さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

受胎告知

2006-12-10 22:39:23 | Sunday 聖書
 御使いガブリエルが、処女(おとめ)マリヤにみごもったことを伝える場面「受胎告知(じゅたいこくち)」―幾多(いくた)の画家が描いてきたが、上の作品は、17世紀イタリアの画家オラツィオ・ジェンティレスキの手による。
この場面、どの画家のも「その当時、イスラエルの一般的な家は、そんな背景じゃなかっただろ~」と思うようなものばかり、加えて、なにやら厳(おごそ)かに書かれていることが多いケド・・・


 多分、今ではあまり信じてもらえないような事実だが、この当時、イスラエルにおいて、婚約した相手がいるのに他の人とSexしたり、もちろん子どもを身ごもったりした場合、そういう二人は石で撃ち殺されるくらい、モラルは厳しかった。


 というわけで、御使いが、
 「おめでとう、恵まれた方。主(しゅ:神様のこと)があなたとともにおられます」
 とマリヤに挨拶をし、おめでた宣言をして、イエスと名づけるようにと言ったとき、
 マリヤがとまどったのも普通の反応だし、
 夫となるはずのヨセフが悶悶(もんもん)と悩んだのもムリはない

 ・・・・・・・・・・・現代の「できちゃった婚」や「不倫」の比ではないんだから。
 それに、一体、誰が「処女が男の子を産む」なんて信じる 


 だが、
 マリヤはこのあと、
 「ほんとうに、わたしは主(しゅ)のはしため 1)です。
  どうぞ、あなたのおことばどおりこの身になりますように」
 と言って、その信じられないことを受け入れ、
 ヨセフは、夢のお告げで言われたとおり、マリヤと結婚する。
 ・・・・・・・・・・すごいね。
                (新約聖書・マタイの福音書1章、ルカの福音書1章参照



 そして、もっとすごいことに、このことは、その数百年前から神様が告げられていたことの一つだったらしい。

 旧約聖書の「イザヤ書」という有名な預言書(よげんしょ)に、こう記(しる)されている。
 
  「さあ、聞け。ダビデの家 2)よ。・・・・主(しゅ)みずから、あなたがたに一つのしるし 3)を与(あた)えられる。
 見よ。処女が身ごもっている。そして、男の子を生み、その名を『インマヌエル』と名づける。」(イザヤ書 7:13-14) 



 インマヌエル・・・というのは、「神がともにおられる」という意味。どうして「イエス」と名づけるよう、御使いを通して神様がおっしゃったのかよくわからないが、事実、体外受精なんかでもなく、処女がみごもったんだろうな。・・・人は、自分たちができないこと、また今まで見聞きして得た知識外は「ありえない」「信じられない」で終わらせようとするけれど

                                                     

【注】
1)はしため:本当は、召使いの女、という意味だが、この場合、マリヤがとても謙遜して用いている。
       謙遜ということばはふさわしくないかもしれない。
       というのも、実際のところ、「自分は、神様のしもべにすぎない。御前に出る資格さえ、ない」というのが、神様を知っている人々のフツウの感覚のことが多いのだから。

2)ダビデの家:イスラエルの民、全体を指す。

3)しるし:奇跡のこと。

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