【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

円安対策

2022-09-25 16:02:54 | Weblog

 「投機的な動きは許せない」と政府・日銀は円買い介入をしましたが、貴重な外貨(死語?)を手放して安物となった円を買い込むのは、結局国益を損じていません? さらに、円安傾向なのは「投機」のせいでしたっけ?

【ただいま読書中】『あたしの、ボケのお姫様。』令丈ヒロ子 著、 ポプラ社、2016年、1400円(税別)

 中学生のまどかのクラスに5月という中途半端な時期に転校生るりりがやって来ます。小柄で昭和アイドルのような恰好をしていて、話すと完璧な天然ボケ。小学生の時に「あたしはお笑いの道を目指す」と決心して同級生のキエ蔵とコンビを組んで学校では人気者となっていたのに、“路線対立"(キエ蔵は完璧な脚本と徹底した稽古での漫才を目指すが、まどかは自由奔放な方が好み)のためにコンビ解消をしてしまい、その時の“傷"を今も引き摺っていたまどかは、ピンときます。るりりとだったら、すごい漫才ができる、と。
 本書で“演じ"られる漫才(あるいはピン芸人の芸)の数々、実際に見たいぞ、と思わされるものばかりです。さらに、現代社会の暗部が子供たちにしっかりと影を落としていることも描かれるし、主人公の成長も繊細に描かれるし、でもそのどれも面白いし。
 2015年に『花火』でお笑い芸人の世界が純文学に殴り込みをかけましたが、その翌年にはもうお笑いが「青春小説」でかつ「百合」として登場していたわけです。20世紀の「お笑いブーム」は、そのどれもが数人の“MC芸人"を残しただけで消えていきましたが、実は“ブームではないお笑い"はしっかりと現実の日本社会に影響を残しているようです。
 いやあ、面白かった。

 



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