竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

高齢化社会ならではの笑い話「広岡の腰痛地蔵」  

2010年07月19日 | 日記
今日は久しぶりにお話テキストを載せましょう。
本来、このブログはお話の面白さを楽しんでもらうのが目的ですから。


広岡の腰痛地蔵   
  
奈良の広岡町に普光寺いうお寺があるねん。
そこに六体地蔵さんがあって、腰痛地蔵て呼ばれてるねん。



お参りすると腰痛が治るいうて、昔の人はようお参りに行かはったそうや。
あるとき、ひとりのおばあさんが、巾着に白いお米をちょっと入れて、
杖ついて、お参りに行かはったてんて。
そうして、お米をお供えして、「治してください」いうて、拝まはってん。
毎日毎日拝まはったけど、なかなか良うならへん。
おばあさんは、
「私はもう腰も痛いし、生きてても用がない。はよお迎えに来て下さい」
て拝みはってん。
そしたら、六体地蔵さんが現れて、
「わかった。明日早速迎えにきてやる」ていわはったんやて。
おばあさんはびっくりして、
「明日の今度のその今度で結構です」ていわはってん。
すると六体地蔵さんが、
「わかった。明日の今度のその今度に迎えに来てやる」
ていわはったんやて。
おばあさんは慌てて、
「明日の今度のその今度、もひとつ今度のその今度、またもひとつ今度のその今度」
て、繰り返し繰り返し拝んで、帰って行かはったいうことや。
この六体地蔵さんよう聞いてくれはるそうや。

原話資料:進藤秀樹・竹原威滋・丸山顕徳編 『奈良市民間説話調査報告書』 
     再話 : 村上 郁


この話は、高齢化社会ならではの笑い話ですよね。
語り手の村上さんは、昨年この話をNHKの「ラジオ深夜便」で語られて
大好評を博したのですよ!
  


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (こいちゃんりんご)
2010-07-22 14:46:11
おもしろい話ですね。
返信する
Unknown (ふるひら)
2010-07-22 14:48:16
やっぱ関西弁っていいですね(^^)
返信する
Unknown (Brown)
2010-07-29 11:08:59
小学校国語の教科書によく載っている
「三年とうげ」
に少し似てる気がします。
返信する

コメントを投稿