消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

PA連携出場

2007-02-09 22:43:59 | 消防・救急
昨日は1件、PA連携での出場でした。

車両に防火衣一式を積み、マスク・ディスポ・感染防護衣を着て車両に乗り込む。

発生場所を確認するために住所を見たら、私の署のすぐ近く。目と鼻の先でした。

そんなわけで出場報告と同時に現場到着。


通報内容は高齢女性のCPA(心肺停止状態)

私の署のすぐ近くだったため、当然救急隊より先に到着。私と上司で傷病者の観察、隊長は通報者から状況を聴取。

呼びかけ反応は無し。痛み刺激を加えても反応無し。瞳孔の対光反射無し、左右とも散大。

全身に冷感が、下顎と指先に硬直が認められたために社会死状態と判断。救急隊の到着後にもう一度観察をしましたが、救急隊の判断も同じでした。


現場で警察官の要請をして、到着後に警察官に引継ぎをして帰署しました。


以前にも書いたと思いますが、ここでもう一度社会死についての説明を。

社会死とは、誰がみても明らかに死亡している状態を指します。一般的には、

・意識が無い。

・呼吸が無い。

・瞳孔の散大、対光反射無し。

・皮膚の冷感が認められる。

・死後硬直が認められる。

・死斑が認められる。

これらを満たしたときに社会死状態と判断します。

極端な例ですが、頭部離断がある場合も社会死状態と判断します。

当然ですが、冷感が見られない、硬直も無い場合などは救命処置を行います。


最終的に死亡の判断を下すのは医師であり、私たちには普通死亡の判断を下すことはできません。

しかし、時間経過で上記に挙げた状態が認められる場合には、社会死状態と判断して搬送はしません。

救急車は明らかに死亡している傷病者に関しては搬送しません。

現場に警察官を要請するのは、事件性がないかどうかを調べるために行くとの話を聞いたことがあります。


家族の話によると、本当に突然の出来事だったようです。

前日まで普通に生活していて、会話もしていたそうです。


突然、大切な方を亡くされた家族の方を見るたび、やりきれない思いですね・・・。

ご冥福をお祈りいたします。



今日は重たい話になってしまいました。

数ある出場の中にはやっぱりこういったこともあります。

ですがいつまでも引きずらず、切り替えていかねばなりません。

やっぱりストレス解消は大事だなって思いますね



明日はお休みです。

何しようかな~

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます (よっこ)
2007-02-10 07:27:40
出場お疲れさまでした。

ツラい現場でしたね…

お休みの日は、心と身体をしっかり癒してくださいね(*^_^*)



少し話はずれてしまいますが、先日、原付での通勤途中に、私の前を走っていた原付が路地から出てきた乗用車にはねられました!!

私が先に走っていたら…と思うと…(T_T)(T_T)(T_T)

日頃からムサシさんのブログを愛読させていただいているお陰で、私はとっさに『119』に電話をかけ、救急車をお願いしました。

幸いはねられたおじさんは自分で立ち上がれるほどお元気でしたが、気が張っておられたようで、『救急車なんていらん、ワシは大丈夫や!!』と、かなり興奮されていました(^_^;)

また、車の運転手も『救急車なんて大袈裟や!!』と私に向かって言ってきたのでカチンとアタマにきましたが、ここで喧嘩をしても仕方ないので救急車の到着を待ちました。

救急車を要請すると、警察にも連絡を入れて貰えるのですね(*^_^*)

間もなく救急車が到着。はねられたおじさんはやはり身体中に痛みが出てきたようで救急車に乗って無事に病院に搬送されました…



私の初バイスタンダー体験記でした☆



長くなってごめんなさい。(*^_^*)
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よっこさんへ (ムサシ)
2007-02-10 11:34:42
風邪はもう大丈夫でしょうか?

交通事故の場合、興奮状態や気が動転していて痛みとかを感じにくくなっている場合もございます。

ですが外傷は怖いもので、何も自覚症状が無いので大丈夫だと思ってたら、後で容態が悪くなることも十分にあります。

実際は軽症で済んでいることも多いですが、それはあくまでも結果論。病院へ行って医師の診察を受けるまでは最終的に軽症かも重症かも分かりません。

軽症だと思ってたら、実は中等症、重症だったこともあります。


よっこさんが遭遇した事故のように、搬送を拒むケースもあります。ですが、やっぱり後から何か起こって欲しくないので、医師の診察を受けるよう説得して病院へ搬送します。


ちなみに交通事故で双方がケガをしている場合は、救急車が2台出場してくることもあります。

同じ救急車で搬送すると車内でケンカになってしまいますので、別の救急車で違う病院へ搬送します。


コメント長くなったって構いませんよ(^^)

またお待ちしております♪
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こんばんは(^・ω・^)ゞ (ゆか)
2007-02-10 18:38:38
出場お疲れ様でした(^-^)





なんか切ないですね;



高齢化と核家族化が進む現代、このような事例はこれから増えるかも知れませんね;



ムサシさんも辛い現実を身を持って感じ、いろいろと考えさせられる事もあったと思います。



今日のお休みで気分転換出来ましたか?(^^)b



明日は出場がない平和な1日になるといいですね♪



お仕事頑張って下さい!



応援してますo(^-^o)
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ゆかさんへ (ムサシ)
2007-02-10 22:04:54
数あるCPAでの出場で、社会死状態が認められたために不搬送にすることは意外と多くあるのです。

今回の事案は家族と同居していたのでわりと発見も早い方でしたが、今の時代独居の老人も多くいらっしゃいます。

近所の人が、『腐敗臭がする』との通報で駆けつけてそこで初めて発見されるケースも。やっぱりそれもやりきれない思いですね。


応援ありがとうございます(^^)これからも頑張ります!
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Unknown (ポム)
2007-02-13 21:06:51
おつかれさまです!

社会死という言葉、初めて聞きました。

ムサシさんはじめ、消防救急の方々は厳しい状況の人の姿を見なければいけない事も多々あるので、肉体だけでなく、精神的にもタフでないといけないのかもしれませんね、、、。

私の友人の家族で警察官の方がいらっしゃるんですが、想像を絶する場面に出くわすことも多いようです。

やはり、ストレス解消は大切ですよね^^

ムサシさんの一番のストレス解消はなんですか???
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ポムさんへ (ムサシ)
2007-02-13 21:25:25
やっぱりそういった現場に出くわすことも多々あります。

語弊があるかもしれませんが、キレイな死に方とそうで無い場合もあります。

交通事故で脱出不能の場合、火災の逃げ遅れ、自損行為(自殺)はやっぱキツイですね~・・・


大体そんなことがあった後は旅にでるか、アテも無くドライブに出かけてゆっくり温泉に入ること。

他にも色々とありますが、一番はやっぱり上記に挙げたことかな
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