市民たちは何によって警戒警報が発令されたのか、どこに避難すればいいのか分からず混乱していた。ポータルサイトで状況を把握しようとしたが、急増したアクセスで接続すらままならなかった。

2023-06-01 09:11:19 | 韓米軍事同盟は?
 

韓国政府、

予告されたロケット打ち上げに対応遅れ混乱ぶり露呈…

危機管理システム失踪

登録:2023-06-01 06:34 修正:2023-06-01 07:14
 
ソウル市の「メール災害」で国民の不安が増幅
 
 
尹錫悦大統領が5月31日、大統領府迎賓館で開かれた社会保障戦略会議のために入場し、時計を見ている= 大統領室通信写真記者団//ハンギョレ新聞社

 「今日6時32分、ソウル地域に警戒警報発令。国民の皆様は避難する準備をして…」

 1000万人が住む首都ソウルの朝が混乱と恐怖に包まれた。始まりは31日午前6時41分、ソウル市から届いた一通の「緊急速報メール」だった。数分の時差を置いてソウル市内のあちこちにサイレンが鳴り、聞き取りにくい音声が官公庁のスピーカーを通じて流れた。

 市民たちは何によって警戒警報が発令されたのか、どこに避難すればいいのか分からず混乱していた。ポータルサイトで状況を把握しようとしたが、急増したアクセスで接続すらままならなかった。文字通り「パニック」だった。

「本当に戦争が起きたら、あたふたして死ぬ羽目になるかも」

 ソウル広津区(クァンジング)に住むソン・ウンギョンさん(57)は、「あんなに怖がらせておいて、具体的な内容や指針のない警報メールを見て途方に暮れた。本当に戦争が起きたらあたふたして死ぬ羽目になるかもしれないと思った」と語った。ソーシャルメディアやオンラインコミュニティなどでは、日本政府が午前6時30分、「ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられます。建物の中、又は地下に避難してください」という内容で送った緊急速報メール(Jアラート)をシェアし、ソウル市が送ったメッセージの不備を指摘する書き込みが話題になった。

 
 
5月31日、龍山電子商店街のモニター画面に北朝鮮の宇宙発射体打ち上げのニュースが流れている/聯合ニュース

 行政安全部が22分後の午前7時3分、緊急速報メールを通じてソウル市の警戒警報が誤って発令されたことを知らせたが、ソウル市は午前7時25分になってようやく「警戒警報の解除」事実を緊急速報メールで通知した。先の警戒警報が「誤発令」ではないことを主張するものだった。

 災害対応の主務省庁である行政安全部と実行の主体である広域地方自治体の状況判断が食い違っていたわけだ。国家危機管理体系の乱脈ぶりを表わした早朝の「メール災害」だった。

予告されていたロケット打ち上げにも遅れた対応

 この日の混乱は、北朝鮮の衛星搭載ロケットの打ち上げと関連し、政府内の安保・災害対応省庁と地方自治体間で事前情報の共有と対応指針の点検が適切に行われていれば防げたはずの事件であり、ソウル市だけでなく政府も責任を免れないものとみられる。

 北朝鮮が軍事衛星の打ち上げを数日前から予告していたうえ、韓米軍当局の情報資産を通じて発射準備段階から北朝鮮側の動向に対するリアルタイムの監視が行われていた点で、政府とソウル市の足並みの乱れを単に地方自治体災害対応実務者の判断ミスにするには釈然としないところが少なくない。

 実際、ソウル市が北朝鮮衛星ロケット発射後に発送した緊急速報メールは、危機状況に対して中央政府と地方自治体の情報共有がどれほど行われたのかについて疑問を抱かせる。ソウル市は実際の発射時刻(合同参謀発表基準)から12分が経ってから警報発令事実を速報メールで知らせただけでなく、警報発令の理由についても一言も説明しなかった。

 
 
5月31日、ソウル市のオ・セフン市長がソウル市庁のブリーフィング室で、北朝鮮が主張する宇宙発射体の同日午前の打ち上げと関連し、ソウル市が発送した緊急災害速報メールに関する立場を明らかにした後、ブリーフィング室を後にしている/聯合ニュース

ソウルから250キロ離れた上空を通過した後、避難メール

 衛星が搭載されたロケットの軌道がソウルなど首都圏から遠く離れた白ニョン島(ペンニョンド)西側の海上を通過し、東シナ海側に向かっていることが探知されたにもかかわらず、ソウル市が警戒警報を発令したのも納得し難いところだ。

 ソウル市が緊急速報メールを送ったのは、北朝鮮の衛星ロケットがソウルから西に250キロ離れた西海上空を通過した後だった。ソウル市が発射体の飛行軌道に対して政府からどんな情報も共有されなかったか、共有されても無視したという意味だ。

 実際、北朝鮮が発射体(ミサイル)を発射すれば、空軍作戦司令部が1分以内に探知して速度と予想飛行経路、落下地点を計算し、陸海空軍、政府機関などに専用通信網を通じてほぼリアルタイムで知らせる。それを受け、行政安全部中央警報統制所は届いた情報をまとめて各市道の警報統制所に送ることになっている。

 ソウル市の警戒警報誤発令は、この情報伝達に問題が生じたか、システム自体が実効性を持って作動しなかった事実を示している。

パク・タヘ、イ・ジヘ、クォン・ヒョクチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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ウクライナ国家安保防衛委員会のオレクシー・ダニロウ書記は、27日のBBCとのインタビューで、反撃準備を全て整えたとし、「明日や明後日、または1週間後に(反撃が)始まる可能性がある」と述べた。

2023-06-01 09:11:19 | ロシア帝国主義とアメリカ帝国主義
ウクライナ、国際仲裁を拒否…

ゼレンスキー大統領「大反撃の時期決めた」

登録:2023-05-31 06:45 修正:2023-05-31 07:47
 
ゼレンスキー大統領「この日の最高司令官会議で時期決定」 
大統領府副長官「仲裁、遅すぎた」
 
 
ロシア軍が異例にも昼に空襲を行った29日(現地時間)、ウクライナの首都キーウの住民たちが地下鉄の駅に避難し、エスカレーターに座っている=キーウ/AP・聯合ニュース

 ロシア軍がウクライナ軍の春の大反撃を阻止するため、軍事施設への空襲に集中する中、ウクライナの大統領の側近は「国際社会の仲裁は遅すぎた」とし、ロシア軍の完全撤退を実現させるため戦争を続ける意志を示した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領も、これまでいろいろな推測が続いてきた春の大反撃と関連し「時期を決めた」と述べ、緊張を高めた。

 ウクライナ大統領府のイホル・ジョウクワ副長官は、29日に公開されたロイター通信とインタビューで、ロシアがウクライナ領土を占領した状況で戦争を終わらせることには関心がないと述べた。ゼレンスキー大統領の外交分野補佐陣の中心人物であるジョウクワ副長官は「ウクライナ戦争を語る時、ブラジルの平和案、中国の平和案、南アフリカ共和国の平和案は(実現)不可能だ」としたうえで、「今のように転機を迎えた我々にとって仲裁者は必要ない。仲裁が遅すぎた」と述べた。

 中国はロシアのウクライナ侵攻1年を迎え、2月23日に12の案で構成された平和仲裁案を発表したのに続き、4月26日には習近平国家主席が直接ゼレンスキー大統領と電話会談を行った。この電話会談後の16日、中国は李輝ユーラシア事務特別代表をウクライナ問題担当の特使としてウクライナに派遣した。

 西欧と米国・中国間でバランス外交を展開する代表的な「グローバルサウス」の一員、ブラジルのルーラ・ダジルバ大統領も、4月22日にポルトガルを訪問した際、ロシアとウクライナの双方を交渉テーブルに導く案をまとめたいと述べており、16日には南アフリカなど6カ国が仲裁のため両国に平和使節団を送ることにしたと発表した。ジョウクワ副長官はこのような仲裁に向けた取り組みに対し、「遅すぎた」として拒否の意思を明らかにしたわけだ。

 ジョウクワ副長官は仲裁案の代わりに、ロシアの完全な撤退と敵対行為の中止など10項目で構成されたウクライナの平和案を目指すと述べた。ゼレンスキー大統領は昨年11月、主要20カ国・地域首脳会合(G20サミット)の際、この「10項目の平和公式」を公開した。ジョウクワ副長官は、19~21日に広島で開かれたG7サミットで、この平和案に対して非常に肯定的な反応を得たとし、「G7は(10項目のうち)いかなる懸念も示さなかった」と述べた。

 このような中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍に対する大反撃の時期を確定したと述べた。ゼレンスキー大統領は同日、テレグラムを通じて公開した動画で「最高司令部会議で弾薬の補給、新しい旅団の訓練、ウクライナ軍の戦術などについてだけでなく(大反撃の)時期に関する報告も行われた」とし、「決定は下された」と述べた。ウクライナ国家安保防衛委員会のオレクシー・ダニロウ書記は、27日のBBCとのインタビューで、反撃準備を全て整えたとし、「明日や明後日、または1週間後に(反撃が)始まる可能性がある」と述べた。

 一方、ロシア軍は同日、ウクライナ西部フメリニツキーの軍飛行場など軍事施設と、黒海沿岸最大の港オデッサなど、ウクライナ全域に対する空襲を続けた。ロシア軍はこれまで主に夜間に空襲を続けたが、この日は異例にも午前11時頃、首都キーウへの空襲を断行した。

 翌日の30日には逆にロシアのモスクワが無人機空襲を受けた。ロシア国防省は同日の空襲がウクライナ軍による「テロリスト攻撃」であり、無人機を撃墜し、重傷を負った人はいないが、一部住民を避難させたと明らかにした。ウクライナ大統領府のミハイロ・ポドリャク顧問は「我々は全く関係がない」と否定した。これに先立ち、5月3日にもモスクワのクレムリン上空で無人機2機が撃墜された事件が起きたが、ウクライナは当時も関与を否定した。

シン・ギソプ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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