この1週間、地デジでNHK総合と教育が映らなくなった。
先日のブログで報告したコネクタ接触不良も原因だったが、これを改善(交換)したり、アンテナの方向や高さを微調整しても、最終的にNHK総合だけは映らない(映ったとしてもブロックノイズが全面に出る)。ブースターへの供給電圧は定格の+15Vが出ており問題無し。
レベル測定器が無い場合(当方も持っていない)の、微調整の面白い仕方を紹介しよう。
テレビはアンテナのある位置からは当然、見えない。
そこで、TV音声をモニターことにする。FMトランスミッターをTV音声出力に接続。FM受信が出来るラジオを持って音声を聴きながら、ちゃんと聞こえる点にアンテナを動かすというもの。
HDDレコーダーの機能にある受信レベルを、一番気温の上がったPM1時頃測定してみた。そして夕方(PM5時半頃)地デジを再度受信してみると、NHK総合が綺麗に映っているではないか。この時のレベルを測定して比較したのが下記表である。(6/26測定分も追加)
数値が7~16アップしている。
ブースターのカタログを見てみたところ、使用温度範囲が-20~+40℃とある。これが増幅度にどう影響しているか書いてはいないが、気温が影響している様だ。
連日の猛暑で40℃近くになっている(ブースターは屋根の輻射などで、それ以上になっている可能性が有る)ので、この現象が発生しているのかも知れない。
私も以前、通信装置の中継器(周波数は12~120kHzと低いが)を設計していたことが有り、AGCの温度特性には苦労した。半導体は当然温度特性が有るので、このままでは増幅度が変化する。これの対策としてサーミスターを入れて打ち消すのだが、特性カーブが一致しないので、抵抗を直列に入れたり並列に入れたり微調整し、その都度恒温槽で温度を変化させ測定する根気のいる作業だ。
これに対し、UHF帯はPINダイオードを使ってバイアス電流を可変して減衰量を制御している様で、制御しているアナログ回路の温度特性や、PINダイオード自体の温度特性が影響するようだが、具体的な特性は確認出来なかった。
6/26早朝(6時頃)再度測定してみた。(前日の夜は凄い雷雨で、ブースターも冷却されたろう)
そうすると、更に6以上レベルが上がっており、今まで受信出来なかったMXテレビも綺麗に受信出来た。しかし太陽が当たって来ると、どんどんレベル低下していく(15分で3も下がる)。
ブースターの温度特性なのかは不明なので、メーカーに問い合わせている。
あとは、HDDレコーダーの地デジチューナー部が周囲の熱発生源によりゲインが変化しているのかも知れない(連続使用中と、停止状態から朝電源立上げでの差から)。
もう1つ考えられるのは、アンテナ方向の約200m位先に高い広葉樹が有り、猛暑による急な成長で遮蔽範囲が広がったのに関係が有るかも知れない。
7/26ブースターメーカーに確認したが、0.5dB程度の変動なので考えられないとのこと。そこで、NHK受信窓口に聞いてみたら「フェージング」が考えられるということだった。やはり最近このようなクレームが関東近辺で報告されている様だ。空気の層が変化する(たとえば、このところの猛暑)と、長い周期でレベルが大きく変化するようだ。
ということで、暫く監視することにする。
今回のことで、色々と勉強させていただきました。自然現象の可能性が高い様で、いらぬ疑惑をお掛けしてしまったメーカー各社にはお詫びします。