消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

役割交代

2015-07-31 13:47:27 | 消防・救急
前回の当番は10件、梅雨も明けて本格的に暑くなってきました。

その影響もあるんですかね、ここ2~3当番で急激に件数も増えてきましたし、寝れなくもなりましたし。以前いた消防署の忙しさを何となく思い出してきています。

熱中症と診断のついたものも増えてきましたしね。


さてたまには仕事の話。

救急隊は1隊3人で編成されており、隊長がいて隊員がいて機関員がいて…と言う編成。

隊長はもう定年までカウントダウンが迫っている大ベテラン、その下に機関員の私がいて、隊員役の後輩がいて。我が隊は救命士が2人おり、私以外は救命士資格持ち。

よその消防はどういう編成かは分かりませんが、うちの基本的な編成ベースは上2人が救命士持ちで、救命士資格の無いのは機関員をやります。

始めは機関員から経験を積み、たまに患者室に乗って患者対応をメインにやって、やがて救命士資格を取って真ん中の立場に…が今までのパターン。

しかし、近年はその原則(と言うほど大げさなものじゃないですが)が崩れてきています。


近年は救命士資格を持って入ってくる新人さんも増え、初任教育を終えて消防隊をちょっとだけ経験した後すぐ救急隊に。

私も希望叶ってわりとすぐ救急隊になったクチですのでそこは特にどうこう無いんですが、資格があるが故に運転を担当する機関員ではなく患者室の隊員役になるのです。

救命士資格を持って入ってくるのが多いがため、新規で養成所に行かせる人数もここ数年でかなり減ってしまい、今の我が隊のように真ん中の立場で隊長職を代行する立場の人間が救命士資格無しってことが多く、機関員を離れられなくなっています。


今までの方針と言うか流れと言うか、そんな感じで今年も正機関員な私。運転するのは嫌いじゃないので別に文句はないですが、これからを考えると必ず弊害が出てくるのも事実。

5年10年が経って、今一番下にいる隊員が隊長職を代行する立場になって直属の部下を持った時に、運転技術を教えられなくなるのです。

消防車の運転と違って、救急車は基本的に具合の悪い人を乗せる車。急ブレーキ、振動、遠心力等々気を配らなければなりません。

それに、最近の若い職員は車を持たない者も多く、緊急走行どころか普通走行すらままならないと言うのも起こっている話。救急車ならではの運転を教える以前の問題だったりします。

現に今私の下にいる後輩も、プライベートでは全く運転をしませんしね。

今後のことを考えて、また正機関員である私が休みで不在の時、編成の都合上後輩が運転しなければならない時がある。また、不測の事態で長期に欠けてしまう時にも備えて、数当直に1回は私と後輩の役割を変えることになりました。


よっぽど走行距離が増えただとか、患者室に2人乗るような事案の場合はその時だけチェンジするけど、それ以外は後輩が機関員で私が患者室へ。

普段運転する習慣が無い後輩なので、横(隊長)から後ろ(私)から色々言われてましたが、全ては後輩のため。消防車の運転と違って気を配らねばならないのが救急車の運転。

口うるさく言われるけど、それが傷病者のためにもなり、立場変わって指導することになった時に経験からきちんと説明ができて指導ができるようになる。

救急隊員なら誰もが通って来た道、当然、私もそれはボロクソに言われたものですしね(苦笑)

おかげで事故起こさずにこれたんだとも思っています。今だから言えるのでしょうけどね


1当直終わって感想聞いたら、『疲れました』の一言。

チームで動いてるので隊長含め同じ件数出てて寝れないのも一緒なんですが、運転するしないで疲労度が違うのも事実。

そんなことも気づいてもらえれば、また後輩のレベルアップにも繋がるかな?って思います


今日はこれからちょっと外出。で、明日は長男の野球と次男の保育園のお祭り。

暑いので倒れないように頑張ります

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26 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様です。 (ちっち)
2015-07-31 14:11:44
勤務ご苦労様でした。

救急車の機関員をされていたんですね。

運転の仕事は本当に気苦労が多いと思いますし、ましてや救急車となれば次元の違う緊張感があると思います。

私の主人も今は秘書部にいる為、仕事で重役の運転をする事が毎日のようにありますが、ブレーキを踏むタイミングにも右左折1つにも何にでもとても気を遣うと言っていました。

また、ムサシさんと同じように、後輩職員がプライベートで車を運転する機会がない為、役員を乗せている時の運転を教える以前に、本当に免許持ってるの??というレベルである事にも嘆いていました。
職業は違えど、同じような悩みってあるのですね。

中堅って難しい立場にあると思います。
自分がやってしまえば簡単に終わる事でも、後輩の為を思えばこそ任せなければいけない事もあるし。

いろいろ気苦労も多いと思いますが、これからも頑張ってください(*´∀`*)

明日は楽しんできてくださいね*´∀`)ノ
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Unknown (aya-top)
2015-07-31 22:56:06
激務お疲れ様です、、、U+203C

救急車の運転、気苦労は私がは想像できないでしょうね交通の流れにも逆らわないといけませんし、、。
テクニックが求められますよね。
昨年運ばれた時、いつブレーキ踏んでるの?!とびっくりしました(笑)

普段あまり運転しない後輩さんにとってはかなり辛いと思いますが運転ってもう慣れしるかないですよね(笑)
余談ですけど、内地はあまり車は持たないそうですね?
沖縄はご存知の通り交通網が乏し過ぎて、車が足のようなもんです(笑)私でも1ヶ月走行距離1000U+3314は軽く超しますw
所有率も高いのですが、それに比例して事故も多いです。

次男くんの夏祭りいいですね~
何か踊ったりするのでしょうか、、??
私の職場は先週でしたが、台風のせいで前日で中止に当日はだんだん反れて、普通にできた状況でした
このままでは可哀想と思い、今日は園でプチ夏祭りをしました

暑さも厳しくなりましたね~
自分はきっと熱中症にはならないと思いますが、、(笑)
沖縄より暑いとこもあってニュースで搬送される人をみて心配ですムサシさんもお身体に気をつけて下さいね。
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Unknown ()
2015-07-31 23:19:55
連日猛暑(酷暑ですね)が続きます。
我が家のエアコンも遂に限界がきたかな・・・と思う位暑いです

外来・救急搬送含め、熱中症と熱性痙攣が増えました

昨日のお話。
ある救急隊が夕方一番に患者さん搬送後、帰署途上で救急要請ですぐ当院へ。
一旦帰署して一時間経ったかどうかっていう頃にCPA・・・
救急隊は汗でドロドロでした

機関員のお話ですけど。
プライベートで運転しない機関員・・・指導する側も大変ですね
普通車でも最初は怖いのに傷病者を乗せた緊急車両を運転する気持ちってどんな感じなんでしょう・・・

体ガッチガチになるんじゃないでしょうか。
色んなスイッチもあって、交差点進入時はアナウンスして・・・考えるだけでもパニックになりそう
(いつぞやお話した機関員を思い出しました 笑)

これからh、こういう機関員も増えるのかなぁ。

個人的には、現場経験積んだ救急隊が救命士になるのが理想なんじゃないかと思うんですけど。
専門学校卒の救命士が悪いとは言いませんけど、やっぱり経験積んでから救命士を目指してほしいな・・・と思います。
高い授業料払って資格取って「思ってたのと違う」てすぐ辞められるのも困りますしね・・・。


以前勤務してた病院の管轄の救急隊は、救命士乗車率高かったですけど(100%に近い)、今いる病院の管轄は5割でしょうか。
実際にはもっといるのかもしれませんけど、消防隊・救急隊兼任してる消防署もあるのでブルーのズボンの救命士もいたりしてハッキリとはわかりません
でも、これからは兼任する救命士(救急隊)が増えるとか言ってました。

そういえば、以前火災現場に遭遇した事がありました。
火事がどうこうとかじゃなくて、消防隊の活動を見たかったのもあったので遠巻きに見てました(苦笑)

家人は非難して「要救助者なし」の現場でしたけど、救急隊は近隣住民に注意喚起して走り回ってました。
「火災現場での傷病者がいないときの救急隊の仕事って?」て思ってた頃だったので、裏方に徹する救急隊の貴重な現場を見れてよかったと思ってます。

傷病者を運ぶだけが救急隊の仕事ではない事も理解してほしいですね。

※纏りの悪い文面ですいません

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Unknown (yumekon)
2015-08-01 08:50:08
そうですよねー
普通に運転するだけでもそれなりに神経使うけど
救急車の運転はくらべものにならないでしょうね。

私は運転中にサイレンが聞こえてくると、どこから来るの?
どっちに避ける?それとも進む?と、軽くパニックになってます(-_-;)
でも「ありがとう」って言ってもらったことも何度かあるし、
それなりに上手く譲れてたのかな??^_^;

野球にお祭り、楽しい休日になりそうですね♪
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Unknown (ひこにゃん)
2015-08-01 11:09:48
なるほど、なるほど。
むさしさんのブログを読んでいるとわたしのハテナ?が全て解消されていきます(*^^*)
とても勉強になります。
わたしはただの消防マニアですけれど……笑
日々消防士さんには感謝と尊敬です。
先日、消防博物館に行ったのですが、また行こうと企んでいるわたしであります( ´,_ゝ`)
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運転技術 (元気な二児のママ)
2015-08-06 06:44:52
毎日24時間関係なく、救急車のサイレンが聞こえますね。ご足労様です。

機関員も教習所みたいな場所があるのですね。
子供たち愛読のJレスキューに「THE・機関員」特集が掲載されてあったのを私も読みました。
ダッシュボードに開けてない缶コーヒーを置いて落ちないように走行訓練というのもありました。
例え、走り慣れてる道でも毎日状況が変わるし、傷病者を乗せての運転ですから神経も遣いますね。
車離れが多い若者が多いですから、これも一人前になってほしいため指導側も厳しくなりますよね。


ムサシ家さんの夏休みは、にぎやかですか!?学童でしたっけ!?
三男クンもスクスク成長されていますね

ムサシ家さん、ブログ愛読の皆様もしっかりスタミナつけて、熱中症に気をつけてくださいね。
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Unknown (ゆず)
2015-08-10 08:45:13
毎日、ホントに暑いですね!
テレビでも熱中症で搬送って多くなりました。
施設でもなるたけ気をつけ、こまめに
水分補給してます。

救急車の運転には気を遣いますよね。
少しの衝撃でもかなりの苦痛になりますしね。
私も施設の車でどこか行く時でも、やっぱり運転が慎重になります。
介護施設の送迎中の事故も増えてもいますしね。
違う意味で気をつけてます。


先日、施設でも夏祭りやりました。
職員浴衣姿で登場するとウワ~って
喜んでくれました。
フォーチュンクッキー踊ったり、ちょっとしたブースも作ったり、盆踊りしたり…
事前の準備も大変でしたが大成功に終わりました。
いっぱい笑っていっぱい泣いた1日でした!
最後に利用者さんの涙にもらい泣き。
ただでさえ涙腺弱いのに、利用者さんに
抱きつかれて泣かれたら…堪えきれず。
また思い出が増えました!
ムサシさんも身体には気をつけて
この夏を乗りきりましょう!
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ちっちさんへ (ムサシ)
2015-08-10 14:12:12
お返事が遅くなりました。

後輩はやはり普段から運転する習慣がないため、緊急走行中でない時から横にいる隊長に色々言われてます(苦笑)

後ろに乗っている私から見ても、オイオイオイ…って思うこともあるわけで。若いうちは何かにつけて色々言われるものですし、誰もが通る道ですが、運転に関しては私はここまで言われなかったような気もするなって。

一応、プライベートで運転することは多々ありましたからね


私も中堅どころになってきつつありまして、色々教えなきゃならないことも出てきました。自分でやってしまえば早いし楽なんですが、それじゃ後輩のためにはならない。しかし、丸投げもマズイので適度に面倒みつつ、任せつつ、で。


明日はまたイレギュラーなメンバーでの1当直。消防学校出たばかりの後輩が救急に乗ります。引継ぎしたら真っ先にストレッチャーの取扱い訓練かな
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aya-topさんへ (ムサシ)
2015-08-10 14:19:36
次男の夏祭り、無事に終わりました。幼児クラスは昆虫音頭だったかな?お神輿担いで昆虫音頭踊って、後は保育園での出店巡り。

卒園児もご招待だったので長男も一緒に。長男も小学校が離れてしまったお友達と久しぶりに会えて楽しかったようでした


交通の便があるところだと車は持たない傾向にあるようですね。記事に登場した後輩もまさにそうですし、下町に住む妹夫婦も車は持っていません。

道は狭いし駐車場はえらい高いし、維持費もかかるし。鉄道網が整ってるからどうしても車でと言う時にはレンタカー借りた方がよっぽど安いと言ってました。

我が家も駅からは近く、夫婦だけなら車無くとも…とは思いますが、子ども3人いるとどうしても移動手段の第一選択は車になっちゃいますね。コインパーキングが高いと分かってても
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空さんへ (ムサシ)
2015-08-10 14:27:13
火災の場合にも救急隊は出場します。当然、負傷者がいるとの想定で1隊出場、多数いるならば必要な隊数を特命出場させます。

負傷者無い場合には現場指揮本部に張り付いて、時系列を作成したり、関係者を確保して聴取を行ったりします。まれに、負傷した隊員を運ぶことも。(1度ありました)


ここ4~5年でベテラン職員が大量に退職してしまいます。その分若手がかなり増えることになります。経験の少ない若手が後輩の指導をする立場にすぐなってしまう時代。

だからこそ、急いで教えなきゃならない部分もあるんですね。当然それは、私達の年代の職員も習うべき部分ではあるんですがね
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