【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

夜行列車

2019-07-09 08:16:12 | Weblog

 寝ている間に長距離を移動できたら、距離とホテル代が節約できます。朝到着したらすぐ仕事や観光が始められます。ということでかつての日本には夜行列車がたくさん走っていました。私が乗ったのはほとんどが特急でしたが、「東京→大垣」の普通電車、「京都→広島」の夜行急行なんてのに乗ったこともあります。友人は東京から夜行の普通列車でスキー場に行って、朝着いたらがんがん滑ってその夜また夜行で戻ってくる、なんてことも平気でやってました。
 最近豪華列車でリッチな旅なんてものが日本で流行しているそうですが、現在の私の体力では列車の中で熟睡できるかどうか、それがちょっと心配です。

【ただいま読書中】『夜行列車で旅するヨーロッパ ──旅情あふれる古きよき夜汽車の世界』羅針特選ムック「ヨーロッパ鉄道旅行」編集部 取材・編集、イカロス出版、2013年、1429円(税別)

 まず紹介されるのは「テロ Thello」。ローマ、フィレンツェ、ミラノ、ヴェネツィアとパリを毎夜結ぶ国際夜行列車です。2013年のダイヤでは、ローマ19時25分発パリ着10時18分です。もちろん高速鉄道TGVフランス・イタリア線での移動も可能ですが、日中に7時間かけて移動することを考えたら、食堂車も連結されたテロでゆったりと移動するのも魅力的です。
 ローマから南下して900km先シチリア島のパレルモに向かうのは「エスプレッソ」。メッシーナ海峡は海峡連絡船に車両ごと積み込まれて横断します。私は(乗ったことはありませんが)青函連絡船を思い出します。架橋計画が進行中なので、列車ごとフェリーに乗る体験をしたかったら今のうち、だそうです。朝食代はチケットに含まれています。クロワッサン・ジュース・エスプレッソとシンプルですが、ありがたいサービスですね。私が日本の夜行を使っていたときには、朝起きたら降りるまで腹が減って腹が減って……
 トルコのTCDDは気さくでどことなく庶民的な雰囲気です。乗るだけで笑顔をお互いに交わしてしまいそう。
 パリからスペインのマドリッドやバルセロナを結ぶエリプソスは「トレンホテル」と呼ばれる豪華夜行列車です。3コースのディナーとしっかりした朝食は料金に含まれていて、ホテルに泊まってそのまま移動している雰囲気です。なお、フランスは標準軌(1435mm)ですがスペインは広軌(1668mm)。しかし客車は自動で軌間の変更ができる構造になっていて、電気機関車を交換するだけで乗客は客車を乗り換える必要がないようになっています。いや、これは便利だわ。
 旅は移動そのものも楽しめたら豊かな体験になるでしょうが、私はついつい「移動の時間がもったいない」と本を読んでしまいます。ちょっと根性を入れ替えて、ぼーっと移動の時間も楽しめるようにならないといけないかな。