JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

フランス人から見た加藤周一 「加藤周一における『時間と空間』」

2012年08月06日 | Weblog
「加藤周一における『時間と空間』」ジュリー・ブロック編著 かもがわ出版1800円は、加藤周一没後日本とフランスでの2つの講演をを中心に構成されています。
 あらためて、感じたのは、戦争で友人をなくし、東京大空襲での医者としての活動などの生き方の原点があり、日本の平和があぶないと認識したときに敢然と「9条の会」を立ち上げた、勇気と決断の姿です。
 死の直前の洗礼についても、書かれていますが、わたしは、自由人加藤周一さんのなにかやさしい側面のような気がします。
 「時間と空間「いま ここ主義」について、ジェリーブロックは、集団主義を人間一般の問題としてとらえているようで、私には理解できませんでした。
 エドカール・ラモンの「キリスト教信仰、そしてマルクス主義の救世主信仰にともに裏切られた西洋文明は、この袋小路から逃れるために、あらたな時間間をあみだしていかねばならない、あるいはそうした時間間を他の文明ー西洋から遠く離れ、救世主信仰や超越論の影響圏外にあるような文明から学びとらねばならない。すなわり、加藤周一が論じた日本のように、西洋とは異なる時間間を発展させてきた文明に目を向ける必要があるのだ」との見方に、ヨーロッパにおけマルクス主義の停滞の思想状況を感じるとともに、変革の実践のなかで、科学的社会主義を発展させている、日本共産党の立場を再確認できるものとなりました。