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今年3度目のATF交換

【88,900km+72,111km=160,789km】
毎度カラヴェルに乗る前に、
クーラントに混ざったATFを取り除く
なんとも気怠い作業をしていると、
色々な事を考えてしまいます。

日本最初の4輪系ATは、
今でも横浜に本社がある
岡村製作所が製造した「ミカサ」。
当時生産していた工業用トルコンを使い、
製造されていました。
父いわく、サービスカー(バン)は結構見たものの
クーペやツーリング(オープン)モデルは
ほとんど見なかったそうです。
いまやそれらの車を見るのは、岡村製作所のギャラリーや
日本自動車博物館のみのようですので、
走る姿は見れないのでしょうね。
シトロエンを彷彿とさせるホイールは、
空冷2気筒、585ccのFFというスペックを見ると
フレンチ勉強型だと分かります。
それに対してスズライトは、ロイトに似ているから
ドイツ勉強型なんでしょう。

日本車と違い、90年代までのヨーロッパ車は、
身体障害者や弱者向けにATミッションを生産していました。
アウトバーンに速度制限が入り、
フランクフルトで渋滞が多発した21世紀初頭は、
アイシンのお蔭でATが
より一般的になり進化していますが、
残念ながらカラヴェルちゃんの頃の4速ATは
ゴルフ・ヴェントVR6と同じ物を採用していますので
信頼はおけないですねぇ。
寿命も10万キロ辺りが一般的だとか。

それより今一番の疑問は、
「ATFにクーラント液は漏れていないのか?」
という事。
VJS港北カスタマーの見解は、
「点検時は、ほとんど大丈夫だった」
「ATFにはクーラントの圧力はかかっていないハズ」
との事ですが、本当に大丈夫なのでしょうか?
それに“ほとんど”という量はどのくらいなのか
という漠然な思いも。
それとも、一度にかかる金額を負担が無いように
安く見積もってくれているのかしら。
距離を考えると、ATは寿命以上走っていますので、
必要以上に心配になります。

ATFクーラーの交換以来、
実はシフトのギクシャクが何となく大きい気がしたので
(この走行距離だと当たり前かも)
ATFの封印を外し、キャップを外すと、
キャップの回りには大量の白い粘液が・・・。
「これってクーラントが気化した物???」
画像は一度拭いてしまってから撮影したので、
量は少ないですが、
もしかしたらもう少し残っているかもしれません。

川西さんにお話しすると、
「えっ、普通にATFにも漏れるでしょ。
クーラントの圧力はATFの圧力より高いですから」

結局、ATFの交換作業をしていただきました。
これで今年3回目です(苦笑)
僕はATFの神様に呪われているのか・・・・・

それでは、作業に入ります。
【抜き:1】ATFのドレインから抜きます。

【抜き:2】オイルパンを外してオイルを抜きます。



【抜き:3】バルブボディーを外してオイルを抜きます。

これにより約3分の2は抜ける計算になります。
なかなかここまでやられる業者さんは少ないですね。
締め付けにはトルクレンチ必需!

ストレーナ(ATのフィルター)も新品に交換。

ここにナカコレ特注ATコーティング材を
先に染み込ませておきます。

ATFはこの車がずっと使っていて調子の良い
アドバンテージネオ社製品。

ハッキリ言ってコスト高ですが、
熱に強く大変スムーズです。
エンジンオイル同様、
今までで一番最高ですね。

川西さんが、撮影している僕の為に
バルブボディーから取り出してくれた新旧ATF。

赤いATFがこげ茶色や黒色に変色するのは、
一般的な汚れのせいですが、
コーヒー牛乳色になっているのは
クーラントが混ざっているからでしょう。

手動ポンプでオイルを入れます。
一般的な電動式ポンプと同じ作用です。

ちなみにオイルパンの裏側には

大量の白い乳化したクーラントが
へばり付いていました。

交換して良かったぁ。

完成。

【今後の事】
さて、カラヴェルちゃんは過去に
バルブボディーの交換のみ
フォルクスワーゲンによって
交換履歴がありますが、
ギア関連部品の交換やレストアは
されていないようです。

現状について川西氏によれば
ギア関係のオーバーホールは
”必需”だそうです。
その時に、適切なワッシャー部品などの
交換をすれば、「ガタン」という
ショックも無くなり、
スムーズな変速が行われるとの事。
裏話で、メルセデスEクラスにおいての
小排気量のEクラスに
大排気量と同じ組み込みをする
アップグレード&耐久型リビルト方法も
して下さいました。
奥が深い。

今までATのオーバーホールは、
壊れやすい部品のアップグレードを熟知している
本当に一部の専門業者さんだけの特権だと思っていましたが
(実はディーラーでもリビルト業者に頼むことが大変多い)
探せばいらっしゃるのですね~。

先が見えて少し安心しました。
それにしても33度以上の灼熱の中、
風邪を押して作業して下さった川西さんには
心より感謝。

<施工協力>
川西屋(RWR)
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
ロイト (花貴)
2013-08-13 09:01:25
ロイト、懐かしい名前を思い出しましたよ。本物のドイツ車マニアだけが、その名前を知ってるんでしょうね。スズキは、ロイトのコピーでしたね。まあ、今でもスバル以外は、良く見るとほとんどコピーですが。そのスバルもトヨタになり、困ったもんです。妄言多謝!!
 
 
 
花貴さまへ (H.Nakazawa)
2013-08-14 00:53:42
コメントありがとうございます。

最近どの車を見ても、何故か似ていると思うのは僕だけではないのですね。

ロイトにゴッゴモビル、ザックスのエンジンを積むフルダモビルにメッサーシュミット。
個人的には世界ミーティングに参加した際、胸いっぱいに見たNSU系車両。時代が違うのは分かっていますが、妙にレトロな車が癒してくれる気がします。夢の中だけですが・・・
 
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