2005年9月のブログ記事一覧(2ページ目)-ミューズの日記
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作曲  


こんにちは。渡辺なつ実です。

 今日は作曲の事についてお話したいと思います。前にもお話しましたが、私は愛知県立芸術大学の作曲専攻で作曲を学んでいます。作曲をやりたいと思うようになったのは実は幼稚園の頃からだったんですが(きっかけはピアノ教室の隅においてあったシューベルト伝記の漫画です)作曲の先生もいなかったため、独学で作曲をするしかありませんでした。でもどうしても本格的な勉強がしたくなって、信州大学卒業後、今の大学に入りました。早いうちから本格的に勉強してきた人が多い中で、最初ちょっとおじけづきましたが独学では学べなかった様々なことが学べて、すごく充実しています。大学で作曲作品演奏会というのがあるのですが、演奏家をお呼びして作曲した作品を演奏してもらう、というものでギターや筝など、学校にはない楽器の演奏もする機会がありました。ギターの曲は酒井康雄先生に演奏していただきました。普通なら、書いても演奏してもらえることはないので、すごくいい経験でしたこれをきっかけにギターも習うようになりました。
 これからも作曲は続けて頑張っていくつもりです。またお話しすることがあるかもしれませんが、今日はこのへんで・・・。

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アステカ文明ってご存知ですか?
ペルーのインカ文明やユカタン半島のマヤ文明程は知られていないと思いますが、現在のメキシコシティーの場所に栄えた文明がアステカ文明だったんです。
私もメキシコに赴任した以上はその国の歴史を知らなくてはと思い、いろんな本を読みました。その時に一番感じたのは日本とメキシコの一番大きな違いは、日本は単一民族で一度も征服された経験もなく純血を守ってきたのに対して、メキシコはスペイン人に征服されて混血の国となり、長い間支配層と被支配層に分かれてたと言うことです。日本は長い間武士に支配されてきた時代がありますがちょっと違いますね。

スペイン人がユカタン半島のマヤ文明を発見したときは大変驚いたと言います。それまで西インド諸島で遭遇してきた文明とは異次元の文明だったからだそうです。それまでは裸で歩いている原住民しか見たことがありませんでした。せいぜい葉っぱで前を隠す程度です。従ってスペイン人は彼らを奴隷として扱いました。しかし、マヤ文明には白亜の宮殿がそびえているのが船から見え、それを見た彼らは興奮したといいます。ついに黄金の国ジパングを発見したかと思ったそうです。ピラミッドがジャングルにそびえ、黄金の飾り物がある訳ですから無理もありません。それが1517年のことです。彼らの首都は現在のメキシコシティーがまだ湖だった頃に栄えていたアステカ文明の本拠地テノチティトランにありました。そして彼らより以前に栄えた民族の宗教儀式を行う場所がこのテオテイワカンのピラミッドだったんです。

このピラミッドは夜はこの様に照明でライトアップされてとても綺麗で、メキシコの観光の名所として旅行者は必ず訪れる場所です。メキシコに来てここを見ないで帰るのはグラナダに行ってアルハンブラ宮殿を見ずに帰るのと同じです。従って私が駐在していた5年間に出張者や知人の旅行者を何度案内したことか。

そしてコルテスがアステカ王国の首都に入ったのが1519年、完全に征服したのが1521年ですから、メキシコを発見してから4年も経っているんです。それ程にメキシコの原住民の文化レベルが高かったと言う事でしょう。それ以前の西インド諸島の原住民を制圧するのとは訳が違ったんですね。

そこでスペイン本国では大変な宗教論争に火がついたんです。それまでのインディオ達を人間と見るのか奴隷と見るのかと言う議論が既に起こっていたんですが、旧約聖書にある「アダムとイブ」が白人であることからインディオを人間と見たくない人達が沢山居たんです。そうでないと聖書が間違っていることになりますから。しかし、人間と見るべきだというグループにはこのメキシコのインディオ達の文明の高さと能力の高さがその証明に好都合でした。そしてインディオの奴隷化と酷使に反対し、人間として正当に扱うべきだと主張しました。そしてインディオにも教育すれば立派に人間的な集団生活が営める事を証明するための実験村を作ったりもしました。それが後にトーマス・モアが「ユートピア」と言う作品の中で理想社会の姿として描かれたんですね。

今日はテオテイワカンのピラミッドの写真からメキシコの歴史とユートピアの話まで長くなってしまいました。しかし、これらの日本が経験していない歴史に非常に興味を持ち、当時沢山の本を読みました。興味が尽きませんでした。この辺りのお話はまた折を見てお話したいと思います。

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今日は名古屋芸術大学にジョン・ウィリアムスの公開リハーサルを見に行きました。定刻(16:00)より10分ほど前に着くとジョンとリチャードがステージ中央に座り、関係者数人とPAのチェックをしていました。PAはジョンが最近気に入っている富士通テンの開発したタイムドメインの理論に基づくイクリプス・スピーカーです。712と言う一番大きなスピーカー、と言っても12cmの35wなんですが、を8本使っていました。これは通常の彼の使い方とは全く違っていて、明日の万博のエキジビションホールを想定したセッティングだと思いました。通常は彼はこのスピーカーを1本かせいぜい2本使うだけなのです。

PAのセッティングに時間が掛かっていましたが、ようやく準備が整ってさあリハーサルの開始です。まずジョンのギターから出てくる音ですが、低音が出すぎるくらいに出てきました。まるでベースの音のように聞こえます。中音域は従来のPAスピーカーに比べると非常に生音を忠実に再現していましたが、彼の独奏ならばこんなに大きくしないだろうと思う程にやや大きく再生しています。これはジョンがエキジビションホールのような大きな会場を想定しているからなのだろうと思います。しかもあのスモールマンをエレアコに改造しているから低音が出すぎるのでしょう。ローカットフィルターが欲しいくらいでした。

しかし、聞いているとどんどん生音が自然に聞こえてくるようになりました。これは耳が慣れてくると言うこともありますが、やはり富士通テンのイクリプス・スピーカーの威力だろうと思いながら聞いていました。もう少しボリュームを抑えればもっとナチュラルな音に聞こえたに違いありません。

曲が進むにつれてリチャードの魅力がどんどん出てきました。楽器は全部で10種類以上弾き分けるんです。リコーダー系の笛(縦笛)が5本、中にはケーナもあります、サンポーニャ、太鼓、オカリナ、クラリネット、フラット・マンドリン、ウクレレ、etc.,etc.そしてどれを演奏してもうまい。一緒に行った友人が「ギターしか弾けないジョンが、なんだお前ギターしか弾けないのか、みたいに写ってしまう」と言うくらいです。しかし、流石にジョン。速いパッセージの曲もなんなく弾いてのけます。とは言え、最後の曲などまだ練習不足の曲ではややミスしたり、ごまかしていて、逆にこちらは「ジョンも間違えることもあるんだ」とジョンの人間味にほっとする場面も。そして最後に学生コーラスと一緒に演奏。70~80人はいたでしょうか。彼らと演奏した「涙そうそう」は良かったですね。つい拍手に力が入ってしまいました。

リハーサルが終わってジョンにギターに組み込んでいるピックアップシステムについて質問してみると、ブリッジに埋め込んでいるピックアップはB-Band、コンデンサーマイクにはAKGを使用しているとか。そしてエンドピンの所にブレンドするつまみとボリュームをつけて操作しているとか。いい音がしていたのですが、24日の土曜日にミューズサロンで演奏してくれる古川さん考案のピックアップシステムがとても素晴らしいので明後日の富士通テンの本社訪問時に見てもらえないかと聞いてみると、「いいよ、持っておいで」と一つ返事。一緒に居た友人・内生蔵さんが明後日に持っていくからと約束。もうこちらはビックリ。こんなに気さくにOKなんて言ってもらえるとは思ってもいなかったので・・・。やや興奮気味に帰路につきました。

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今日は山下和仁のギターリサイタルに行ってきました。

第一印象は「昔のイメージとは全く違う」でした。昔の彼の演奏は「スピードと力で弾きまくる」でしたが、彼も今年で44歳、全く違う演奏でした。一言で言えば「ギタリストを超えたギタリスト」とでも言えましょうか。兎に角これ程色彩豊かにギターを演奏する人は他にいません。ダイナミックレンジもこれ程広い人はいません。と言うとやたら大きな音を出すのかと思われるかも知れませんが、そうではなく弱音で美しく歌うのです。勿論大きな音も出しますが、ピアニッシモでうま~く歌うんです。。右手は12フレット辺りからブリッジまで自在に移動します。

ギターも30cm以上も膝から上がったり、ヘッドが最大60度程前方に出てきたり、赤子をあやす様に抱えて弾いたり、裏板を見るほどに胸から離したりと自在にギターが踊ります。時には音を放り投げるようにギターを動かします。昔のギターを抱え込むような窮屈そうな演奏スタイルから開放された様な自在な演奏スタイルに変身していました。そして彼のギターはラミレスですが、サステインがとても長い楽器と言う印象でした。きっと特別に素晴らしいラミレスなんだろうなと思わせるようで、しらかわホールに山下のギターの響きが鳴り響いていていました。

プログラム自体がスピードと超絶技巧を見せる曲が1曲もないのです。選曲の良し悪しは別にして一般的なギタリストのプログラムとは全く違っています。中でも第二部で演奏したドヴォルザークの新世界の第二楽章「ラルゴ」では感動しました。ここでは通常のギタリストが使わないような奏法も取り入れていますが、兎に角彼の音楽をギターを使って表現しています(賛否両論あるにせよ)。昔の様にギター曲を弾きまくるのではなくギターを道具に使って音楽を作っています。盛り上がった後に主題をピアノで美しく奏でたときには胸にこみ上げてくるものがありました。ギターの演奏会ではなかなか体験できない事です。かと思えばその前に演奏したギターのオリジナル曲、アルハンブラ宮殿の思い出も素晴らしく美しい演奏をするのです。今までに聴いたことのない、聞き入ってしまうアルハンブラ宮殿の思い出でした。私の後ろの方の席の男性から演奏が終わる頃(まだ拍手のなる前)に「はぁ~!素晴らしい!」と溜息が漏れていました。

アンコールを6曲も演奏しました。誰も帰ろうとしないのです。第二部最後の曲を終わって舞台裾に引いてから、かなり間を置いて、拍手に応えるために手ぶらで登場します。また引っ込みます。普通なら次はギターを片手に登場ですが、また手ぶらです。そして三度目にやっとギターを持って登場してアンコールに応えるのです。しかもその合間の長い事。拍手する手が痛くなってきます。並みの演奏家だと早めにギター片手に再登場してアンコールに応えないと拍手が止んでしましますが、今日は違いました。しかもその調子で6曲までアンコールを演奏するのですから、第3部が長かったこと。それ程に今日は素晴らしい演奏会でした。


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今日はワンコイン講座第一弾「爪の研き方とタッチ~音色のいろいろ~」が行われました。講師はセゴビア奏法を長年に亘り研究していて、綺麗な音色で定評のある吉本光男さん。ワンコイン講座は新企画で初めての会なのでどのくらいの人に来ていただけるか心配していました。しかし、結果は36名の方々に来ていただきミューズサロンはほぼ満席状態。うれしかったです。来ていただいた皆さんありがとうございました。

この講座の為にデータ・プロジェクターとスクリーン、ホワイトボードを用意しました。プロジェクターがあると用途がぐんと広がります。12月から予定されている中川祥治さんによるリュートのレクチャー・コンサートや映像を写しながらの演奏会などいろんな事ができます。今回はそのプロジェクターをビデオカメラに接続して吉本先生やモデル生徒さんの右手や爪の状態、タッチの仕方などをスクリーンに大写しにして聴講している皆さんによく分かるようにして好評でした。

モデル生徒さんは山田幸成さんと大沼英雄さんのお二人。ありがとうございました。吉本先生のお話はまず一番バッターの山田さんの姿勢の話から始まりました。
爪の研き方とタッチと言えどやはり姿勢や左手が大いに右手のタッチに影響するからと言う事です。ギターが一番良く響く構え方から左手の脱力の習得方法・練習方法をを分かりやすく説明されました。そして2番バッターの大沼さんで爪の形、削り方、その道具についてお話がありました。そして皆さんにコピーをしてお渡ししたセゴビアの写真を見ながら右手の形、タッチの仕方による音の違いについてじっくりと説明していただきました。

最後に質疑応答があり、講座も終了した段階で名古屋大学の学生さんが吉本先生にちょっと見て欲しいとおねだり。吉本先生も気軽にいいですよとまた講習会が始まることになり何人かが居残りました。添付写真はその学生さんの写真です。まあ優しく親切な吉本先生でした。吉本先生ありがとうございました。

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