消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

それだけでもありがたい

2012-05-25 22:53:05 | 消防・救急
前回の当番は2件、昼間に1つと朝方に1つ。

真夜中に通信勤務が入っており、また、仮眠時間終了前に指令がかかったためにあまり眠れず。

今日は日勤で訓練が計画されており、また、朝早い出勤だったこともあり、えらい早く寝てしまいました。


さて、本日のお題目『それだけでもありがたい』だったこと。

交通事故による救急出場。乗用車と自転車による交通事故により、自転車の者が負傷。通報時点で年齢が○○代の男性とのことだったので、おそらく目撃者とか当事者からの通報。そして年齢がはっきり聴取できていないと言うことは、通報者がパッと見た感じの年齢で通報しているものと推測。

最悪の場合は傷病者が応答できない状態…と言うのも考えられます。

しかし、通報内容だけではハッキリしませんでしたので、ロードアンドゴー(生命維持に必要な処置のみをし、救命センター等高度な医療機関へすぐに搬送する)適応も考えての資器材準備。

現場到着してみれば、傷病者は歩道上に仰向けの状態。呼びかけには応じられ、観察の結果骨折の疑いもなさそうだし、バイタルサインも特に異常値を認めず。今すぐに病院に急いで行かなければ命の危険が…と言うわけではなさそうでした。


本人及び相手方から事故の状況聴取。最初衝突した際には道路上に倒れたとのことでしたが、事故を目撃した別の車の乗員が協力して歩道上に移動させたとのことでした。

『だって交通量多いし、このまま寝かせてたら違う車に轢かれちゃうと思ったから、皆で歩道に移したんだよ』と。

『でも、救急隊の人がすぐに来るって話だったから、そこまでしかやってない。ってか、後はどうしたら良いのか分からなかったんだけど…』とも。


…それだけで十分です、ありがとうございます

確かに交通量が少々多く感じられ、そのままだったら確かに危なかった。その方たちが応急手当の知識があるのかどうなのかは定かではありませんが、その行動により二次災害は回避できた。

そして、当の傷病者も不安は和らいだと思います。事故と言う不測の事態に手を差し伸べてくれる人がいた。それだけでも傷病者にとっては救われたのではないでしょうか。

応急手当の目的は苦痛の軽減。それは身体的なだけではなく、精神面も含みます。見知らぬ誰かでも付き添い、声をかけてあげること。これも立派な応急手当だと私は思っています。

傷病者の背中には毛布が敷かれていた。路上に寝かせる場合は上に掛けるよりも下に敷くものを厚くし、地面から体温を奪われないように保温をする。知ってか知らずかは分かりませんが、これも最初見た時、ファインプレーだなって思いました。


現場出発する時、お手伝いしてくれた方がまだ現場にいらっしゃいましたので、お礼を言って病院へ向かいました。

その人が応急手当の知識があるのかどうか、救命講習の受講歴があるのかは分かりませんが、普段の講習会で常々言っているようなことが実践されていたことに嬉しさを感じた事案でした。


明日は休暇を取りました。

子どもたちの保育園で親子遠足があり、それにムサシ家全員で参加してきます。そして、夜からは東北へ。

再びチャンスが巡ってきたボランティアに行ってきます。すぐに帰ってきますが、快く送り出してくれる嫁と子どもたちに感謝して、頑張ってきます

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6 コメント

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Unknown (まさ)
2012-05-26 22:10:51
こんばんは!
市民の立場で 本職の方に その様に
見て頂けると嬉しいです(^-^)

過去に、バイスタンダー的な
事をした現場では、救急隊は
さすがに処置優先だと思いますから、
余り 申し送りが出来る雰囲気がなく。。

逆の立場になると、そうなるだろうと
思ったり(^-^;
でも、これからも救命の連鎖の一員に
なりたいと思います!

ボランティア ご苦労様です!
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最初が… (白熊)
2012-05-27 23:37:49
ボランティアお疲れさまです。最初の処置が大切だと私も思ってます。過去に自分の子供が飴詰まらせた時に対処方法覚えていたので救急車到着まで対処してました。
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まささんへ (ムサシ)
2012-05-28 21:47:40
こんばんは、無事に戻って参りました。

バス内2泊のみの弾丸ツアーでしたが、充実した3日間でした。今回は瓦礫の撤去とか作業をすると言う感じではなく、イベントのお手伝い。盛り上がったし、楽しんだボランティアでした。

また詳細は記事にて書きたいと思います。


現場到着して初期評価をして、ちょっと急いだ方が良いかな、すぐに処置をしないといけないかなって時にはバイスタンダーの方から状況を聴取するのも難しい時がありますが、必ず状況を聞いてくる人(うちでは隊長かな)がいます。

処置が一段落した頃に言ってもらえればありがたいかな?って感じがします(理想論)


みて見ぬふりして外野でただ騒ぐ、野次を入れるだけの人よりかはよっぽど良いですよ…
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白熊さんへ (ムサシ)
2012-05-28 21:55:05
救命の連鎖の一番最初に来るのって、昔のやり方もここで新しくなったやり方でも、救急隊や医師ではないんですね。一番最初はその場に居合わせた一般市民の方なのです。

全くの他人と言う可能性もありますが、家族であったり知人友人であることの方が多いです。

そんな大切な人を救うためにも、ぜひ一度受講を!と訴え続けていきたいですね
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THE JPTEC (パラパラドクター)
2012-05-29 00:37:41
お久しぶりです。お元気でしょうか?時々拝見させて頂いています。題名にもありましたがある田舎の病院で非常勤で日勤をしていた所、車が電柱に突っ込んだと通行人が飛び込んで伝えにきました。昼休みでたまたま受付の自動販売機で缶コーヒーを買っていた所でした。すぐに手袋だけはめて現場へかけつけ高エネルギー外傷かな?と思い車の回りの状況確認 エアーバックの作動状況 車の安定化を確認して傷病車に接触 エンジンルームから煙りがでていたので頚損がないことを第一印象で確認して一応頚椎保護を考慮にタンゴ抱っこで社外に救出しました。幸 通報からすぐに救助隊 救急隊がかけつけてくれて勤務していた病院に搬送して高エネルギー外傷は否定できましたが様子観察の一泊入院させました。JPTEC ITLSをもし受講していなかったらただの傍観者になっていた所でした。つくづくこれらの普及はバイスタンダーCPR同様 大切だなあと思いました。
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パラパラドクターさんへ (ムサシ)
2012-05-30 23:24:09
ご無沙汰しております、私は相変わらずです。

JPTECも昔と比べて、医療従事者の中でも知られるようになってきたように思います。

バックボードに固定すれば、『何こんな堅い板にガチガチに固定してきて!』って怒る人もいますし、酸素投与すれば『ルームで99%もあるのに何で酸素投与するのよ!』って言う人もいましたね。


私どもの地域では、JPTECの講習会は管内にある大学病院で行われています。消防職員だけでなく、病院のスタッフも受講可能です。

病院との顔の見える関係作りには、このように交流していくのが大事だなって思いますね
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