JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

立ち上がった、若者・労働者のたたかい

2011年12月30日 | Weblog

 ちば民報の新年号に、会社の首切りとたたかい勝利した労働組合、若い人のたたかいが載っていました。
紹介します

 「かずさアカデミアパーク」に誘致した太陽光パネル製造販売会社「ソ上フーシリコンテクノロジー」(SST社、木更津市、手塚博文社長、従業員75人・当時)による、組合潰しの乱暴な「整理解雇」。組合員17名が 「解雇差し止め、地位保全の仮処分」を千葉地裁木更津支部に申立ててから約1年、「解雇撤回・希望者全員の職場復帰」のスピード和解が成立しました。ほぼ全面勝利の喜びに湧く全日本金属情報機器労働組合(JMIU)干葉地方本部ソーラーシリコンテクノロジー支部 (SST支部)の諏訪充委員長(39歳)と野宮聖一郎副委員長(46歳)からお話を伺いました。
 「首を切られて不安を抱えた1年前とは気分が違う。先が見えた。あとは職場に戻ってがんばるだけ」と、諏訪さんは喜びの胸の内を吐露します。
 組合経験はゼロ SST社は2008年に県が誘致した企業で、県のさまざまな手厚い補助を受けてきた企業です。99・99%以上の高純度のシリコン材料を研究開発し、大量生産するとの謳い文句で投資家を募ってきたベンチャー企業です。
 会社は創業以来、労働者を残業で追いたて土日もなく働かせておきながら、残業・休日手当ての一部不払いを続けていました。そのうえ、一昨年4月には一方的に賃金の一律5%カットを強行しました。
 こうしたことから従業員有志が、残業代不払いや賃金カット問題で千葉労連に相談、5月末に26名で労働組合を結成しました。ほとんどが組合活動の経験がない、文字どおり白紙状態からのスタートでした。
 会社は組合潰しの攻撃をしかけます。まず毎朝の朝礼で、「社員の中にウジ虫がいる」等の言動に及び、「社内組合なら組合費も負担していい」などとJMIUからの脱退を迫りました。
  7月13日、会社は「試験生産課」なる新部署を設立し、組合員の大多数を異動。仕事を与えず隔離状態にした上で、7月14日、組合員28名中22名が対象となる一時帰休を実施、9月13日には希望退職を募集します。
 22歳の小菅啓祐さんは「再就職口を斡旋する」などの甘言に乗せられ退職願に署名をさせられましたが、翌日撤回。こうして10月25日、会社は組合員17名の解雇に及んだのです。
 広がる支援の輪これはどの大量解雇は、県内でもひさしくなかったことでした。SST社の手口のひどさもあって、闘いと支援の輪は地元の木更津・君津地区を中心に一挙に県内各地、さらに関東地区にまで拡がりました。
  裁判の支援傍聴をはじめ、県や木更津市への要請行動、署名、団結餅つき大会など多彩な活動が取組まれました。
  裁判所の審尋には毎回支援の人々が溢れました。昨年1月には「SST支部を支援する会」が、2月にはSST社不当解雇を撤回させる会」が発足します。
 県議会や木更津市議会でも取り上げられ、県や市によるSST社への指導を求めました。2月4日、木更津労働基準監督署へ申立てていた未払い残業代」について、労基署は「是正勧告命令」をSST社に出します。そして3月30日、裁判所は不当労働行為の判断は避けたものの、整理解雇を無効と判断、新たに就職した4名をのぞく12名の組合員(小菅さんの「退職書」は有効と判断し除外)について、基本給の75%の仮払いを命じる決定を下したのです。
 この決定に力を得たSST支部は県や市に対し、労基署の是正勧告と裁判所の命令に従うようSST社を指導するよう要請。同時に、会社の取引銀行や投資会社へも働きかけ、SST社が「解雇撤回・希望者全員の職場復帰」の和解に応ずるよう運動の輪を拡げていきました。県や市も、手塚社長の呼出しや指導を開始しました。
 投資会社も、3・11の原発事故以来、「今は太陽光パネル製造販売のチャンスなのに、何をしている」という動きになってきました。
 こうして2011年12月2日、和解が調印されました。裁判所の決定から除外された小菅さんの職場復帰も認められました。
 諏訪さんは、小菅さんの職場復帰は、和解条件の中から決して外す事はできない」と譲らなかったと話します。今年1月5日から希望省全員(11名)が職場復帰ずることとなりました。和解内容でとりわけ画期的なのは、組合員の賃金・労働条件並びに経営施策などに関する事前協議・同意約款協定を締結するとともに「労使協議会」を設置するとの部分です。
 勝利へのカギは諏訪さんと野宮さんに、争議中の活動で心がけたことを聞きました。
 諏訪さんは「家族の理解に支えられた」こと、「節目ふしめで、労基署の是正勧告や裁判所の決定を得て励まされた」といいます。
 野宮さんは、争議後最初の年越しで、地元の人々に「餅つき大会」を開いてもらい、「年越しができて勇気付けられた」、「絶対勝てるし、諦めない」と確信を持ってやってきたと語ります。
 さらに手探りだったけれど、「ネガティブな考え方は持だない」ようにし、「突っ走ったりゴリ押しをせず、組合員の一人ひとりはどう思っているかを考えながらやってきた」と振り返りました。
 生活苦にさいなまれた争議中、多くの方からいただいた多額の支援カンパ。「ありかたくて涙がでました。でも、本当にこんなにもらっちゃっていいの、とも思ったんですよ」と野宮さんは初々しく語ります。
 SST支部が、文字どおり労働組合運動の基本である「団結と連帯」を堅持してきた様子がうかがわれました。「だたかいはこれからが正念場。働く者が大切にされる職場を作りたい」、 「だたかいを支えてくれた仲間とともに歩みたい」と背をそらしました。
 別れ際に野宮さん、「実はまだ独身なんです。募集中なので、よろしく」と笑顔で語ります。これは書かなくては・…
      (文・佐藤実)(写真・佐久間勉)
▼ソーラーシリコンテクノロジー支部 〒292ー0815 木更津市大久保6ー22ー3 電話090ー2935ー7758
kurimu620@jcom.home.ne.jp

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