2006年11月11日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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ビスニエトとはスペイン語で曾孫のことで、ビスニエト・デ・トーレスとはアントニオ・デ・トーレスの曾孫にあたります。現在日本に来ていて昨日彼に会ってきました。名前をJuan Francisco Salvador Gimenes de Torres(ファン・フランシスコ・サルバドール・ヒメネス・デ・トーレス)と言う長い名前でした。彼は現在60歳で本職は家具職人ですが、今までに30本程のギターを製作しており、今後はギター作りに専念すると言うお話でした。

エッ?トーレスの曾孫?そんな人が居たの?どうして彼に会ったの?と不思議がる人も多いのでは?
大阪のギタリスト・吉川二郎さんてご存知ですか?フラメンコ・ギタリストとして知られている方で巨匠マヌエル・カーノに師事した本格派フラメンコ・ギタリストですが、ミューズ教室のフラメンコ講師・池田浩さんの師匠にあたります。彼がトーレスの曾孫・フランシスコさんを呼ばれたそうです。そして富士市で吉川さんのコンサートがあり、ビスニエト・デ・トーレスが来ているけど行きませんか?と池田さんに誘われて行ったと言う次第。

会ってみるとすごく温厚でまじめそうなお人柄。すぐに打ち溶け合って会話が弾みました。奥様もご一緒で吉川さんの演奏をビデオに収めようと三脚に立てて準備をされていました。私がギターの専門店をやっていると知るとギターの話になり、トーレスギターのフォルムのプロポーションについて詳しく説明してくれました。ボディーの一番幅広い部分の長さと下駒から12フレットまでの長さが同じ、ボディーの一番広い部分の4分の3がボディー上部のふくらみの部分と同じ、・・・といかに幾何学的に計算されている美であるか、またそれが音にとても深い関わりがあるんだなどと。彼は直接ひ曾祖父・トーレスに教えを得たわけではありませんが、トーレスの残した工具、楽器、資料、図面を研究してギター作りを覚えたそうです。
従ってトーレス・ギターの話になると目が輝き、話に力が入ります。真っ直ぐなとてもいい感じの人です。

吉川さんは88年に全曲オリジナルの曲収録のCD『迷路』を発売して以来8枚のCDを出されていますが、95年に富士市ゆかりの竹取物語伝説をもとにした『月の宮古』と発表してからは毎年富士市にてコンサート開催しているそうです。今ではJIRO富士ファンクラブがあり、今回もそのファンクラブ主催のコンサートでした。凄いですね!毎年11年間も。そして今回もビスニエト・デ・トーレスのギターを使用されましたが、彼のギターを使い始めてから他の楽器が弾けなくなったと言うほどに惚れ込んでいらっしゃいます。客席で聞いていてもとても綺麗な音でバランスよく、よく通る音でした。終演後の打上げにも参加させていただき、彼のギターを見せていただきましたが、確かにいい楽器です。現在は製作本数が少ないので順番待ちのようですが、これから日本に入って来るようになればいいですね。


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