どこ吹く風

旅のことを主に書く。

酒場

2006年03月21日 13時34分44秒 | マニラの印象
 ベリーさんにはマニラの観光名所だけでなくレストランや酒場にも同行してもらった。その他にジプニーやtaxiの乗り方なども、これは後で大いに役立った。
女性だからgogoバーは案内しなかったが”オモシロイ店があるヨ”と連れて行かれたのはウェイター・ウェートレスが全員小人の店だった。

 テーブルより頭一つ分高いだけの背丈しかない、頭の大きさは大人並みだがその他は小さく短い。動きがチョコチョコした感じに見えてどこかユーモラスである。ただそれを見世物にして店を売り出すというのにはチョッピリ抵抗を感じ無かったわけではない。
ベリーさんは単純に面白がってアレコレ動作の解説をする。そこには差別意識はまるっきり感じられない。

 店の小人従業員を笑いものにしているようだが、必ずしもそうでもない。そうなんだからしょうがないじゃない、というのを前提にそれを認めて可笑しい動作を笑っているようだ。
私の常識とズレるところもあるが、私のほうが常識と言うサベツ観念に縛られているのかもしれない。フィリピン人の方がフランクに接しているようにも思える、それはバクラと呼ばれているオカマを偏見無しに受け入れているのを見ても分かる。

 その店は生バンドの演奏があり、有名な歌手も来るとのこと。男性歌手の歌を聞きながらビールを飲んだ。
店を出たのは9時ごろだった、マビニの夜はいつもの喧騒、クラクションから呼び込みの声までネオンの色・点滅と交じり合っていた。

 ある夜カラオケバーに行った。
私は外国へ行ってまでカラオケバーに行こうとは思わない、しかしスポンサーである社長が行きたいと言うのに反対したり断る事も出来ず付いて行く。店選びはベリーさん任せた。
カラオケバーには当然日本語が話せる女性が大勢いる、日本語の歌も上手い、そのようなところでわざわざヒジャイヌーディを披露する事も無いので酒を飲み女の子とおしゃべりをする。

 そこに少年が現れた、女性は彼が何をするのか分かっているのでチップをあげて!と言う。社長が何がしかの金を出すと少年はテープを渡してセットさせてステージに向かう。歌い始めるとこれがまたウマイ、上手、これまでワイワイ自分の歌声に痺れて満足していた日本人の商社マンやら観光客のみなさんはシ~ンと静まり返ってしまった。

 フィリピン人はエンターテーナーの素質を持つ人が多いがこの少年もそういう素質があるのだろう。自分のキーに合わせたテープを持って稼いでいるようだ。自分のノドで稼いでいるのでプロだ、お客が凹んでしまったのを見て私はとても愉快になった。

 あの子は今では大人になっただろうが、次の少年は出ているのか・・。
大勢の上手い子が出てカラオケバーを我が物顔して蛮声を張り上げている日本人を凹ませて貰いたい。