教育当局は早ければ4月末からオンライン授業と登校授業を並行できると見ている。

2020-04-03 14:52:06 | 韓国を知ろう

感染者1万人へ…

韓国政府の自粛指針、6日以降も続く見込み

登録:2020-04-03 06:16 修正:2020-04-03 14:43
 
チョン首相「ソーシャル・ディスタンシング緩和すれば 
再び感染拡大を招く恐れも」 
これまでの措置と生活防疫を同時に進める見込み 
 
毎日感染者が100人前後発生 
中対本「2週間の強力なソーシャル・ディスタンシングで 
感染の88%近く減らせる」 
 
「ソーシャル・ディスタンシングの一環、始業式の延期の効果 
最低200人の感染者を減らす」との研究も
 
ウリ銀行は今月2日、顧客と職員を保護するための「ソーシャル・ディスタンシング」の一環として、全国のすべての営業店の顧客窓口に透明な仕切りを設置したと発表した//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を防ぐための高いレベルの「社会的に距離を置くこと」(ソーシャル・ディスタンシング)を進める指針が今月5日を期限としている中、韓国政府は直ちにソーシャル・ディスタンシングを緩和するのは危険要因が多いとみている。これを受け、これまで実施してきたソーシャル・ディスタンシングを大きく緩和しないレベルで、“生活防疫”システムに転換する方向で協議を進めている。政府は週末前に、今後の防疫対策の方向性を発表する方針だ。

 チョン・セギュン首相は2日、「当分の間、登校や始業が困難になった中、高いレベルのソーシャル・ディスタンシングをいつまで維持すべきかを悩んでいる」とし、「日常への復帰をいつまでも先送りするわけにもいかず、国民の疲労度も相当なものであることも分かっているが、世界的な拡散がかつてないほど激しく、海外からの流入と集団感染が続いている状況だ」と述べた。さらにチョン首相は「ソーシャル・ディスタンシングを緩和することは感染を再び拡大させる恐れがある」と強調した。同日0時現在、COVID-19の新規感染者が89人増え、累積感染者数が9976人に達した。3日には、累積で韓国国内のCOVID-19感染者が1万人を超えるものとみられる。キム・ガンリプ中央災難安全対策本部1総括調整官は同日の定例ブリーフィングで、「できれば週末になる前に、これからソーシャル・ディスタンシングをいかに進めていくかについて発表したいと思っている」と述べた。

 具体的に防疫当局は、生活防疫システムに移行しても、高いレベルのソーシャル・ディスタンシング指針を並行する方針だ。クォン・ジュヌク中央防疫対策本部副本部長は同日の定例ブリーフィングで、「2週間程度の非常に高いレベルのソーシャル・ディスタンシングを続ければ、全体(COVID-19感染の)発生を88%近く減らせる」としたうえで、「生活防疫が施行されても、こうした高いレベルのソーシャル・ディスタンシングの実施はその中に含まれるものとして見るべきだ」と述べた。さらにクォン副本部長は「生活防疫は高いレベルのソーシャル・ディスタンシング以外にも、一般的なソーシャル・ディスタンシング、すなわち2メートルの距離を取って生活上での密接度を下げることや発熱など症状が現れた場合は外出を控えること、密集度の高い場所に集まる人々に対する発熱確認なども構成要素になる」と説明した。

 これに先立ち、政府は3月22日から今月5日までの15日間、これまでよりも高いレベルのソーシャル・ディスタンシングを呼び掛けてきた。その後、日常生活と経済活動を続けながらも防疫対策を維持する生活防疫システムに移行するという計画だった。しかし、新規感染者が毎日100人前後増え続け、この期間の延長を検討してきた。当初6日に予定されていた始業式も、再びオンラインでの授業再開の形で先送りされた状況であり、直ちに高いレベルのソーシャル・ディスタンシング指針を緩和するのは適切ではないという専門家らの発言も相次いだ。教育当局は早ければ4月末からオンライン授業と登校授業を並行できると見ている。これと関連し、ソーシャル・ディスタンシングの一環だった始業延期の効果を分析した研究結果も同日出た。建国大学数学科のチョン・ウンオク教授とサムスンソウル病院感染内科のペク・ギョンラン教授チームが、始業式の延期の効果を定量的に分析した結果、少なくとも200人のCOVID-19感染者を減らせる効果があることが明らかになった。

 生活防疫システムには、免疫力が低下した高危険群への対策も一緒に盛り込まれるものと見られる。クォン副本部長は「がん患者や臓器移植を受けた方、妊婦など免疫学的に防御力が非常に低いグループに対しては持続的な対策が必要だ」と述べた。手洗いなど衛生対策も生活防疫の一環として提示される。「いかなる場所でも消毒液や手を洗える施設が提供される案を考えている」という説明だ。

 この他にも防疫当局は、室内で人が密集している環境の場所などを中心に、場所や状況別に適用できる細部対策をまとめている。例えば、学校の場合、具合の悪い生徒を登校させるかどうか、学校の入口から発熱などの症状の監視、学校内に消毒液の備え付けること、給食時間の生徒間の距離の維持などを細かく規定するということだ。

 何より防疫当局は日常生活で「2メートル以内、15分以上」の緊密な接触を避けるべきだと強調する。互いに3歩、両腕を伸ばした間隔よりも広く十分な距離を取るべきだということだ。キム・ガンリプ1総括調整官は同日、「多くの人たちが集まることがやむを得ない場合、間隔を維持できる広い空間を優先的に確保するか、時間差を置いて集まらなければならない」とし、「握手やハグなどはしないことを勧める」と強調した。

パク・ジュニョン、ノ・ジウォン、パク・ダヘ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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中央防疫対策本部のチョン・ウンギョン本部長はこの日「国外からの入国者の70%以上が首都圏地域に居住している」とし、こうした影響でソウル・京畿・仁川で感染者が増えていると説明した。

2020-04-03 06:44:36 | 韓国・コロナ対策

感染者2週間で2倍…新型コロナ、首都圏で急速に拡散

登録:2020-04-02 02:10 修正:2020-04-02 15:21
 
579人から1042人へと急増 
新規発生、大邱・慶北をはるかに上回る 
入国増加、病院や教会の集団感染で
 
イタリアのミラノ地域在住の韓国人が1日午後、チャーター機で仁川国際空港第2ターミナルに到着した//ハンギョレ新聞社

 人口が密集する首都圏地域での新型コロナウイルス(COVID-19)拡散の勢いが止まらない。大邱(テグ)・慶尚北道を中心に続いていた感染拡大傾向は、この2週間で首都圏へと移りつつある。政府は5日までの予定の「高強度の社会的距離置き(ソーシャル・ディスタンシング)」実践期間をさらに延長する必要があると明らかにした。

 中央防疫対策本部は、1日0時現在で前日同時刻よりCOVID-19の感染者が101人増加したと明らかにした。このうち首都圏のソウル・京畿・仁川で新たに確認された感染者が半分以上を占めている。その内訳はソウル24人、京畿23人、仁川5人。首都圏の新規感染者は大邱(20人)、慶尚北道(2人)の2倍以上だ。この日までの3週間で1日の新規感染者数が100人前後を行き来する中、首都圏は急激な増加傾向を見せている。3月18日0時現在の首都圏の感染者はソウル270人、京畿277人、仁川32人だった。首都圏で579人だった感染者数は、2週間で2倍に迫る1042人(検疫所での陽性判定は除く)に増えた。地域別ではこの日までにソウルで474人、京畿で499人、仁川で69人。

 
海外からの流入と推定される新型コロナ感染者数の推移//ハンギョレ新聞社

 中央防疫対策本部のチョン・ウンギョン本部長はこの日「国外からの入国者の70%以上が首都圏地域に居住している」とし、こうした影響でソウル・京畿・仁川で感染者が増えていると説明した。この日までの国外から入国した感染者560人のうち、検疫所での確定判定(224人)を除く336人の発生地域を見ると、首都圏が中心だ。ソウルが127人で最も多く、京畿道96人、仁川25人の順だ。

 首都圏の医療機関や教会で集団感染が発生し続けていることも拡散のもう一つの理由だ。ソウル地域のCOVID-19感染者は、この日午前10時現在で478人と、前日より28人増加した。特に、九老(クロ)の万民中央聖潔教会を中心とした新たな感染が目立つ。同教会関連の感染者は計41人で、前日より8人増えた。国外から入国した感染者も増え続けている。この日、新たに確認された国外から入国の感染者は16人。

 病院を中心とした拡散も衰えていない。3月29日から30日にかけて2人の感染が確認された京畿道カトリック大学議政府(ウィジョンブ)聖母病院では、31日に看護師、看病人、清掃係など8人に新たに感染が確認されたのに続き、1日にも2人の患者が陽性判定を受けた。これにより議政府聖母病院の感染者は1日午後4時現在、計12人となった。病院内の患者や従事者だけでなく、2次感染も発生している。同病院に入院している母親の面倒を見ていた3姉妹がこの日、陽性判定を受けたのだ。

 チョン・ウンギョン本部長は「単なる患者数を生活防疫への転換の基準とすることはできない。新規感染者が防疫網内で管理されている患者なのか、感染経路は把握されているのか、対応可能な水準なのかなどを基準に、転換時期を判断しなければならない」と述べた。先に、中央災害安全対策本部のキム・ガンリプ第1総括調整官も「国外からの流入が続いており、国際的にも感染者が急増しているため、ソーシャル・ディスタンシング措置を緩和するにはまだ相当な困難がある」と述べている。

パク・ジュニョン、パク・キョンマン、チェ・ユンテ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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