ペロブスカイト太陽電池は、光を受けて電流を発生させる光活性層がペロブスカイト素材でできている。研究チームは、様々な光活性層のうち、電圧を高める電子輸送層と電流を高めるペロブスカイト層の素材を新たに開発

2021-02-26 20:19:02 | アメリカの対応

韓国が先導する「次世代太陽電池」、既存の素材に追いついた

登録:2021-02-26 02:20 修正:2021-02-26 08:33
 
化学研、ペロブスカイト太陽電池の新素材技術開発 
光電変換効率「量子跳躍」で25.2%達成 
シリコン素材を猛追…「ネイチャー」表紙に
 
クロアチア・ザダルの強烈な日差しをエネルギーに変換し、近くの街灯を照らす「太陽への挨拶」という名の太陽電池パネル。夜になると、このパネルのLED照明が色とりどりに路面を彩る=Pixabay提供(Katarzyna Tyl撮影)//ハンギョレ新聞社

 1970~80年代には電子計算機にくっついていた小さな太陽電池が、人類を「救う」再生可能エネルギー源として注目を集めた。しかし商用化されているシリコンの太陽電池パネルは、逆説的にも二酸化炭素排出の「主犯」だ。太陽電池パネルに使う高純度シリコンを得るためには砂(クォーツ)をアーク炉に入れ、1500~2000度の熱を加えなければならないからだ。世界が第3世代のペロブスカイト太陽電池に注目するのは、光電変換効率(光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率)がシリコンに劣らないのに、安価な素材で低温で製造できるからだ。韓国化学研究院(化学研)は25日、「化学素材研究本部のソ・ジャンウォン責任研究員の研究チームが、ペロブスカイト太陽電池の効率を画期的に向上させる主要素材技術を開発した」と発表した。同研究チームの成果は科学ジャーナル「ネイチャー」24日(現地時間)付に表紙論文として掲載された。

 
韓国化学研究院のペロブスカイト太陽電池についての論文が「ネイチャー」の表紙に選ばれた=韓国化学研究院提供//ハンギョレ新聞社

 ペロブスカイトとは、ロシアの鉱物学者レフ・ペロフスキーが鉱物から初めて発見した特定の化学構造を表す言葉だ。日本の研究チームは2009年にペロブスカイト物質を初めて太陽電池に用いた。その後、世界の研究者たちは、ペロブスカイト太陽電池の光電変換効率の向上競争に突入した。化学研はこの競争で7回も先頭に立つ成果をあげている。今回の論文で発表された25.2%の効率は、2019年8月に達成したもので、シリコン太陽電池の最高効率26.7%と1.5ポイントの差しかない。現在の最高効率は、これまで4回も最高効率を更新してきた蔚山(ウルサン)科学技術院のソク・クァンイル教授のチームが昨年に達成した25.5%。

 
ペロブスカイト太陽電池(a)とペロブスカイト太陽電池の構造(b)=韓国化学研究院提供//ハンギョレ新聞社

 ソ・ジャンウォン責任研究員の研究チームは「ネイチャー」に掲載された論文で、25.2%の高い効率を達成した原理を説明した。太陽電池は、太陽光を受けて電気エネルギーに変える素子であり、ペロブスカイト太陽電池は、光を受けて電流を発生させる光活性層がペロブスカイト素材でできている。研究チームは、様々な光活性層のうち、電圧を高める電子輸送層と電流を高めるペロブスカイト層の素材を新たに開発した。

 研究チームは、化学溶液蒸着法という技術を用い、太陽電池の透明電極の上でスズ酸化物を直に合成し、電子がうまく移動するようにした。電子がうまく移動すれば電圧が高まり、効率が上がる。研究チームはまた、光がよく吸収されるようにペロブスカイト層の表面処理技術を開発し、添加物は減らしつつ効率を高められる方法を見出した。研究チームの新たな素子は、太陽電池の最高効率情報を四半期ごとに発表する米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)のチャートで、2期連続でトップに立った。新たな素子は、500度を超える高温の熱処理工程が必要だった従来の高効率ペロブスカイト太陽電池と異なり、150度以下の低温で製造できるという長所がある。

 
米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)の太陽電池効率チャート//ハンギョレ新聞社

 研究チームは「特筆すべきこととして、今回開発したペロブスカイト太陽電池は明るい光を出せるという特徴を持っているため、発光素子(LED)としての可能性を世界で初めて証明した」と明らかにした。従来のペロブスカイト太陽電池は発光効率が5~10%にとどまり、発光素子としては注目されていなかったが、測定の結果、研究チームの太陽電池の発光効率は17%だった。

 ソ責任研究員は「今回開発したペロブスカイト太陽電池は、再生可能エネルギー分野以外にもディスプレーなどの様々な分野に用いられると期待される」と述べた。研究チームはまた、ナノ粒子アバランシェ増幅を利用して、ペロブスカイト太陽電池が吸収できない周波数の光を用いることで電流を向上させる方法を探っていることを明らかにした。

イ・グニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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志位氏は第一の問題として、東北新社がなぜ39回もの接待を系統的・組織的に行ったのか、その“目的”が明らかになっていないと強調しました。

2021-02-26 10:11:13 | いったいどうしていたのか?

接待した目的、受けた理由、

行政ゆがめた問題―菅首相の責任で解明を

志位委員長が会見

写真

(写真)記者会見する志位和夫委員長=25日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は25日、国会内での記者会見で、放送事業者・東北新社の接待を受けた総務省幹部らの問題について問われ、「三つの大きな問題が明らかになっていない」と述べ、菅義偉首相には「自らの責任で真相究明を行うことが求められている」と主張しました。

 志位氏は第一の問題として、東北新社がなぜ39回もの接待を系統的・組織的に行ったのか、その“目的”が明らかになっていないと強調しました。

 第二に、総務省の幹部がなぜそろいもそろって東北新社の接待に応じたのか、その理由も明らかになっていないとして、「(菅首相の長男の正剛氏の)父親の影があったのではないか」と指摘。菅氏が自著で、人事権をふるって官僚にいうことを聞かせてきたと自慢していたのが総務省だとして、「忖度(そんたく)が働いたのではないかというのが誰しもの疑問だ」と述べました。

 第三は、「放送行政=BS、CSなど電波の許認可等の問題がゆがめられたのではないか」と強調しました。

 その上で、「この三つを明らかにするには、正剛氏を含む東北新社側と総務省側を国会に招致し、集中的な審議がどうしても必要だ」と述べました。

 さらに志位氏は、菅氏が総務相の時代に正剛氏を大臣秘書官に据え、東北新社関係者にも引き合わせたとして、「そのなかで双方のとんでもない癒着が起こった。縁故主義そのものだ。疑惑の“土俵”をつくったのは首相だ」と強調。首相の政治家としての責任は重いとし、真相解明に責任を果たすよう強く求めました。

 農林水産省でも吉川貴盛元農水相によるアキタフーズからの現金受け取りや官僚が接待を受けていた問題が明らかになるなど、組織ぐるみのモラルの崩壊が起きていたと指摘し、「“魚は頭から腐る”というが、森友・加計問題が非常に大きい。これで官僚組織に忖度をまん延させ、モラルを壊したのは安倍晋三氏(前首相)と菅氏ではないか。そういう大きな政治的な責任も問われている」と強調しました。

 志位氏は、東北新社から高額の接待を受けていた山田真貴子内閣広報官の進退について問われ、「首相会見で当然、総務省についての質問も出る。そのときに“もう時間ですから”と打ち切るのか」として、「辞めるべきだ、また辞めさせるべきだ」と主張しました。

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