2005年9月5日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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ギタリスト・吉本光男さんにブログへの記事投稿をお願いして早くも10回目になりました。何十年も日々ギターのことを考え、努力を積み重ねてきた吉本さんならではのいろんなためになるお話が聞けました。またこのブログを毎日書くと言うことも結構大変なことなので私としても非常に助かっています。しかし、残念ですが、吉本さんも本業が忙しくなってくるため取り敢えずは今回で終了と言うことになりました。吉本さん、本当にありがとうございました。またいつか再会していただける日を楽しみにしています。

以下、最終回の吉本さんのお話です。

私の、名づけて、「ギター修行街道 あれこれ」も、はや10回目になりました。
これらのお話は、ギターを修行されている皆さんの励みに、あるいは何かのヒントになれば、と思い語らせていただいております。まだまだいろいろお話もありますが、これからギター協会の仕事やら、私のギターソロアルバムシリーズのVol.3の録音、「中級者の為の小品・練習曲集 100選」の録音、コンサートの準備など忙しくなりますのでとりあえず今10回で終了させていただきます。ありがとうございました。
 
「腹のことを考えない人は、頭のこともかんがえない」これは、「食」のことを語らせたら右に出るものがいないといわれた食の達人「開高健」の言葉だそうです。なるほど、食のことは、日常茶飯事のことだけに忙しくなるとつい二の次に考えてしまいがちですが、本当は、命につながる大切な事です。だから、腹のことを考えて食事をしたり、食材を選んだりすることを楽しく考えることが出来る人はそれだけで人生の成功者といえるのかもしれません。しかし、私がおもしろいと思ったのは、腹のことと頭のことを一緒にして考えている人間通のところです。実に人間の心(頭)と体の関係の微妙さや複雑さ、そしておもしろさを言い当てているようで心憎いばかりです。これをギター音楽に当てはめて考えてみると、「表現のことを考えない人は、音色のことも考えない」ということでしょうか。
最近、自分が欲しいと思っていた音色を探り当てたことが、そう思わせるのかもしれません。求めていた美しい音色は、音色のままにとどまらず、身の内から沸き上がる感情を不思議なくらい引き出してくれます。まさしく、音と表現は表裏一体、心と体と同、微妙な関係ということなのでしょう。

継続は力なりです。よい音色のための一番良い形を工夫し、続けて練習していこうとする意欲が何よりも大切なことと思います。
                                                                    ~吉本光男~

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