糾弾する」と述べた。

イ・スンウク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする