誠茅庵という名の小さな小さな美術館

絵や写真、そして雑感日記。。
六十の手習い(水彩画、スケッチ等)帖。

25展ー5 企画NO,4 『第72回 水彩連盟展』よりー(序)

2013年04月16日 | Weblog

 

 水彩連盟展よりの展示

六本木の国立新美術館で今年も恒例の展覧会が大勢のギャラリーを迎えて盛大に

開かれました。例年ならば、上の写真のような光景(昨年4月撮影)なのですが、

今年は残念ながら桜には間に合わなかった様です。

例年の事ながらその大作力作の何百点には圧倒されます。真剣に見ていると

心身共に疲れます。しかし大きな刺激も受けます。

この会は現代の日本の水彩画壇の中核であり、しかも最先端を行っていると

言われています。抽象,半抽象そして心象、半心象画が中心なのが特徴かも

知れません。これらの作品は具象画写実印象画とは又違った意味での感動と

感慨を覚えます。作者が何を訴え、何を表現しようとしているのか、それを考えながら

見ているとつきぬ興味と面白さがあります。

ところで最近は、高齢者社会の影響が、絵の世界にも影響を与えているような気がし

てなりません。時間潰し、趣味作り、生き甲斐作りの人口が激増し、そうしたカルチュアー

や絵のお教室が今や花盛りです。

絵具屋さん泣かせの様な、薄くて淡い或いはきれいが取り柄といった絵や、お絵描き調

のものが全盛です。これは入門しやすい、取っつきやすい、手軽に出来る、きれいに見

える、洒落ている、上手に見える、(だが実際には、やってみると進めば進む程、これも

また非常に難しいものなのでしょうが…)等によるのでしょう。

これらの利点は、ややもすると浅薄、軽さ、空虚さ、きれいなだけという欠点を補って

余りあるのでしょう。

これが現代の世相や慌ただしい世情やスピード時代にあっているのかも知れませんね。

多くの展示会が、水彩画展という看板で見に行くと、その大半はスケッチ画展であったり

ペン画展であったり、さしずめ下絵展といった趣きです。

水を使うなら水彩画という範疇でしょうから、決して看板に偽りありではありませんが、

軽い失望を覚えることが多々あります。

極めて手軽な手慰みといった趣味のお絵描きには哲学も物語性も人生や人間の感情の

発露も表現も必要は無いことでしょう。

楽しく描いて、美しければそれはそれで素晴らしいことだし、それで十分なのでしょう。

さて前置きが長くなりましたが、そんな世界と対極的な正反対の世界にあるのが、

この水彩連盟展だと思います。皆さんがご自分のテーマを追求し同じモチーフを

何年も描いて居られます。そこには詩やらロマンがあり、主張があり生活があり

人生が感じられます。

そしてこれが水彩画なのかと思ってしまう程、描き込まれた作品を多く見ることが

出来るのです。

それは淡くて薄いだけきれなだけではない、水彩絵の具の特質特長を十分に熟知

した上で、その良さをふんだんに駆使している表現の作品です。

これが半抽象、半心象の構図と実にベストマッチしているのです。

それでは6人の方の6作品をじっくりとご覧下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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