27日の「赤旗」に詩人・作家の辻井喬氏が、3.11から日本を問う の欄で書いていました。
私が感動したのは次の一節です。
「新しい日本のビジョンを示す、今が大事な時です。
僕は反省しています。これまで、『日本はだめだよ。人々は権力に弱く、忍耐強く、歯をくいしばって我慢をして、お上のお役に立とうとするばかりで、だから日本に革命は起こらない』と思っていたんです。
ところが今回の災害で、被災地の人たちの忍耐と連帯、公共のために役立とうとする美徳が、大きな力を発揮していることに感動しました。この日本人の伝統は弱さではなく、強さに反転し得る長所だと気づかされたのです。また、被災地の知事や市長、町村長が、住民のために必要な予算は即断で決裁している様子を見て、地方自治という精神がいつの間にか根付いていたことにも感動しました。」
私が感動したのは次の一節です。
「新しい日本のビジョンを示す、今が大事な時です。
僕は反省しています。これまで、『日本はだめだよ。人々は権力に弱く、忍耐強く、歯をくいしばって我慢をして、お上のお役に立とうとするばかりで、だから日本に革命は起こらない』と思っていたんです。
ところが今回の災害で、被災地の人たちの忍耐と連帯、公共のために役立とうとする美徳が、大きな力を発揮していることに感動しました。この日本人の伝統は弱さではなく、強さに反転し得る長所だと気づかされたのです。また、被災地の知事や市長、町村長が、住民のために必要な予算は即断で決裁している様子を見て、地方自治という精神がいつの間にか根付いていたことにも感動しました。」
「人々は権力に弱く、忍耐強く、歯を食いしばって、お上の役に立とうとするばかり…」何か変わったというのでしょうか?
被災地の人々の忍耐力は世界的に見ても驚嘆に値します。「お上の焼くに立とうとする美徳」そりゃお上からみれば美徳でしょう。それが「長所」に見えるのは一つの見識ですが、先の前提事実を覆すものではありませんから、単に(短所に見えていたものが長所に見えるようになった=痘痕も笑窪)評価の目が替わったということにすぎませんね。ということは、「人々は権力に弱く、忍耐強く、歯を食いしばって、お上の役に立とうとするばかり…」ではあるけれども、それが復興への力になり素晴らしい、ということになりませんかね?
「被災地の(首長)が必要なら予算は即断で決裁している様子…」
議会がマヒしたり効果的に機能しなければ今までだって専決処分の例はいくらでもあります。緊急時を想定した法制なんですし、まして国が機能しない現実が目の前にあります。使わない方がおかしい。
「地方自治という精神が…根付いた」かどうかは、「国は役に立たない、あてにならない」現実から、まともに中央政府が機能するようになっても地域住民のための独自政策を(しかも専決処分で)できるかどうかにかかります。たぶん事態が落ち着けば「近隣自治体はどうしている」「国は何と言ってる」に戻ってしまうと思いますよ。この大震災を契機に、国と闘う自治体が増えれば慶賀の至りですが。