今日は久しぶりにお話テキストを載せましょう。
本来、このブログはお話の面白さを楽しんでもらうのが目的ですから。
広岡の腰痛地蔵
奈良の広岡町に普光寺いうお寺があるねん。
そこに六体地蔵さんがあって、腰痛地蔵て呼ばれてるねん。
お参りすると腰痛が治るいうて、昔の人はようお参りに行かはったそうや。
あるとき、ひとりのおばあさんが、巾着に白いお米をちょっと入れて、
杖ついて、お参りに行かはったてんて。
そうして、お米をお供えして、「治してください」いうて、拝まはってん。
毎日毎日拝まはったけど、なかなか良うならへん。
おばあさんは、
「私はもう腰も痛いし、生きてても用がない。はよお迎えに来て下さい」
て拝みはってん。
そしたら、六体地蔵さんが現れて、
「わかった。明日早速迎えにきてやる」ていわはったんやて。
おばあさんはびっくりして、
「明日の今度のその今度で結構です」ていわはってん。
すると六体地蔵さんが、
「わかった。明日の今度のその今度に迎えに来てやる」
ていわはったんやて。
おばあさんは慌てて、
「明日の今度のその今度、もひとつ今度のその今度、またもひとつ今度のその今度」
て、繰り返し繰り返し拝んで、帰って行かはったいうことや。
この六体地蔵さんよう聞いてくれはるそうや。
原話資料:進藤秀樹・竹原威滋・丸山顕徳編 『奈良市民間説話調査報告書』
再話 : 村上 郁
この話は、高齢化社会ならではの笑い話ですよね。
語り手の村上さんは、昨年この話をNHKの「ラジオ深夜便」で語られて
大好評を博したのですよ!
本来、このブログはお話の面白さを楽しんでもらうのが目的ですから。
広岡の腰痛地蔵
奈良の広岡町に普光寺いうお寺があるねん。
そこに六体地蔵さんがあって、腰痛地蔵て呼ばれてるねん。
お参りすると腰痛が治るいうて、昔の人はようお参りに行かはったそうや。
あるとき、ひとりのおばあさんが、巾着に白いお米をちょっと入れて、
杖ついて、お参りに行かはったてんて。
そうして、お米をお供えして、「治してください」いうて、拝まはってん。
毎日毎日拝まはったけど、なかなか良うならへん。
おばあさんは、
「私はもう腰も痛いし、生きてても用がない。はよお迎えに来て下さい」
て拝みはってん。
そしたら、六体地蔵さんが現れて、
「わかった。明日早速迎えにきてやる」ていわはったんやて。
おばあさんはびっくりして、
「明日の今度のその今度で結構です」ていわはってん。
すると六体地蔵さんが、
「わかった。明日の今度のその今度に迎えに来てやる」
ていわはったんやて。
おばあさんは慌てて、
「明日の今度のその今度、もひとつ今度のその今度、またもひとつ今度のその今度」
て、繰り返し繰り返し拝んで、帰って行かはったいうことや。
この六体地蔵さんよう聞いてくれはるそうや。
原話資料:進藤秀樹・竹原威滋・丸山顕徳編 『奈良市民間説話調査報告書』
再話 : 村上 郁
この話は、高齢化社会ならではの笑い話ですよね。
語り手の村上さんは、昨年この話をNHKの「ラジオ深夜便」で語られて
大好評を博したのですよ!
「三年とうげ」
に少し似てる気がします。