犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

【日々是好日なり】「長谷」を「はせ」と読むのはなぜか

2024年09月12日 | 日々是好日なり
「長谷」は、「ながたに」、「ながや」とも読むが、「はせ」と読むことが多い。
身近に、長谷川(はせがわ)さんがいるし、
近くの穴水町には、長谷部(はせべ)神社がある、平安末期の武将、長谷部信連(はせべのぶつら)を祀っている。

大和国(ならけん)の長谷寺は、桜、梅、椿や紅葉など年中、美しい花が咲くことで有名なお寺は、「長谷寺」と書いて「はせでら」と読む。
由緒によれば、もと「長谷寺」ではなく、「初瀬寺(はつせでら)」だった。

七世紀末に初瀬山の麓に仏僧が仏教の宝を安置したことにはじまり、その後、一般民衆に「初瀬詣で」で賑わい、現在に至っているという。
古の昔から、多くの歌人が、初瀬寺、初瀬川を歌っている。
藤原定家は、「年も経ぬ いのるちぎりは 初瀬山 尾上の鐘の よその夕暮れ」と詠った』
謡曲の玉鬘でも、初瀬山、初瀬川である。

「初瀬」は、「長谷」があてられ、「はつせ」→「はせ」となった。
地名は、初瀬として残っているが、お寺は、長谷が定着した。

なんで?
ある人の解釈によれば、
もともとの伝統的な和語より、外来の世界仏教のお寺では舶来の漢語を当てた方がより権威のある単語とみなされたのではないか、
それで、長い谷に位置していたこともあって、「長谷」をあて「はせ」と読むようになったという。

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