さすらうキャベツの見聞記

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おまけに盲腸まで

2010-08-16 23:14:59 | Monday ゆかいな言葉たち
劣等生が身につけるもの




 イギリスの名宰相であり、ノーベル文学賞受賞者でもある
 チャーチルは、学校で落第生だった。
 20歳くらいまでの学校教育がまったく肌に合わなかったらしい。

 当然、落ちこぼれである。

 父親でさえ、息子のあまりのできの悪さに、
「息子は出世できないだろう」と嘆いたそうである。


 チャーチルに限らず、偉人・天才には学校での落第生が多い。

 生涯で2000余の発明をしたエジソンは8歳で学校をやめているし、
 万有引力の発見者・ニュートンは、クラスで最低の成績だった。

 遺言によってノーベル賞を創設したノーベルは、
 いつもビリから数えたほうが早い成績だったとのことである。


 ところが、学校での劣等生体験は、後々、失敗にぶちあたったときに役立つ。
 なぜなら、前述したように、失敗耐性がついているからである。


 チャーチルは首相として活躍した第2次世界大戦直後に実施された
 1945年の選挙で、落選している。

 選挙の直前にかかった盲腸炎で、選挙活動が十分にできなかったことが
 理由らしい。

 ユーモアとウィットが売り物のチャーチルのそのときの弁。
「私は、公務、議席、そして政党を一挙に失った。
 おまけに
盲腸まで失った。」


 こうしたユーモアを自分の中に備えておくことは、失敗を味わう上でとても大切なことである。

 なぜなら、ユーモアのおかげで自分を客観視することになるからだ。


 実際、チャーチルは、この落選期間中を次の飛躍への充電期間として大いに活用した。

 彼がその間に行った思索は、『第二次大戦回顧録』という大著にまとめられ、その功績で1953年にノーベル文学賞を受賞した。

 それだけではない。
 その2年前の1951年には、政界への復帰を果たし、第2次チャーチル内閣で再び名宰相の名声を得たのである。


 チャーチルは、失敗を素直に受け入れ、じっくり味わい、それがもたらした環境の変化の中で自分を鍛え直していったのである。



(海保博之著;「ミス」をきっぱりなくす本,成美堂出版)


                         
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