JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

「いま、日本共産党」韓国語版序文 志位和夫さん

2013年05月18日 | Weblog


 18日付け「赤旗」に、韓国ジャーナリストの努力によって、出版された「いま、日本共産党」志位和夫著の志位和夫さんによる韓国語序文が掲載されました。
 韓国の方にむけての序文ですが、わたしにとっても、日本共産党の歴史、綱領、現在の日本社会の問題点と打開の方向を簡潔に知る上で大変に役立つ内容になっています。
 さらには、韓国朝鮮の植民地支配の35年が、その後の朝鮮半島分断と軍事独裁政権の素地となったという、日本の歴史的責任についても、解明しています。
 「慰安婦問題」も含め歴史をゆがめる逆流がいかに、底の浅い軽薄なものかを改めて感じました。

この中で、日本の植民地支配について
 「第二は、なぜ韓国で軍事独裁政権が1987年まで続いたのか、という問題です。これにもさまざまな歴史的な要因がありますから、一言で言うわけにはいきません。ただ私は、姜萬吉(カンーマンギル)高麗大学名誉教授がその著書『韓国現代史』のなかでのべているつぎの指摘は、重く受け止めなければならないと考えています。
 「植民地であった三五年間は、我が国がまさに専制主義体制を清算し民主主義的政治体制を形成していかなければならない時期であったが、植民支配によって民主主義的な政治訓練を積むことがまったくできなかったのである。……日本の韓半島に対する植民支配が残した最大の政治的被害は、近代社会に入った韓半島の住民から民主主義的な政治体験を積む機会を完全に剥奪(はくだつ)することで、解放後の韓半島に国民主権主義の政治形態を定着させるうえで大きな打撃を与え、韓半島が南北に分断される素地を作った点にあると言えるだろう」 その通りだと思います。
そういう視野にたって、韓国の戦後の歴史をとらえなければならないと、私は考えるものです。」
 と解明しています。

 私が以前に読んだ徐仲?氏の「韓国現代史」の日本語版によせてでは、
 「韓国の民主化運動は日本と関連しています。日帝支配の全期間にわたって韓国人が政治的活動の経験をもてなかったこと、さらに日帝の軍国主義ファシズムを体験したことも解放後の韓国政治に大きく影響を及ぼしました。朴正煕の維新体制は、彼が、一九三六年に二・二六クーデターを起こした日帝軍国主義者に心酔していたという点と無関係ではありません。朴正煕政権は、東アジア侵略に主導的にかかわった戦犯・岸信介元日本首相のような人物でも、維新独裁を積極的に支持・支援しさえすれば親韓派と呼び、逆に維新体制を嫌悪し、金大中拉致事件や金芝河逮捕事件に対して抗議した日本人を反韓派と罵倒しました。実にアイロニカルな風景ではないでしょうか。日本政府と日本の極右勢力は、全斗煥・盧泰愚など新軍部勢力による一九七九年十二月十二日のクーデターから、光州虐殺をもたらした一九八〇年五月十七日のクーデターに至るまで少なくとも六回以上出処の疑わしい北の南への侵略情報を流すなど、さまざまな方法で新軍部クーデターと光州虐殺を幇助しました。
 韓国には感情的に日本を非難する人々も少なくありません。しかし、韓国の民主化運動をリードし
てきた学生や社会人士のなかには進歩的民族主義者または開放的民族主義者がたくさんいます。日本でナショナリズムが右翼、もしくは国家主義と結びついている点と対照的ではないでしょうか。民主主義と人権を重んじ、無力な庶民、抑圧される同胞の立場に立つ進歩的民族主義者は、日本の過去清算だけでなく韓国の過去清算をも強力に要求しました。朝鮮戦争を前後する時期の軍警による集団住民虐殺の真相糾明が政府レベルで果たされているのも、そうした進歩的民族主義者の努力によるところが大きいといえます。」
 韓国の現代史は、日本での支配勢力と日本共産党はじめ民主勢力のたたかいの歴史であるとともに、韓国でも、日韓条約や軍事独裁政権と民主勢力とのたたかいの歴史であります。
 わたしは、ここの、韓国の方々と日本人が本当お意味での「未来志向の日韓関係」を築く根拠があると思います。
  
 

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