さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

考える○

2007-04-05 23:23:39 | Thursday 生活



考えるキャベツ。



 今日のことだ。

 ベッドに座っているある93歳のおばあさん、
 おなかが少々張っている感じを受ける。
 確かに、以前から便秘がちのお方。
 耳が遠いので、耳元で大きな声で、ゆっくりと話す。
 「おなか。苦しくないですか~」

 おばあさん、
 目を見開いて、こちらに身を乗り出し、
 こう言った。
 「あぁ~~? た・な・か?」

 もう一度、ゆっくり大きく答える。
 「違いますよ。たなかじゃなくて、お~な~か~! おなか、張っている感じはありませんか?」


 両者、瞳を見つめ合う。


 おばあさん、目を大きく見開き、なにやらうなずきつつ、
 「の~な~か? のなか?」
 と、いつも病棟に響く大きな声を、さらに大きくして返答する。

        両者、互いを見つめ合う。

 キャベツ、おばあさんのお腹をぽんぽんと触れつつ、
 「ち~が~い~ま~す~よ(苦笑)
  ここ! おなか。
  おなかの具合はいかが?」



 このとき、おばあさん、耳に手を添え、こちらにもっと寄せつつ聞いてくれたのだ。
 そして、こうおっしゃった。

 「よなか? よなかに何があるの? どこかへ連れてってくれる?」




 ・・・・・コミュニケーションとは、かくも 1)難しい...



【注】
1)かくも:このように

○写真は、オーギュスト・ロダン(François-Auguste-René Rodin:1840~1917年)の「考える人」



むろん、一抹の笑いを添えて。 
 

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