読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

新年のご挨拶

2012年01月01日 | その他

 謹賀新年
  新年おめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
  「おめでとう」の意義についての私見は昨年の暮れのごあいさつの通り。
  
  今年は何となくすっきりしない天候であり、このブログを書いている最中にも震度4の
  地震で大きな揺れを感じるなど波乱含みである。しかしいたずらにこのような天変地
  異で怖れおののき、世の中の先行きを占っていてもしようがない。
  いい年にするぞとみんなが思って行動すればいい年になる可能性が高まる。

  さて、購読紙N紙の「私の履歴書」で英国元首相トニーブレアの話が始まった。
  トニー・ブレアが首相になった時、労働者の家庭から初めて大英帝国の首相になった
  その出自と若さに、新鮮な驚きと期待を持った記憶がある。
  10年間首相を務めたという。最後はさすがに労働党の凋落の趨勢を押さえきれず失
  意の退陣であったが、鉄の宰相サッチャーと並んで優れた指導者であったことにさし
  て異論はないだろう。

   民主党野田政権が誕生した時、いつものことながら期待を持った。菅政権の時も期
  待を持って見守ったが、軸がぶれぶれでまったく期待外れに終わってしまった。野田
  さんは直接話を聞く機会があって、将来に期待が持てる政治家と思ったし、初めから
  政治家を目指し松下政経塾の門をたたいただけに、ぶれない経綸を持つ人との期待
  があった。それだけに、最初どじょうで世間の耳目をそばだてたものの、さっぱり泥を
  かぶっても持論を主張する風が見えず、いらいらし通しであったが、やっと鬼門の消
  費税増税に踏み切った。民主党も大抵の人は選挙民の反応が怖いので増税は反対
  としり込みをする。もはや避けて通れない橋であることは分かっているにも係わらず
  である。今は亡き大平首相に私淑するという野田首相は、大局観に立って敢えて大
  平首相の轍を踏もうとしているわけである。この先ぶれるかぶれないか。毅然たる姿
  勢で党内と対野党の攻撃に臨んでほしい。

   「眼前の障害と難題は、これまでと全く違うことがわかっていた。私は現政権を崩壊
  させることに夢中になっていたが、時とともにつぎのようなことがわかってきた。たとえ
  政府が正しくても、いったん世論が機嫌を損ねると、政府が正しいかどうかはどうでも
  よくなってしまうのである。
   私は突然、新進気鋭の挑戦者から、責任を担う者になり、物事が間違っていると説
  明する者ではなく、間違いを正す決定を下す者になった。世論が私と敵対するように
  なったとき、私がどう反応するか全く分からないことをこのとき自覚したのだった。首
  相としての責任は、野党党首とは全く異質なものだった。
  (日本経済新聞2012年1月1日『私の履歴書』トニー・ブレア①から抜粋)

  野田首相のお目にとまったかどうか。もしまだお読みになっていなかったらば、側近
  からお勧めしてほしい。
  自らの信ずるところに従い行動せよ。政治家の鉄則である。

  (以上この項終わり)

   

コメント
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