どこ吹く風

旅のことを主に書く。

ブローンアウト

2006年03月16日 13時35分46秒 | バリ
 仕事は事務所開設の準備をすることだった。部屋の模様替えに調度品の購入や職員採用がその主な内容で、ひと月ほど前に社長が採用した女性事務員の案内で動き回った。
幸い彼女ーベリーさんーは日本語が上手く話せるので私にはありがたかった。

 事務所であれこれ考えながらベリーさんと日程の打ち合わせとか今後の方針を話していると突然停電した。停電は日常茶飯事のことらしい、ブローンアウトとかブローンナウトとか聞こえる発音でいらだたしそうに言う。
すぐに暑くなる、ムシムシしてくるので窓を開けたら熱風が来た。暑くても未だ室内の方がいい、とはいえ暑いムヌカンゲーが出来ない。熱風もイヤだが締め切った空間もイヤだ、暑くても外がいい。

 この停電ーブローンアウトーは定期的なものらしく諦めているようだ。そういえばちょっとした店の前に大型の発電機が置いてある理由が分かった。停電と同時に発電機の音が聞こえてくる。防衛措置を取っているのだ。店の前を歩く人にとっては自然の暑さと機械からの発熱煤煙騒音が加わる。しかも歩道を占拠した形で置かれている、これもフィリピンらしさなのか。

 レストランの中はそのお蔭で涼しさが得られお客は満足する。そのようなレストランはあまり利用しなかったが恩恵を受けることもあった。

ある日車をチャーターして買い物名目で街を走った。車のクーラーの効きが悪いので窓を開けた途端にヘアードライーを顔に吹き付けられたかと思うほどの熱風が顔に当たりビックリして窓を閉じた。それほどの暑さを感じたものだった。
私にとってブローンアウトと熱風は表裏の関係で思い出す出来事です。

 しかし日中の暑さは夕風と共に涼しくなる、夜間のクーラーは要らない、殆んどクーラーのお世話になること無く寝た。
宿泊はマンションを借りて寝起きしていたが、ベッドに準備されているのはシーツだけで毛布や布団類が無かったのでクーラーどころか窓を閉じて風が入らないようにしていた。
 夜間の気温は夏でも24度しかない、夜はオキナワよりも凌ぎ易いと思った。
ある時bbsのオフ会にフィリピンとブラジル人も参加していたので、オキナワ・フィリピン・ブラジルの何処が暑いかと感想を聞いたらお二方ともオキナワが暑いと言う。
私はその時は理解できなかった、絶対ブラジルやフィリピンが暑いに決まっていると思っていた。
しかしマニラの夜の涼しさを体験すると暑いのはオキナワだと実感した。オキナワは夜明けでも28度を維持している、これではクーラー無しで寝ることは出来ない。

 いま春分の頃の太陽は赤道上にあるが次第に北上して台湾中部までのぼってくる。その往復にフィリピンを通過する、その頃はとても暑いらしい。アタマがクラクラするほど暑いらしい。
 あのマニラの排気ガスの中をジットリ、べっとり汗を掻きながら歩くと・・・考えただけでもあああ・あ・暑~い。
でもでもその暑さの中に居たいな~。
でもブローンアウトは嫌よ。