【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

持続化給付金

2020-07-05 07:46:34 | weblog

 電通は持続できそうです。

【ただいま読書中】『8050問題 ──中高年ひきこもり、7つの家族の再生物語』黒川祥子 著、 集英社、2019年、1500円(税別)

 「8050問題」とは、若い頃に引きこもりになった人が50代になったとき、両親は80代になっていて、そこから様々な問題が派生する、ということです。
 2019年3月総務省は初めて「40代以上のひきこもり調査」を発表、それによると、40歳〜64歳までの中高年ひきこもりは推計で61万3000人。うち男性は7割以上、ひきこもり期間7年以上が半数(20年以上が19%)。どれも衝撃的な数字です。
 著者は2003年の書籍デビュー作がひきこもりを扱ったもので、以後もこのテーマに関心を寄せ続けていました。多くの当事者や家族と会い、それぞれの事情が千差万別であることも知り、著者はその中から「7つの家族」を本書に登場させます。
 家庭内暴力、うつ病、児童虐待、世間の無理解(高名な精神科医が著作で現実とは違うことを発表したり、の例も登場します)、共依存、いじめ……いわゆる「社会の暗部」が集結しています。で、これらを読んで「世の中には可哀想な人がいる」と他人ごととして捉えるか、あるいは「自分にも関りがあること」として捉えるか、そこでこの問題が「個人(家族)の問題」であり続けるか「社会の問題」となるか、の分かれ目でしょう。
 こんな場合「金の亡者」の方が説得しやすいかな、と思うことがあります。だって「一人ひきこもりがいたら、それを支える家族も含めて『稼ぎ』(社会に対する貢献)が減ってしまう。生活保護になるとさらにコストがかかる。それを支援して就労してくれたら“コスト”がかからなくなるし、あわよくば所得税を納めてくれたら、もっとお得ですよ」と言ったら経済的な意味で支援をした方が得だ、と納得してくれやすそうですから。逆に「人情」だけで支援をするのは、その個人が燃え尽きたらそこで支援も終了になってしまいます。さて、ひきこもりを何とかするためには、何をすればいいのでしょう?