2005年8月29日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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先日8月27日(土)に浜松で中川祥治さんのバロックリュート演奏会がありましたので行って来ました。浜松ギター鑑賞友の会の第22回鑑賞会でした。

このサークルは私がアルゼンチン勤務を終えて帰国後にヤマハのギター製作家の江崎さんと二人で仲間に呼びかけて始まったサークルです。最初は23名でスタートして今では70数名に会員が増えています。会員の会費で運営されていますが年に4回プロの演奏家を招聘して基本的には会員だけで演奏を鑑賞すると言う贅沢な会です。もちろん非会員も入場できます。HPはhttp://www.h4.dion.ne.jp/~hgktomo/です。

中川さんの演奏は彼がスイスから帰国後初めて聴くので私はとても楽しみにしていました。スイスに留学する前のリサイタルを名古屋市熱田文化小劇場で聴いていますが、そのときも素晴らしい演奏でした。私は本人にも「大家の雰囲気を感じさせる演奏だったね」と言いました。その彼が2年間スイスのバーゼルでホプキンソン・スミス氏、アントニー・ルーリー氏、クロウフォード・ヤング氏に指示して勉強をしてきたわけですから、どれ程完成度を上げてきたのかとても楽しみでした。

第一部はエヌモン・ゴーティエのフランスバロックで始まり、ギターでもよく演奏されるバッハのBWV1006aのルーレとガボット、BWV1002からサラバンドとそのドゥブル、テンポ・ディ・ボアレとそのドゥブルと盛り上がっていきました。ゴーティエの曲はギター弾きにはあまり馴染みが無いので「いい演奏だな」と思いながらも冷静に客観的に聴いていました。が、バッハの曲で私はのめり込んで行きました。中川祥治のリュートの世界にすっかり引き込まれていきました。平静ながらも奥ゆかしい高尚な歌いまわしに痺れていく思いでした。堂々とした演奏でした。このバッハでおそらく私だけではなく会場の全員が中川祥治の世界に入っていたと思います。

私は学生時代からの旧友としてこんなうれしいことはなく、つい興奮して一部が終了したときに司会者として自分の感動ぶりを皆さんに押し売りしてしまいました。

第2部はまたシャルル・ムートン、デュ・ヴュー、ジャック・ガローなどのフランスバロックから始まり、プログラムの最後を飾ったのはドイツの大リューティストS.L.ヴァイスのソナタ変ロ短調より抜粋で4曲が演奏されました。ヴァイスの曲もかなりの難曲と思われますが、ミスを感じさせずに弾ききりました。圧巻でした。その時に思いました「大した演奏家になって帰ってきたもんだ」と。
そしてもう一つ思ったのが、私はフランスバロックよりドイツバロックの方が好きだということ。重厚さとかっこ良さがありますね。フランスはしゃれているんですけどね。

それにしても本当にこんな素晴らしいリュートの演奏会は初めてでした。私自身があまりリュート奏者を知らないのでこんなことを言うと叱られるかも知れませんがね。でも本当に良かった。そして9月10日のミューズサロンでのコンサートも益々楽しみになってきました。ミューズではリコーダーの柴田さんも共演されるので演奏会全体のバリエーションも広がりますからね。皆さんも是非中川さんの演奏を聴いてみてください。



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