韓国型発射体「ヌリ号」10月21日宇宙へ
韓国の国内技術のみで開発した韓国型発射体「ヌリ号」が10月21日に初めて発射される。
科学技術情報通信部は12日「第20回国家宇宙委員会」を開き、韓国型発射体ヌリ号の1次発射を10月21日に実施する方案を審議・確定したと明らかにした。
ヌリ号は、韓国航空宇宙研究院(航宇研)が世界で7番目に開発した75トン級の中大型液体エンジン4機をクラスター形式でまとめた150トン級の発射体だ。3段で構成されたヌリ号は、1.5トン級の実用衛星を地球低軌道(600~800キロメートル)に投入する能力を備えている。
科学技術情報通信部は、ヌリ号の2次発射は来年5月21日に予定されていると明らかにした。1次発射では1.5トンのダミー衛星が、2次発射時はダミー衛星(1.3トン)と性能検証衛星(200キロ)が搭載される。ダミー衛星には位置を確認できる信号発生器(beacon)だけが装着されている。
ヌリ号は、搭載体を700キロメートルの太陽同期軌道に投じることを目標にする。科学技術情報通信部のクォン・ヒョンジュン巨大公共研究政策官は「ヌリ号発射の成功は、ダミー衛星を目標軌道に載せたか否かで判断する。1次発射の成否にかかわらず来年5月の2次発射は予定通り進める」と話した。太陽同期軌道は、人工衛星の軌道面と太陽がつくる角度が常に一定で、人工衛星が地球の特定地点を毎日一定の時刻に通過できる軌道をいう。
科学技術情報通信部は、2013年1月30日に全羅南道高興(コフン)の羅老(ナロ)宇宙センターで発射に成功した「ナロ号」の後続事業でとして2兆ウォン(約1900億円)を投じて韓国型発射体開発事業を推進してきた。ナロ号は韓国最初の宇宙発射体だが、1段ロケットをロシアから提供を受けており、純国内技術で開発したものではない。科学技術情報通信部と航宇研は、75トン級エンジンの開発を完了し、2018年11月にエンジン1個だけの試験発射体を発射し成功した。75トン級エンジンの開発に成功した国家は、ロシア・米国・フランス・日本・中国・インドの6カ国のみだ。
科学技術情報通信部と航宇研は、今月末に発射体1~3段を連結した後に、健全性確認のための「発射前非燃焼総合試験」(WDR)を進める計画だ。クォン政策官は「WDRは零下183度の酸化剤を入れて抜く過程を通じて、極低温状態で発射体の構成品とシステムが正常に作動するかを確認する手続きで、その結果により日程に変動が生じることもある」と説明した。
科学技術情報通信部は、ヌリ号の1次発射予定日はWDRの結果を分析した後、9月末に発射管理委員会を開き最終確定すると明らかにした。1次発射の予備期間は、10月22日から28日までの一週間だ。
科学技術情報通信部は、ヌリ号1・2次発射の後にもさらに4回発射する計画を立てており、向上させたエンジンを開発し、ヌリ号を月探査用の発射体として使う方案も検討中だ。