2005年8月9日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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「上達の条件」というテーマも、3回目になりました。今回は「本物に出会う」ことの大切さについて話を進めていきたいと思います。

 先日、生徒さんと話していて「先生が、その年になっても(考えてみれば、失礼な言い方ではあります)ギターへの情熱が冷めるどころか、ますます拍車がかかってくるというのが不思議な気がします。」と言われました。そんなこと当たり前すぎて、あまり考えたこともなかったのですが、話題にして話をしながら気がついたことがあります。

 ギターを習いたての頃、ジョンとかギリアとか、いまも世界で活躍している名演奏家たちが、日本にもたくさんやってきました。私のギターの先生であった下垣先生は、本物に出会う事の大切さを知ってみえたのでしょう。それらの人がくると演奏会に連れていき、終わると私を伴って控え室まで押しかけたり、現中部日本ギター協会会長であられる荒井史郎先生にお願いをして、ホセ トーマス、パークニング、ジュリアン ブリーム、ほかたくさんの演奏家に会わせてもらうことができました。おまけに若い私の演奏を聴いてくれました。そして貴重なアドバイスまでもいただきました。その来日時に聴いた演奏、肌がぞくぞくするような感覚が、今もギターに向かうときの私を支えています。あの時に聴いた(感じた)、あの音色まで、あの表現までと、耳の底、心の奥底にあるイメージをいつも追いかけている自分がいます。

出会ったときの感動が強ければ強いほど、その人の人生をも決めてしまう。本物に出会うとはそういうことなのでしょう。
本物に出会うチャンスは、よほどの幸運なければ自分から求めなければありません。ギターに限らず、本物に出来るだけたくさん出会い、大いなるエネルギーをもらいましょう。

出会ったときに感じた素直な気持ち、「自分もあんなふうに演奏してみたい」「描いてみたい」「やってみたい」という思いが、高みへと自分を引き上げてくれるエネルギーになってくれることは確かです。時間とお金をかけてでも、本物にできるだけたくさん出会いましょう。

 全3回これで「上達の条件」と題したシリーズは終了いたします。

次回は「骨のあるタマゴ」です。おたのしみに~。吉本光男

いや~、その通りですね。私も高校生時代にイエペスのレコードを聴きながら「カッコいいな~!僕もこんな風に弾けるようになりたいな~」などと思いながら練習に精を出したものです。今は昔と違っていい演奏が生で聴けるチャンスが多いですよね。批評家も多く、難しい批評をする人もいますが、もっと単純に楽しみ、感動して自己向上の原動力としていけばいいと思います。皆さんももっといろんな演奏、本物の演奏を聴いて感動しましょう。山下高博



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