張晶さんと夫の趙威さんが隔離期間を過ごした隣り合った部屋。1人1部屋ずつに分かれ、2人は規定に基づき、互いの部屋を訪れることはなかった

2020-04-08 18:18:08 | 中国を知らなければ世界はわからない

新型コロナワクチン臨床試験に参加した武漢の夫婦、隔離期間終了

人民網日本語版 2020年04月08日13:58

 初めて夫婦で新型コロナウイルスのワクチン接種ボランティアとなった武漢市の張晶さんと趙威さんは4月5日午後5時ごろ、医学的隔離観察期間を終え、共に帰宅した。2人は、新型コロナウイルスのワクチン接種ボランティアになったことを両親にずっと伝えていないという。人民網が伝えた。

新型コロナウイルスワクチン臨床研究チームから張晶さん夫妻に贈られた「感謝状」(写真提供・張晶さん)。

壁を叩いて「会話」

手配に基づき、夫婦はホテルで1人ずつ別の部屋に分かれて隔離観察を受けた。部屋は隣り合っていたが、2人は専門家のアドバイスに従って、できる限り行き来しないようにした。そして夫の趙さんが、「何か言いたいことがあったら、ベッドの枕元の壁をノックしようよ。携帯電話の使用ギガ数も節約できるしね。3回ノックしたら『いただきます』、5回なら『今何してる?』ということにしよう」とユニークでロマンチックな合図を提案。張さんのほうも、「私もすっかりノリノリになっちゃって…合図の暗号をノックしたりして、ノックのしすぎで手が痛くなっちゃった!」と笑う。

張晶さんと夫の趙威さんが隔離期間を過ごした隣り合った部屋。1人1部屋ずつに分かれ、2人は規定に基づき、互いの部屋を訪れることはなかった(写真提供・張晶さん)。

しかし、ほとんどの場合、2人は動画チャットで会話したそうで、張さんは動画で夫に、「夜寝る時にはしっかり布団をかけてね。この季節は風邪をひきやすいから」と念を押したという。

「これから先、こんなことはもう一生ないでしょうね」と言う張さんは、今回のことを心に深く刻み付けている。

武漢市で行われている新型コロナウイルスワクチン第1期臨床試験に被験者として参加したボランティア108人のうち、張さんと趙さんは唯一夫婦で参加したボランティアだ。

張晶さんの医学的隔離観察期間中の食事(写真提供・張晶さん)。

4月5日は、張さん夫妻が新型コロナウイルスワクチンを接種した後、医学的隔離観察に入ってから14日目だった。午後5時ごろ、2人がCT検査や採血検査を受けた後、医師は彼らに「結果はすべて正常で、普段の生活に戻って構わない」と告げた。

新型コロナウイルスワクチン臨床研究チームは張さん夫妻に「感謝状」を贈った。そこには、「ボランティアとして『遺伝子組み換えによる新型コロナウイルスワクチンI期臨床研究』に参加し、無事にワクチン接種と療養観察期間を終えたことに感謝するとともに、あなたの大いなる愛に対し心からの感謝と敬意を表します」と書かれていた。

張さん夫妻はさらに医療従事者が発行した健康記録手帳も受け取った。これから6ヶ月間、彼らは研究チームに協力して6ヶ月の追跡調査と身体検査を受けることになる。

新型コロナワクチン臨床試験に参加した武漢の夫婦、隔離期間終了 (2)

人民網日本語版 2020年04月08日13:58
 

新型コロナウイルスのワクチン接種後、医学的隔離観察期間にも勉強を続けていた張晶さん。医学的隔離観察を14日間受けなければならないことを知った張さんは、4月には試験が控えているため、医学書を何冊か持ち込んだ。(写真提供・張晶さん)。

張さんは、「帰宅後、私たちはすっかり元通りの生活に戻る。働いて、生計を立てていかなければ。別に驚くようなことではない。私たちは武漢の普通の夫婦がする普通の事をしただけ」と言う。

張さんは武漢のある企業の医務室に務めるごく普通の看護師だ。同い年の夫である趙さんは運転手で、2人はつつましく、どこにでもいる普通の市民だ。

1月22日夜10時ごろ、張さんと夫は湖北省武漢市を出発し、2時間かけて同省安陸市の家に着いた。張さんはニュースで武漢の感染状況を知り、特に多くの湖北省以外の医療従事者が武漢を支援していることを知って、「とても感動した。自分も医療従事者であり、武漢市民でもあるからには、このウイルスとの闘いで何かすべきだと思った」という。張さんは武漢に帰ることを決め、自分から勤め先に職場に戻りたいと申し出て、許可を得た後、手続きを開始した。規定に従って、まず自宅で14日間の隔離をする必要があった。2月5日、手続きが全て完了すると、夫である趙さんは車で彼女を送り、一緒に武漢に戻った。

2月6日、張さんは勤め先の医務室での勤務に戻った。公共交通機関がなかったため、趙さんが彼女の専門の運転手を務めた。

傍観者ではなく、参加者に

「ちょっとこれを見てくれよ。新型コロナウイルスワクチンの臨床試験ボランティアを募集しているらしい」。3月17日午後1時、趙さんは携帯電話に表示されたあるメッセージを張さんに見せた。ボランティアの申込条件には、18歳から60歳までの武漢に在住する健康な成人とあり、2人ともその条件を満たしていた。

「申し込む?」と趙さんは張さんに尋ねた。

「申し込むに決まってるじゃないの!」と張さんは即答した。

趙さんは妻を思いやって、「一緒に申し込むよ。君が寂しいといけないからね。それに僕も自分がやってうれしくなるような事をしたいし」と言い、笑みを浮かべた。

3月19日午前9時ごろ、張さんは勤務時間中に、申込が受理されたことを知らせる電話を受けた。

身分証情報を登録し、ボランティアのインフォームドコンセントに署名し、体温を測定し、血圧測定や心電図、胸部CT検査、咽頭ぬぐい液の検査などを受けた。どの検査も非常に詳細にわたっており、張さんは、「この時、医療従事者から、検査で1項目でも不合格だったら、臨床試験には参加できないと言われた」と語った。

新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける張晶さん(写真左)と趙威さん(写真左から2人目、撮影・何暁剛)。

「身体検査の結果は合格です。すぐに何項目か採血検査を受けに来てください。ワクチン接種を受ける準備をします」。3月20日、張さんと趙さんは共に合格の知らせを受けた。

第1陣のワクチン試験参加者となった108人のボランティアたちは、特に何も用事がない時は微信(WeChat)のグループチャットで交流していた。張さんたちが夫婦で新型コロナウイルスワクチン接種ボランティアになったことを知ると、他のボランティアたちは口々に「2人ともなんて勇敢なんだ!」と称賛した。

張さんと夫は、今も双方の両親や周囲の親しい友人たちにこの件について話していない。彼らが心配しないか気がかりだし、あれこれ説明したくもないからだ。2人は隔離観察期間が終わった後、両親に伝えるつもりでいるという。(編集AK)

「人民網日本語版」2020年4月8日 

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「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による経済危機」に備えた災害支援金をめぐる議論が新しい局面に入った。

2020-04-08 08:17:58 | 韓国を知ろう

韓国政界で災害支援金の全国民支給案が“急浮上”

登録:2020-04-07 06:48 修正:2020-04-08 07:20
 
総選挙控え、選別支給に対する否定的世論に 
野党に続き与党も「全国民に支給」 
 
政府案より4兆~16兆ウォン以上必要 
企画財政部「総選挙後、拡大要請あれば議論」
 
総選挙を9日後に控えた4月6日、共に民主党常任選対委員長のイ・ヘチャン党代表(前列左から5番目)と比例政党のイ・ジョンゴル常任選対委員長(前列右から4番目)などが釜山で開かれた「共に民主党中央党選挙対策委員会全体会議」で勝利を誓っている=キム・ギョンホ記者//ハンギョレ新聞社
 
未来統合党のキム・ジョンイン総括選挙対策委員長(左から4番目)と未来韓国党のウォン・ユチョル代表(右から4番目)が今月6日午前、ソウル永登浦区の未来統合党党本部で開かれたソウル現場選挙対策委員会会議で、スローガンを叫んでいる/連合ニュース

 共に民主党が所得下位70%世帯に支給することにした緊急災難支援金100万ウォン(4人家族基準)を全世帯に拡大支給する方策を推進することにした。前日、ファン・ギョアン未来統合党代表が国民1人当たり50万ウォン(約4万4千円)を支給することを提案したのに続き、与党も「全国民支給」を約束し、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による経済危機」に備えた災害支援金をめぐる議論が新しい局面に入った。

 共に民主党のイ・ヘチャン代表は6日午前、釜山で開かれた選挙対策委員会で「緊急災害対策では地域や所得、階層に関係なく、すべての国民を国家が保護していることをきちんと示すことが重要だ」とし、「今回の総選挙が終わり次第、すべての問題を綿密に検討し、対策を練り上げることを約束する」と述べた。チョ・ジョンシク民主党政策委議長は、ハンギョレとの電話インタビューで、「4人家族基準で100万ウォン(約8万8千円)で全国民に支給する案が有力だ」と述べた。「4人家族100万ウォン」という当初の政府案の支給額規模は維持する一方、支給対象は拡大する案だ。民主党は支援対象を拡大すれば計13兆ウォン(約1兆1500億円)の財源が必要になると推算している。当初の政府案(9兆1000億ウォン)より3兆9000億ウォン(約3500億円)増えた規模だ。

 
緊急災害支援金をめぐる政界の立場の変化//ハンギョレ新聞社

 これに先立ち、ファン・ギョアン統合党代表は先月5日、国民向けブリーフィングを開き、「大統領が緊急財政経済命令権を発動して一週間以内に金融機関を通じて(1人当たり50万ウォンを)支給すべきだ。必要な25兆ウォン(約2兆2200億円)の財源は2020年予算である512兆ウォン(約45兆5千億円)を再構成して調達すれば良い」と政府に要求した。当時、ファン代表は「政府が決めた健康保険料基準の緊急災害支援金は現金で支給されないだけでなく、支給基準に対して国民に多くの不満と混乱をもたらしている」とし、商品券や電子マネーの代わりに現金支給を提案した。

 これまで支援金政策をめぐって鋭く対立してきた与野党が、全国民に支援金を支給する方向で意見をまとめたのは、総選挙を控えた状況で“選別支給”に否定的な世論を意識したためとみられる。これまで全国民を対象にした災害基本所得について「現金ばらまき」や「買票行為」などと非難してきた統合党が方針を変えたことを受け、災害支援金をめぐる世論悪化を恐れていた与党が立場を変えたのだ。カン・フンシク民主党首席スポークスマンは「(ファン代表発言に先立ち)党内で既に全国民に支援金を支給すべきだという要求が続いており、検討中だった」とし、「補正予算は野党の協力が必須であるため心配していたが、ファン代表の発言によって(合意の)可能性が高まったのは事実」だと説明した。

 与野党の態度の変化について企画財政部の関係者は「今は非常経済会議を通じて決定された下位70%に対する災害支援金支給の具体的基準をできるだけ早期に確定し、財源対策を盛り込んだ補正予算案を国会に提出する方が優先課題」だとし、「総選挙後の補正予算案の審査過程で支援対象を拡大しようという要請があれば、その時増額の可否を検討できるだろう」と述べた。

イ・ジヘ、ソ・ヨンジ、ノ・ヒョヌン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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