初心者の人へ④

「継続は力なり」という言葉がありますが、歌唱の練習に関しても全く当てはまる言葉です。基礎的な練習を継続することが大切です。時間的には数十分でも、出来るだけ毎日欠かさず練習することが良いのです。一週間に一日だけ長い時間練習するよりも、毎日数十分の練習を継続するほうが効果的です。それでは、どのような練習を続ければよいのでしょうか。これについては、普段から指導を受けている先生のメソッド（方法）に従って下さい。基礎的な練習に関しても色々なやり方があり、これがベストと断言出来る方法は無いと言っても良いでしょう。目的は同じでも、アプローチの仕方は色々あります。

一般的に歌唱の基礎練習として初心者が取り組むべきことをあげてみます。まずは、心身の健康です。できるだけ明るくて、積極的な心を養うこと。そして、健康な身体、基礎体力をつけることを心がけましょう。心身の改造なんて、言うは易しですが並大抵なことではありません。しかし、日常生活の中でほんのわずかなことでも、心がけ、それを実践することによって実現可能だと思います。最も良くないのは、無気力、怠惰、諦め、といったマイナス要素が根付いて何もしないことです。

歌唱は人体そのものが楽器であり、その楽器を維持管理するのは自分です。そのためには何をすべきか、自らで考え実践することが必要です。基礎体力が不足している人は地道な努力を重ねる必要があります。たとえば、「毎日ラジオ体操をすること」を１年間続けると必ず効果があるはずです。それぞれが、自分の心身をチエックして適切な手段を見出して下さい。

「さあ、歌おう」という時に大切なことは、やはり心と身体の準備です。「さあ、歌うぞ！」という心意気を持って臨むこと、そして姿勢を保持します。内に歌う意欲を秘めた身体がどのように構えるか？最初の課題です。簡単に言えば、「両足で、スックと立つことです。どこにも余計な力を入れずに、足の先から頭の先まで、真っ直ぐに自然体で立つことです」。それを確認するためには、壁や柱を背にして立つとか、鏡を前にして立つなどの方法も良いでしょう。特に、鏡は声楽を志す人には欠かすことの出来ない一生の友になります。