夏と平和美術展のこと。
毎年この時期になると、私にとっては今や暑さと共にやってくる夏の風物詩の一つとも
言えるこの「ちがさき平和美術展」が開かれます。
未だ梅雨明けには数日ありそうでしたが、もう真夏日を思わせる様な7月15日~19日
の1週間でありました。
暑さの連想から思い出すのは、空は抜けるように真っ青で、太陽はジリジリと照りつけ、
蝉の声だけが響き、汗が噴き出し、子供心にも気だるくて物憂く、蝉の声が止むと気が
遠くなるように静寂だった少年の日の或る昼下がりのことです。
よく聞き取れない雑音ばかりの玉音放送を、汗をぬぐいながら正座して聞いていた光景
です。そしてそれと一緒に、染み渡る様なセミの声、サイレンの音、風鈴の音、そして
打ち水や蚊取り線香の匂い、蚊帳、ほたる、縁台、線香花火などが次々と脳裏に
浮かんでくるのです。
そんな終戦記念日も、もうまもなくです。この時期になるといつも、戦争のない平和な
世の中であることを祈らずには居られません。
きっと、この平和美術展の設立の趣意もそんな平和への強い祈念なのでありましょう。
さて、同展には何人かの友人そして知人が出品して居られます。
もう何年も当館でも展示しておりますが、今年も主宰者の藤田日出男画伯を初め
13人の方の作品を陳列することが出来ました。作家の皆様方には御礼申し上げます。
皆さんはもう何度も紹介済みですので、今年は前回までのような紹介も説明もコメント
などもなしで、ズラリと一挙に陳列してみました。
それでは13点をどうぞごゆっくりご覧下さい。