消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

日本最高峰までの道

2007-08-13 22:58:17 | 
今日は富士登山中での出来事を書こうと思います。


富士山には登山道が4つあります。各登山道の五合目までは車で行くことが可能です。

今回私が登ったのは山梨県側にある登山道、『河口湖口』。

この登山道の特徴は、

・山小屋が多く、休憩しやすいので初心者向け。

・五合目はレストハウスや売店が並んでいる。

・六合目以上ならどこでもご来光が拝める。

がいる。コレに乗って七合目まで行くことが可能です。(有料)


尚、河口湖口五合目の時点で、既に標高は2300m。

気温も夜11時過ぎで、10℃をちょっと超えたぐらいでした。


ここで一気に登ってしまうと高山病になってしまう可能性がありますので、五合目で30分ほど体を高地に慣らす。

頂上までは約6時間、距離にして6.3km。頂上までの旅が始まりました。


基本的に山の中ですので、夜は真っ暗です。

夜間登山の場合は懐中電灯が必須。しかしそれでも目の前を照らすぐらいですので、真っ暗の中を進んでいくことになります。

しかし、天気が良かったので月明かりで登山道は見えました。


月明かりってこんなにも明るいものだったのか。

普段は見えないけど、星空ってこんなにキレイに見えるものだったのか。

高度2000m以上から見る下界の街の灯りもキレイだなって思うのでした。


六合目に到着。登り始めてから40分ぐらいでたどり着きました。

ここには安全指導センターなるものがあり、山頂の天気と各山小屋の案内の紙がありました。

六合目の標高は2390m。登山道がジグザグになっているので、登っているという感覚はあまりなかったです。


七合目までもまたジグザグの登山道をひたすら進む。

七合目までは馬に乗っていけるので、馬が比較的通りやすいようにしてあるのか、幅の広い階段みたいな道でした。

夜だから気がつかなかったけど、そこらへんに馬の糞が散乱してあるのもこの登山道の特徴みたいです(苦笑)


六合目の安全指導センターでもらった紙には、六合目から七合目までは約1時間。

まだ体力的に余裕があったせいか、少し速いペースで七合目まで到着。

ここで標高は2700m。七合目辺りまで来ると山小屋が所々に見えてくるので、そこで1度大きな休憩を入れました。


山小屋は24時間営業。

お菓子や飲み物も売ってますし、簡易な宿泊施設にもなっています。ですが物価が非常に高い!

普段の価格の2倍、もしくはそれ以上はします。カップラーメンが5~600円ぐらい、ペットボトルも500円ぐらいはしたかなぁ…


ちなみに、山小屋のわきにはトイレがありますが、これも有料。

ほとんどのトイレは100円のチップ制になっています。

基本的には水が無いところなので、手を洗う水もチョロチョロぐらいしか出ませんでした。


七合目から八合目までを1時間半ぐらいかけて登る。

ここからは馬も入ってこれませんし、登山道もだんだん荒々しくなってきます。

一応ここが登山道ですよって印はあるのですが、道なき道を登っていくような感じ。

手をついて、足場をしっかり確認して登っていました。


八合目まで来ると標高も3000mを超えてくる。

この高さまで来ると、高山植物も無くなってきました。

酸素が薄いせいか、心臓がいつもより早く脈打ってるのが分かります。

気温もグッと下がって来たので、ここでもう一枚着こんでさらに上を目指す。


八合目からは別の登山道と合流。

ここからは山小屋での宿泊組も起きてくる時間帯になり、登山道にも人が多くなってきました。

遠くから見ると綺麗に見える富士山も、登ってみるとゴツゴツした岩ばっかり。

気温も低く、酸素も薄いので下界とは全く環境が違うと言うのを認識させられました。


九合目を超えて、山頂も肉眼で分かるようになったころには空もだんだん明るくなってきました。

しかし登山道は大渋滞。全く進まなくなってしまいました。

空はだんだんオレンジがかかってくる。太陽が顔を出すまでにはもう時間が無い。

山頂でご来光を見たいと言う目的が達成できるか不安に駆られましたが、どうにか太陽が顔を出すまでに鳥居をくぐって山頂に到着しました。


山頂に着いて一息入れる間もなく、ご来光。

山頂の鳥居をくぐってから10分ぐらいで、雲の間から太陽が昇ってきました。(8月12日、修理完了!の記事を参照

太陽が見えたと同時に、山頂は大歓声。ここまで長時間かけて登ってきて疲れているはずなのに、一気に疲れが吹き飛びました。

本当に何とも言い難い、言葉にするのが難しいぐらい感動しました。


山頂の山小屋でさすがにお腹が空いてきたので、何か注文することに。

しかしやはり物価が高い!

カレーライスが1200円、ラーメンが800円、コーヒー1杯500円。

今回一緒に登った後輩と2人でラーメンを注文したのですが、普通のインスタントラーメンでしたねあれは…。

コーヒーも紙コップ1杯ですし、カレーもおそらくレトルトでしょう。



まぁここまで運んでくるのにも労力が必要ですから、これだけ高いのも致し方ないですけどね


一通り山頂に辿り着いた喜びを噛み締めたあと、日本最高峰である剣ヶ峰に行くために、また少し登る。

富士山頂には噴火口跡ぽっかりと口を開けており、その周辺をぐるっと一周できる『お鉢巡り』があります。

噴火口周辺にはまだ雪が残っていました。


30分ほど歩いて、今は無人の観測所の横に日本最高峰を示す石碑がありました。(8月1日、頂点!の記事を参照

そこで一緒に登った後輩と記念撮影をして、下山しました。


急に誘ったにも関わらず、付いて来てくれた後輩には感謝ですね

また来年も行きましょうなんて言ってくれたので、また勤務サイクルが一緒ならば来年も誘おうと思います。

今度は別の登山道でね(笑)



記事に載せた写真は、実験のために持っていったスナック菓子(スコーン)です。

富士山は気圧が低いためにスナック菓子の袋が膨らむと言う話を聞いたことがあるのですが、実際に自分の目で確かめるべく登る前に買って行きました。
(スコーンにした理由は特に無く、深い意味はありません)

写真で確認頂けるように、見事にパンパンに膨れ上がりました(笑)


下界まで降りたらしぼんで元通りに。

そのまま自宅まで持ち帰って食べたのですが、味は特に変わらないような気がしました。(笑)



明日は仕事、またまた暑くなりそうです。