2006年5月30日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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<あれも聴きたい、これも聴きたい> 初めて聴いた19世紀ギター編

なんだか怪しげなジャケットが出てきた。
当時、と言っても20年以上前のことになる思うが、オスカー・カセレスが、武満徹の「世界の12の歌」を入れたものを出したりなんかしちゃったりしていたパヴァーヌ・レコードという会社の出したものである。しかも輸入・発売元が、「アポロン音楽工業」ときた日にゃあ、色っぽいミュージックの入ったカラオケとちゃう?と思いたくなってしまってもなーんもおかしかない。(もっとも最近アポロン音楽工業はインターネットで見ると、教育用とか学習用とかいった類のビデオや音楽を専門にされているみたいで、あんまり失礼なことを言っては怒られちまうかも知れん)

それにしても、このジャケット写真、なんなんだべ?と疑っちまうほど怪しい雰囲気が漂っておる。おいちゃんもレコード屋さんで、お金をはらう時に、「これ、クラシックギターだべか?」って訊いたら、店員さんが「んだ」と言ったので買うことにしたけども、「あんた、こんなレコード、ホントに買う気かや?」って思われとるみたいな気がして、ちょっぴり恥ずかしかった覚えがある。
クラシックにゃあクラシックの品位っちゅうもんがねえと困るずら?
レコードを買うのに、悪いこともしてないのに、なんで伏目がちにならんとあかんの?第一これ、れっきとしたクラシックギター二重奏のレコードだっせ。
しかもなんと正真正銘19世紀ギターで弾いたレコードなんでごぜーますですよ。
一本は1830年のルドロフ。もう一本はかの有名なラコート、1820年製。
演ずるは、ともにブリュッセル王立音楽院でギターを勉強したドミニク・マカとフランソワーズ=エマニュエル・ドニっちゅう、お美しいおねえさん方お二人。

このジャケットの写真は、ただのモデルさんかと思ったら、ギターを構えた腕や指の形が、しっかり「ちゃんとギターを弾ける人」になっておるので、恐らく当のお二人さんだと思うけども、なにもまあこんなお美しい方が、わざわざクラシックギターなんか弾かんでも、もっと他にやることがあんべな、という気がするようなしないような。それじゃあお美しいお方は、ギターをやっちゃあいけねえのかっちゅうと、ムムムッ・・・。やっぱりお美しくない方がおやりになるよりは、お美しい方にやってもらった方がええわねぇ。
それにしてもこのジャケット、なんでこんな一見「アリババと40人の盗賊」みてぇな衣装を着けてギターを構えとるのか、教えてもらいてぇもんだ。

演奏曲目はいっちゃん有名な曲が、ソルの「アンクラージュマン」。
その他は、フェデリコ・モレッティっちゅうのが聞いたことあるくらいで、ルイジ・カステラッチたら、ブリュダン・オーベリー・デュ・ブ-イェーたら、フェレール・イ・エステーベたら、モーリス・ラウーたら、もう知らん人ばっかし。
リュートの中川君に訊いたら、きっと詳しく教えてくれるだんべぇと思うので、今度あったらいっぺん訊いてみようと思っとるだに。
かけてみるとこれが結構面白くて、どっちがどっちを弾いているのか分かりませぬが、ソルの作品からいって、とにかく1stギターを受け持っとる方が、断然きれいで、大きな音がしておる。
このころは、まだまだ19世紀ギターなんぞ、聴いたことなかったもんで、貴重といやあ貴重でげすが、演奏はまあなんと言いますか、えー、そのー。まー、なんだあ、そのー、はやいはなしがー、えー、そのー・・・・・ムムム。
おねげえですだ、それ以上訊かねえでくだっせぇ。おらあ、なーんにもわりいことはしておりませんだに、おねげえしますだー、おだいかんさまーっちゅうくれえのもんだ。
内生蔵 幹(うちうぞう みき)


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