紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

紫草2016、新種の発芽試験(続)

2016-11-16 16:56:14 | 薬草栽培

 「新種の生命力」
 旺盛な生命力に息をのむ!
 発根しない種は、わずかに5粒のみである。発根率は90%に達する。
 
 浮種からも発根したが、9粒で沈下種の比では無い。




 種を採取してから、晩秋に発芽させて冬期間は育苗に4〜5ヶ月。
 春5月に移植するサイクルは当地に於いての栽培方法として最適かも知れない。




 浮種の中にも確かに発根する種もあることは事実である。
 しかし、その選り分けは難しい。今後50%以上の発根に達すれば検討の余地がある。
 現状では廃棄処分はやむを得ないであろう。




 1年前の種である。ここまでの発根は34粒あった。
 日に2.3粒〜5粒で2週間を経て細々と続いている。
 新種と比較して見ると歴然たる様相である。ただし、生命力が全く無いとは云えない。
 この種を育てることは大変な困難さを想像させる。


   「しんたねの いきおいながめ なぞをしり」


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紫草2016、新種の発芽試験

2016-11-15 19:04:21 | ムラサキの栽培

 「新種の発根試験」
 紫草、種の選別作業の進行に合わせて、発根の試験を実施する。
 浮種検査を終えて、沈下種50粒、浮種50粒を同じ発根パックにセットする。



2組5列、10粒 それぞれ計50粒。左(赤の裏文字)が浮種、右が沈下種である。



 簡易なパックにセット。低温保存処理3週間を終えた種である。



 11/15 セット後4日目の昼撮影。早朝、発根の兆しあり。



 50粒の新種、20数粒の発根を確認。



 50粒の浮種、6粒の発根を確認する。



 5時間後17:00には新種32粒の発根を確認する。

 
 浮種7粒の発根を確認するが、同時に腐敗種も多く確認する。
 発芽、育苗のポットの準備を大至急で行う。
 この処、発根数が少なく多くて9粒、それもセットの違うパックからの合計である。
 2〜3粒が各セットから発根し、疑問符が点滅し始めていた。

 どのパックも昨年の残り種である。種の発芽力は2年間はあると思っていた。
 使い回しの用土から、突然発芽するのは前年の種でしかなかったからである。


   「しんたねの いきおいみたり みわくのね」



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紫草(日本ムラサキ)の新種の選別

2016-11-10 20:52:27 | ムラサキの栽培


 「急を要す新種の選別」
 寒気が雪を伴う季節になって来た。
 晩秋とばかり思っていたが、初冬となってしまった。
 紫草の種を待つ人には、露地の準備も済んでいることだろう。
 冬前に露地に種を播いておけば、春先の発芽が期待出来る。

 紫草の種を採取したが、分枝に付いた種を落として選り分けなければならない。
 数日、乾燥させると葉はパリパリに乾燥し、蕚片と共に落ちて種を隠してしまう。
 選別作業は手間と時間が掛かる。



 枝を揉む様にして種を落としたので、乾燥した葉が小さなゴミとなる。
 枝1本1本を手にして、種を落とすより早いが、その後が大変である。
 種は葉のゴミに覆われてしまい、ゴミを選り分けなくてはならない。




 室内での作業となると、吹き飛ばす訳にはいかない。
 バットに入れて、古筆を使って選り分ける。バットを傾けると種はコロコロと集まる。
 軽く息を吹くと、ゴミは飛んで種はコロコロと戻ってくる。




 収穫した種の全量を把握しなくてはならない。
 集めるだけでなく、目視で悪い種を除去する必要もある。
 更に、発芽に適した種の実入りの選別検査作業を経て、漸く全量が確認出来る。

  「しんたねを ころがしわけて めがてんに」




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紫草の種、霜月の発根

2016-11-07 19:23:13 | ムラサキの栽培

「11月(霜月)の発根始まる」
 10/31に発根パックにセットした100粒の種の発根、発芽を追うことにした。

 発根パックである。
 簡易なパックで、密封性は無いので時々スプレーでの水分補給を要する。



 10/30 並の種100粒、3週間の低温保存処理を終える。
 8列、12個並びである。4粒が別列になってしまった。



 11/6 早速1個が発根する。ほぼ中央の種である。
 兆しであるが、順調にどこまで続くのか判らない。種に頼むより他ない。



 11/7 一度に9個も発根。発根を確認した種に画像上でマークを付した。
 短い根は転がさないと判らない。根の長さの違いは発根後、数時間の違いによる。




 明日も続くと良いのだが、どうだろう。
 発根の条件は満たされているのだが、一気に進まない原因はどこにあるのだろうか。

  「たねならべ たねをころがし たのむたね」





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紫草の種、考察「浮種検査」

2016-11-06 19:53:03 | 紫草の栽培

 「浮種検査を考える」
 種を採取しゴミの選別が終わると、種子の良し悪しの選別作業をしなくてはならない。
 虫に食われたのか黒い穴の空いた種、変形した種、極小な種などは、目視で除去。

 次の段階は、浮種検査である。水に浮かぶ種は不稔種として除去する。
 この検査方法は、どうも大雑把である。
 浮種として判断した種から、かなりの種が発芽する事が判明したからである。
 
 時間をかけて浮種検査をして見ると、とんでもない事態になった。



 水を入れた4個のビーカーに種が沈んでいる。所謂、沈下種である。
 つまり完熟した種として、合格品と判断出来る事になるのか?
 何故、4個のビーカーなのか?その違いは何か?




 これは左上のビーカーで水を切った状態である。種の数量が1番多い。
 また、種の色も他の3個に比べて違う事は明らかである。
 浮種検査開始後、10分以内に浮種は除去して残された種である。




 これは、右上のビーカーの種である。種の数は2番目に多い。
 しかし、種の色は左の種に比べると、全体に薄茶色である。
 初めに除去された種を別のビーカーに入れて30分後、底に沈んだ種である。
 勿論、まだ浮いている種がある。同様にして別のビーカーに入れる。



 左下のビーカーの種である。極少量だが黄緑色の種が入っている。
 浮種検査開始後、浮種として2回除去された種である。
 もう沈む種は無いかと思っていたが、水に入れて3時間以上経過後沈んだ種である。
 更に浮種を集めて別のビーカーに移す。



 右下のビーカーの種である。種の数は最も少ない。
 明らかに黄緑色の種が数粒入っている。浮種検査を繰り返す事4回。
 この後、浮種は翌日になっても水に沈む種は無かった。
 残留数は更に少なくこの半分も無かった。完全なる浮種であった。



 夜間に入ってビーカーを覗いてみた。
 不思議な光景であった。種子一つに数個の泡粒が出て来た。
 中にはその泡粒に依って浮いてくる種もある。


 この泡粒の正体は不明である。
 おそらく、種の重みで沈んだが種子の殻の中に空気がわずかにあったのであろう。
 それが水圧で殻の外に滲み出て集まり、泡となったのではないかと思われる。
 勿論、浮き上がった種は泡粒が離れればゆっくりと底へ沈み込んで行く。




 浮種検査で除外された種から発根する種が未だ続いている。
 浮種検査の結果はA,B,C,Dの4種類に分類されてた。Aは最初の沈下種である。これは合格品。
 問題は残されたB,C,Dのどの段階までが合格品となるかである。
 判断結果は発芽検査で自ずと出る事であろう。1ヶ月後となる。

   「すくうたね さがすみちすじ またわかれ」


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