森男の活動報告綴

身辺雑記です。ご意見ご感想はmorinomorio1945(アットマーク)gmail.comまで。

M3リー ミニアート 1/35(M3 Lee Mini Art )(その2 完)

2022年07月03日 | 模型の話題
というわけで2回目です。今回は車内の様子や製作法などを紹介します。

このキットはフルインテリアキット、つまり車内も完全に再現されています。ミニアートの必殺技ですね。めちゃくちゃよく出来てます。パーツはほぼプラです。エッチングはごく一部。
必殺技、というのは製作者もその必殺の対象となってます。要するに製作中に「殺す気か!!」と何度も感じさせくれるキット(笑)

でも、完成したときの達成感はまあ半端ないですね。難しそうですけど、単純にメンドクサイだけです。「難しい」と「メンドクサイ」は違いますからね。「難しい」というのは例えばイチローさんに絶対ヒットを打たれない、ということです。これができる人はもの凄く限られている。世界に何人もいない(と思う)。しかし「メンドクサイ」は誰にでも達成可能です。例えば、自分の持ってる本をアイウエオ順に本棚に収める、とか。簡単です。ただただひたすらメンドクサイというだけです(でもこれ実際にするとしたらマジでメンドクサイよな、、)。なので、このキットもコツコツ淡々と粛々と進めていけば誰でもきちんと完成させることができるのです。回りくどかったですが、そういうことです(でもほんとに回りくどいな。すいません)。
閑話休題。で、こういうキットのいいところは、戦車の構造を立体的に理解できる点です。図面とか写真で見てもピンと来ないんですよね。でも、模型だと順を追って作っていくこともあって、各部の関係性とかが結構すんなり頭に入るのです。「あ、砲と砲弾はこういう配置なのか」とか「エンジンの動力はこういう風にトランスミッションに伝達されるのか」などなど。立体の教材ですね。

このキットに限らず、ミニアートのキットは精度がしっかりしてるのでその気になれば車体外側を完全接着しなくても、完成後も内部をみれるようにできます。

精度がいいので、一見接着しているようにみえます(よね?)。

でも、こういう風にパカッと外せるわけです。以前SU85でもそうしたのですが、こうすると頑張って中を塗るぞ!という気にさせてくれるのでいいですね。接着しなきゃならない場合はやっぱテキトーにやっちゃいますからね。

戦車でも飛行機でも軍艦でも、中に人が乗って操作操縦する兵器です。戦車は特に中に人がいることをついつい忘れがちです。でもこうやって中身を見ると、狭い内部で人が必死に戦ってるんだなあということがよく分かります。戦車とかって来られる方からすると恐怖の塊、みたいなんでしょうけど、中の人もかなり大変で怖いだろうなあ、と。

M3は比較的大きい車両で、車内も多少は余裕があるように見えなくもないのですが乗員は7名。かなり狭かったろうなあと思います。
主砲、機銃、弾薬、もろもろの機材にはさまれて身動きは取れない。中は当然暗い。外の様子もまあ見れない。不整地を走るので揺れまくる車内、呼吸を妨げる銃砲弾の硝煙(有毒ガスです)、いつ飛び込んでくるか分からない対戦車砲弾、、。戦車に来られるほうも怖かったでしょうけど、それと同じくらい戦車に乗って戦うのはほんとたまらんかったろうなあと。

37ミリ砲塔はバスケット式で、これまた狭そう。ここに3人入ってたって、ほんとかなあ、、。

出入り口も限定されてて、砲塔内と車内は遮断されてるような印象。こういうのも立体でないと分かりにくいところですね。

さて、製作法としてはさっきも書いたようにただただメンドクサイだけなので特に書くことはありません。コツとしては、ゲートはともかくパーティングラインの処理はある程度ユニットになってからしたほうがいいです。最終的に完全に死角になるところもあるので、無駄な手間になってしまいますから。

あとお勧めなのは製作前に各ランナーに目印を付けておくということ。このキット、ランナーが計61枚(!)もあるので「ランナー探し」(よかった探しとはちと違う)が作業の中で結構な比重を占めます(いやほんと)。なのでこれをしていないと「A8と9がいるのか。えーと、Aのランナーはどこだ、、。これはB、あ、これはF、、。Aはどこじゃぁい!!」と製作中発狂し続けることになります。これは精神衛生上非常によろしくない。それを防ぐための措置なんですね。
この名札付け、意外とかなり効果的ですよ。ちとメンドクサイのですが、やるとやらんは大違いです。製作中にいちいちランナーを探す時間のトータルと比べるとかなりの時間短縮になるはずです。騙されたと思ってやってみて下さい。

同じように、塗料の番号も一覧にしておくと便利ですよ。

これも「えーと、ここは塗料は1の指定か。えーと、1って何色だったっけ」とその都度インストをばさばさめくる手間が省けます。これもほんと後々楽です。

車内の塗装は、大体これくらいまで組み立ててからやってます。
これくらいより前だと大変ですし、これ以後組み立ててからでも大変、というレベルがこれくらい。これこればかりですいませんけど(笑)まあそんな感じです。でも、こういうのは人によって違うと思うので参考程度でお願いします。

エンジンもスゲーよくできてます。ご覧の通り飛行機用の空冷エンジンです。M3・M4系列の戦車の特長ですね。
こういう星型エンジンを使うことになった理由ははっきりわからないんですけど(すいません)、このせいでM3・M4ともども背が高くなっちゃったとのこと。

完成するとこういう感じ。ちょっと色を塗り分けて、ちょいちょいと汚すだけでイキフンチリバツ!塗装はラッカー基本に、油彩でウェザリングしてます。

さっきも書きましたけど、星型エンジンを戦車に積んだら、まあこれくらいの車高になっちゃうんだな、という点もすんなり理解できました。

ヒマワリは、前回書いたように紙創り製です。このシリーズはほんと素晴らしいですね。安価でかつリアルな植物が作れます。昔はこういうのなかったので大変だったろうなあ、と。
この写真はほぼ完成したフィギュアと記念撮影したもの。塗装はラッカーです。黄緑はクレオスの「ルマングリーン」を少し調色したもの。この色はほんと発色がよくて植物にぴったりです。

完成形がこちら。油彩のバーントアンバーを中心とした色でスミ入れなどをしてやると、ルマングリーンやイエローが落ち着きます。
その他の草や花は「いつもの」です(笑)草は麻紐、花はドライフラワーにスポンジ。ワンパターンなんで恐縮なんですけど、これらはほんと簡単な割りに効果的でついやっちゃうんですよねえ、、。

これはフィギュアのヘッド修正中のもの。前回も書きましたけどあーでもないこーでもないとグリグリやってるところです。

こういうのって「答えがあるようでないし、でも答えはあるみたいだし、どないやねん!」と自分の脳内でボケツッコミを無限に交錯させながらの作業となります。なので頭がおかしくなる前に「もう今回はこれでいい!」と一旦〆るのが大事かなあ、と思ってます。

で、その葛藤の果てに基本塗装が終わったところ。
基本塗装の肌色はとにかくエアブラシじゃないとダメですね。メンドクサがって、筆で済まそうとしても、いくら塗ってもムラになって以後の仕上げに影響してきますね。誤魔化しがきかないんですよねえ、、。そんなこんなでフィギュアってほんと難しいです。

で、なんとかできたのがこれ。なんやかんや偉そうに書いててこの仕上がりかよ!かもですが、ほんともうこれで勘弁して下さいなのです。
で、次はもっと納得できるの作るど!と奮起するわけです。「経て経てぇー、経まっくてぇえ、、」ですねえ、、。

で、これが村娘の視線の先にある砲塔上の鳥です。エポパテ製です。特に種類とかを考えず、それっぽさ優先で作りました。
もちろん、ロシアにいる鳥とかを調べてみたんですけど、結局「それっぽい鳥」がいなくて創作しました。ジオラマの中である程度存在感があって、思ってるような色の鳥ってやっぱいないんですよね。当たり前ですが。

なので、私はこういう風にすぐウソをつきます。スケールモデルは「実在の兵器や兵士、建物風景を忠実に再現したもの」という原則はあるのですが、それはあくまで「ひとつの枠組み」でしかない、と思ってます。だって、自分の作ってるのって、自分の作品ですからね。「事実」と「自分の作りたいもの」を天秤にかけたら後者を優先してしまいます。

なので、ジオラマ的にイイ感じになるのなら、まあ事実じゃなくてもいいか、と「やってまう」ことも多々あるのです。こういうのほんと難しいですね。スケールモデル、キャラクターモデル関係なく、模型って作者の裁量に委ねられたフィクショナルなものであって、自由に作っていいんじゃないかな、と考えていますがもちろんこれはあくまで個人の意見です。そういう場合は「これのここはウソついてます」と断わってないとアカンとは思ってはいるのですけど。でもその事前の断りを全部いちいち書けないし、書いてたとしても誰もが読むわけではないわけで。難しいですねえ、、。

閑話休題。作例なのでほぼ完全形で完成させたのですが、例えば一番上の機銃塔の機銃には銃弾が装填された様子で再現されてます。放置車両としてはかなり不自然なので、今回の再仕上げにあたりエポパテで布が被ったようにしました。
でもまあ、車内のトンプソンとか弾倉とかそのままなんですけどね(笑)それにしても、こういう戦場の遺棄車両の兵装とか銃砲弾の扱いはどうなってたのかはよく分かりませんね。軍の担当部局があちこち回って回収してたのか、基本ほったらかしで地元の人が勝手に持ち出し放題だったのか。

独ソ戦でいうと例えば森の中で全滅した独軍の歩兵部隊の装備や銃器とかそのままになってたと思うんですけど、いちいちソ連軍は回収してないですよね多分。してたとしても完全にはむりでしょう。地元の人が飯盒とかスコップとか日常ですぐ使えるのは再利用して、銃器は猟銃として使えそうなライフルはとっといて機関銃やMPはくず鉄として売るとか、そんな感じだったのかなあ、と。今でもそういう放棄された兵器を発掘する人たちがいて、掘り出されたサビサビの銃や装備の画像が出回ってますね。

閑話休題。とまあ、こういう作例でもあれこれ思うところ考えるところは多々あるんですよ、という話でした(笑)

なんであれ、このミニアートのM3はほんとにいいキットです。ほんとお薦めです。
この作例の掲載誌(月刊ホビージャパン2020年2月号)では、このブログよりも丁寧に製作法などを解説しています(当然ですが)。よかったらチェックしてみてくださいね。

というわけでお終いです。いやー、それにしてもM3リーはええですよねえ、、。

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M3リー ミニアート 1/35(M3 Lee Mini Art )(その1)

2022年06月19日 | 模型の話題
今回はミニアートのM3リーを紹介します。月刊ホビージャパン2020年2月号に作例として掲載されたものです。で、これを去年くらいからちょっと手直しをしてまして、先日やっと完成。大きくは変えてないんですけど、塗装やフィギュアをちょこちょこやり直しました。

そもそもM3リーは昔から好きだったので、ずっと楽しく製作することができました。戦車としては唯一無二(多分)の三段重ねのこのスタイル、いいですよねえ、、。丸っこい印象でカワイカッコイイです。
この作例は新製品紹介なので、ほんとは生きてる状態で作るのがいいとは思ったのですが、個人的な好みで壊れて放置された状態のジオラマにしました。今回のようにキャタピラが外れてるのも「可動式なんですよ」という紹介になりますしね。と自分に言い訳してます。

シチュエーションとしては、戦争が終わって平和になって、村の女の子が戦車の上にとまった鳥をみてる、みたいな感じ。舞台はロシアです。M3リーはアメリカの戦車なんですけど、ソ連にも送られてドイツと戦いました。キットも米軍、ソ連軍、ドイツ軍鹵獲仕様のデカールがついています。
鳥は、砲塔の一番上のキューポラにいます。写真ではちと小さくてわかりにくいですけど。

壊れた状態とはいえ、例えば全体をサビサビガビガビにしちゃうと新製品紹介にもならないので、戦争が終わってから1-2年くらいというイメージで汚し塗装をしました。
誌面掲載後、返送されたジオラマを見てたらもう一回チャレンジしてみたくなりまして、塗装をやり直したというわけです。とはいえ根本的にやり直したのではなくて基本塗装後のウェザリングから修正した、という感じです。

M3の周りには、草や花が生き生きと芽生えてるという感じにしてます。
散歩してると、空き地とかの雑草の繁殖力の凄さにびっくりしますね。冬は枯れまくってるのに、春夏となるとブワーッと増殖する。植物って、凄いなあ、と。でもそういうのって日本とロシアではまた違うんでしょうけど、、。ヒマワリは今回新たに追加しました。紙創り製です。ヒマワリは綺麗だし力強いし、素敵な花ですよね。

車体全面の文字はロシア語のスローガンです。「ソビエートスキエ ゲローイ」と読みます(表音は適当です)。「ソビエトの英雄」の意。アメリカ生まれの戦車がソビエトの英雄になっちゃってるわけです。なんといいますか、物事って昔からいろいろと複雑なんですねえ、、。当時アメリカでレンドリース法という、ドイツと戦う国を援助する法律が作られまして、それに沿ってアメリカはソ連にいろいろ武器とかを送りました。このM3もその一環でした。で、今になってまたレンドリース法という言葉をリアルタイムで目にしてます。なんなんでしょうねえ、、、。
閑話休題。車体全面下部から生えてるツタ(のようなもの)は、採取したコケを貼り付けたもの。採取からかなり時間が経ってて枯れて茶色になってるので着色してます。コケはいろいろとほんと使えますね。

塗装のやり直しは誌面掲載時と大きく変わったかというと、段取り的にはそうでもないです。ラッカーのオリーブドラブをベースに、油彩でスミ入れ&ウォッシング、角の錆は油彩。隅っこの埃はピグメント、という感じ。
ただ、誌面掲載時よりは少し色の調整などを入念にやったかな?という感じです。

砲身、砲基部、車体の装甲など、ちょっとづつウェザリングの印象を変えようかなあ、、と思ったり思ってなかったりしつつぼんやりと仕上げているうちにできた、という感じ。
なんでそんなあやふややねん!って表現ですいません。でも、こういうのってほんとグネグネやってるうちに「あ、でけた」ってなるんですよ。

サビの流れ落ちた表現とか、もっとしたかったんですけど、もうこの辺でいいか、と〆ました。さっきと矛盾するかもですが。「あ、でけた」ってのはそういうの込み、ってことですね。
このキットはディテール再現が鬼のようによくできてるので、塗装がイマイチでも助けられます。塗装とディテールって相互補完してるような感じですよね。塗装がいくら凄くてもキットのディテールが甘いと生えないし、逆も同じ。この辺もプラモの醍醐味のひとつ、ですね。メーカーさんの気合と、作り手の気合をガッチャンコして、その組み合わせ内でできるだけいいモノを作る。こういう風に「送り手と受け手が一体化して、何か新たなものを創造する趣味」ってなかなかないよなあ、と。なのでプラモっていいなあ!と思います。

閑話休題(すいません)。で、このキットはキャタピラも可動式でして、こういう風に外れた様子にする場合には願ったりかなったりです。
とはいえ、ベルト式に比べると組み立てはメチャ大変なのですけどね。まあでも粛々と組み立てていけば、きちんと形になるというのはほんと凄いし有難いと思います。

村娘は、ミニアートの「SOVIET VILLAGERS」のフィギュアです。でも、ヘッドは作り直してます。誌面掲載のも作り直したんですけど、さらに作り直しました。キットをお持ちの方は「めっちゃいじってるじゃん!」ってなるかもですが、まあいいじゃないですか(笑)「村娘はこんな子じゃないとダメなの!そういうものなの!」という作者の妄想がスパークするとこうなっちゃう見本としてご査収ください(笑)
とはいえ、頑張りましたけどそれでもまだまだだなあ、と。フィギュアの造型は本当に難しいですね。塗装同様、なんかエポパテを盛って削って、グリグリやってて「もうこれが限界だー!」ってなってとりあえずオケ!とするような繰り返しです。いやほんとフィギュアって難しい、、、。

顔以外はほぼキットのままです。後姿のポーズや服の皺とか、とてもよく出来てます。ミニアートはもちろん、マスターボックスやICMなどウクライナのメーカーのフィギュアはどれもよくできてますね。国とかで何かそういう資質ってあるのかなあ、、。と思ってしまうくらい。
実際にやってみるまでもなく、水の入ったバケツを2個も抱えるのはかなり大変です。このフィギュアはその重みをきちんとキッチリ再現しているように思います。シャツやスカートの柄はラッカーの手描きです。

でも、重いものをもっててることはあまり気にしてないような女の子をイメージしながら作りました。
はたから見るとかなりキツイ仕事をしてるんだけど「あー、こんなのなんてことないわよ」って微笑みながら働いている人って素敵だなあと思います。そういう人に、私はなりたい(けど、絶対無理)。

というわけでお終いです。それにしてもM3リーはいい戦車ですよねえ、、。ほんと大好きです。映画「1941」はよかったですねえ。また観てみたいです。

次回は、製作時のポイントとかを書きたいと思ってます。でも間に別の話題を挟むかもです。

それでは。

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月刊ホビージャパンに米軍トラックの作例が載りました&トラックのキットの話題

2022年05月08日 | 模型の話題
今発売中の月刊ホビージャパン6月号に、模型のお仕事が載りました。今回は米軍の「G7107 4×4 1・5tカーゴトラック」(ミニアート 1/35)です。よろしければぜひご覧下さい。

こちらが表紙です。


カラー3P+スケールモデルコーナー扉で紹介してくれています。

単品作品で、製作のポイントなどあれこれ書いていますので興味のある方はぜひ。

キットはミニアートらしく精密でキッチリ、かつアクセサリーやデカールも豊富で、作っててほんと楽しかったです。

完成形を見ると「いかにもアメリカのトラック!」って感じでカッチョいいですね。トップとこの写真は私の撮影したものです。誌面ではもちろんもっとカッチョよく撮ってくださってます。

このあいだのオースチン装甲車やブルドッグトラクターと、ミニアートキットのお仕事が続いてます。これまで同様、とてもいいキットですよ。詳しくは記事をお読み下さい。

で、記事にもちょっと触れましたが、こういうボンネットトラックっていいですよね。「いかにもトラック!」って感じがします、、、って、それはもうオッサンの感じ方なんでしょうねえ、、。

ボンネットトラックは、私が子供の頃はギリギリたまに走ってて見かけるたびに食いついてましたね。今から考えるとどこに惹かれてたのかよく分からんのですが、要はクラシックな外見が良かったのでしょう。でもふと気が付くと全く見なくなってしまいました。寂しかったなあ、、。

さて、これまた記事にも書きましたが、トラックって戦車とか装甲車と違って地味な車両なのですが、私たちには身近ということもあるのか、昔から各社であれこれキット化されてますね。私も手持ちのトラックのキットはいくつかあって、どれもいつかは作りたいなあと思ってます。それらのいくつかを紹介してみます。

これは同じくミニアートのキットで、ある方からいただいたもの(ありがとうございます)。

好きとはいえ詳しいわけではないので厳密にどういうタイプかは知らないのですが。でもこういうクラシックなのほんとええなあ、と。

フィールドキッチンとセットになってて、作るのほんと楽しそう。

そういえば、このキッチン単体とフィギュアのキットもあって、それを結構前にホビージャパン誌で作例しました。これまたとてもいいキットでした。また紹介したいです。

レジンキットではこの2個くらい。WESPE MODELSの「FORD JA3」と「ISUZU 6×4」

もう20年くらい前のですが、いつか作ろうと思いながらいつまでも作らないまま(笑)ずっと持ってます。

フォードは何故キットになったのかよくわかんないですね。確かロシア軍かソ連軍かが使ってたと、何かの雑誌の新製品紹介に載ってたような記憶が。

かなりクラシックでヨシ!ですねえ、、。うっとり、、。なんであれ、これは軍用じゃなくて民間仕様で作るのがいいでしょうね。退色表現とか楽しそう。アメリカの田舎の風景にして、ギターケース持ったブルーズメンがヒッチハイクしてて、運ちゃんが「乗ってくかい?」みたいな感じで。そこは十字路で、運ちゃんを悪魔みたいな造型にする(笑)。あー、想像するだけだとほんと楽だなあ、、。

いすゞのキットは、当時日本軍のトラックなんてレジンでもインジェクションでも影も形も無かったので(多分)、飛びついた記憶が。値札見て腰抜けましたけど12180円(税込み)でした。ひえええ、、。今なら絶対買わない、買えない(笑)

でも、とてもよくできてます。メーカーさんの愛が感じられますねえ、、。丁寧に作ったらいいものになりそう、、。

で、お気づきの方もおられるでしょうけど、これファインモールドの「九四式六輪自動貨車」と同型です(多分)。要するにレジンキットあるあるの「高価なレジンキット買って大事に温存してたら、インジェクションが出て大暴落」の見本です(笑)

いつか作りたいとは思いますけど、これはさすがに作らないだろうなあ、、、。でも可哀想だなあ、、。でも作らないだろうなあ(どないやねん)。

で、そのファインモールドのトラックのキットは九四式のほかにもありまして、それがこれ。「1/35 トヨダG1型トラック」。これは以前も紹介しましたね。
これは2007年に「トヨタ技術会会員限定頒布」として作られたものです。要するに、一般的には非売品です。箱にはシリアルナンバーが。スゲーですねえ、、。非売品だったのですが、今でも中古品としてなら入手することができます。もちろん売りに出された時だけなんですけど。

内容的に、かなり気合が入っていてたまらんですね。
パーツ分割など同社の一般販売キットの感じより一歩踏み込んでるような気がします。これが「限定配布のパワーなのか、、」という(笑)もちろんこれもいつか作りたいと思ってます(だから死ぬ思いで2個買った)。

というわけでお終いです。トラックって身近なクルマなせいか、過去の見たことないような車両でもなんか親近感が沸くのが不思議ですね。これらのキットに限らず、作りたいのはいくつもありますのでそのうち着手したいです。

最後にお知らせです。

●京都の「ギャラリーソラト」さんの展示会に絵を出品します。

以前からちょくちょく参加していて、その都度お知らせしている展示会です。

今回のテーマは「幻想独逸展」。「<独逸(ドイツ)>の歴史、人物、文化等国のイメージ全般をテーマに自由に表現する展覧会」です。

会期は5月24日(火)から5月29日(日)。

私は展示する額装品と複製画数枚を販売する予定(通販可です)。

ギャラリーの住所や問い合わせ先などはこちらです。最近移転され、住所が変りました。

ギャラリーソラト
〒600-8475
京都市下京区風早町569-39ウインドファーストビル3階西側
mail:sawsininferno@yahoo.co.jp
tel:090-9698-9460

ブログはこちら。同展のフライヤーなどが完成したら随時UPされるそうですので、チェックお願いします。

以上です。よろしくお願いします。会期前に私のブログの更新がもう一度ありますので、その際にどういう絵を展示するのかお知らせします。とはいえ新規の絵はなくて、過去の絵を展示することになると思います。

それでは。

ホビージャパン、ほんと読んでくださいねー。


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ブラート襲撃車について。(その3・完)

2022年03月12日 | 模型の話題
というわけで3回目です。

前回までのあらすじ。

森男は、ツイッターで知り合ったシッポナ氏に蘭印軍の装甲車の存在を教えてもらう。しかし、呼称がよく分からない。オランダ在住の後輩で森男機関の在蘭諜報員(勝手に命名)W氏に意味を問い合わせる。シッポナ氏と相談の末「ブラート襲撃車」「ブラート遊撃警戒車」という訳語をつけた。やれやれ、と思いきや、、。※詳しくは前回、前々回をご覧下さい。

さて在蘭諜報員W氏は、今回の件に興味を持ったようでこの件に付随することについてアレコレ調べてくれました。その辺を要約して書いてみようと思います。

W氏は、オランダ語のサイトに「ジャワ通信(JAVA post)」というのがあって、そこでブラート社について紹介していることを知りました。著者は父母が蘭印にいて、戦争中は日本の収容所におり、自身も政府機関で勤務しインドネシアで子供の支援を行う財団と係わるなど、深い関係があるそうです。アドレスはこちら。
https://javapost.nl/2010/11/11/de-bewogen-geschiedenis-van-braat-nv/
リンク張っていいかわからないので、アドレスのみです。興味がありましたらご覧下さい、、、ってオランダ語なんですが。

W氏がこのエントリーを全部翻訳してくれたので(ほんとすいません)以下、かいつまんで紹介します。抜書き、ではなく私が翻訳を参考に再構成しています。私の所感や推測なども織り交ぜてますので、文責は私にあります。

で、その前に簡単なお勉強の時間です。そもそもインドネシアはどこ?どういう国?という話(インドネシアの人、すいません)。私もぼんやりでした。マレーシアとフィリピンの南、オーストラリアの北、にある国です。正式名はインドネシア共和国。たくさんの島(1万3466もあるそう)からなる国で、首都はジャワ島のジャカルタ。ブラート社のあったスラバヤはジャワ島西にあります。インドネシア第二の都市だそうです。

ジャワ、カリマンタン、スマトラ、スラウェシ、ニューギニアなどがおもな島です。ニューギニアは半分がインドネシア、半分はパプアニューギニアです(この画像では切れてます。すいません。)。マレーシアのすぐ南にあるスマトラ島に、日本軍が空挺作戦を行ったあのパレンバンがあります。

人口は2億4000万人超と、世界4位。300もの民族がいる多民族国家。16世紀頃からオランダの支配下となり、東インド会社を設立。以後20世紀まで統治。太平洋戦争で日本がオランダを破り、占領。日本の敗戦後再度オランダが支配しようとしますが独立戦争を経て独立。現在はASEANの盟主とされ、ジャカルタに本部があります。

以上かなりざっくりした解説でした。なるほど、、。今回の件がなかったらほぼ知らないことばっかでした。皆さんはどうですか?そもそもはマイナーな装甲車の話題だったのですが、それでこういう知識(浅いですが)が得られるのはほんといいですね。趣味の醍醐味であります、、。

さて、話を戻します。オランダの方のブログの話でしたね。

ブラート社は1901年、オランダの実業家B.Braat Jnz 氏がジャワ島スラバヤのNgagel地区に設立。お茶、砂糖産業向けの機械製造を専門としており、船舶用エンジン、軍用機器も製造していたとのこと。前々回書いたように、橋梁なども手がけており装甲車も生産していたわけですから、かなり立派な会社ですね。従業員は1000人以上おり、現地では有名な大企業だったようです。ブログには当時の工場の空中写真も添えられており、確かに結構な規模です。

グーグルマップで探してみると、今はフットサル場と緑地公園(?)になっているようです。川沿いの緑の縦長の四角の敷地がそれ。
参照元のブログが書かれたのは2010年で、どうも筆者は現地を訪れたようです。その際はこの土地は空き地だったと。その後整備されてフットサル場になったようです。

太平洋戦争中は日本のために稼動し、戦後のインドネシア独立後も存続。1971年、他の民間企業や国有企業と合併し「PT Barata Indonesia」という会社になり、現在もあります。つまり、同社は120年以上インドネシアの工業を支え続けているわけですね。社名が消えたとはいえ、血は繋がっていると。びっくり。

太平洋戦争中は、白人系オランダ人はじめ、インドネシア人ら従業員はまとめてこの写真の川の対岸にある収容所に収容され、そこから通勤していたそうです。当時、公務員や大企業の従業員など、日本の占領下で戦前からの活動を続けた人々は「Nipponwerkers(ニッポンワーカー)」と呼ばれていたとのこと。要は占領地の運営に協力したわけです。強制された人ばかりだったのか、自由意志で選べたのかどうかはわかりませんが、ブラート社に限っては収容所があったということでまあ基本強制だったんでしょうね。

彼らは識別のために、日の丸の腕章を付けており「ボールボーイ」と呼ばれていたとか。これは日の丸のボールと、野球やテニスのボールボーイの仕事をかけた「主体性のない、誰かの言いなりになる存在」という皮肉なニュアンスがあったそうです。

1943年7月、スラバヤは連合軍の爆撃を初めて受けます。「爆撃を誘導するため、現地内通者が地上から照明弾を発射した」という疑惑が浮上し、容疑者の捜索が行われました。結果、71名が拘束され、70名が処刑。彼らはほとんどがブラート社の従業員だったとのこと。これは関係者の間で「照明弾事件」として記憶されているそうです。

この件は、実際に現地内通者がいたのかどうか、本当に70名も処刑されたのか、などなど個人的には疑問点が多いです。内通(容疑)者が70人もいたというのは多すぎですし、ブログでは拷問で自白を強要したとありますが、これも真偽不明。こういう話は政治的に利用されることもあるセンシティブなものなので、はっきりしたソースが知りたいところです。

その後1944年5月、連合国によるスラバヤへの本格的な爆撃が行われました。目標はブラート社や近在の石油施設。ブラート社では約150人が犠牲に。連合国側の記録では、同社や石油施設に決定的な打撃を与えたとされており、実際この後同社工場はほぼ機能しなくなったようです。

「照明弾事件」同様、この爆撃も内通者の協力によるもの、という疑惑がでてこれまたブラート社の従業員50人が連行されました。こちらはほとんどが数ヵ月後に釈放されたとのこと。

これは戦後の戦争犠牲者調査サービス(ODO)という組織によって調査されたものだそうです。この組織がどういうものかは不明。戦後の戦犯容疑者を洗い出すための組織だったのでしょうか。先の「照明弾事件」と結果が違いすぎるのも変ですね。なんであれ、この手の話はきちんと調査・裏取りをして、可能な限りはっきりさせないといけないのでしょうが、今となっては難しいでしょう。

インドネシアは、太平洋戦争緒戦に占領され戦争中は戦場にならなかったので、どんな感じだったのかよく考えると全く知りません。爆撃があったということも初めて知りました。こういう感じで知識のエアポケットみたいになってることがたくさんあるんだろうなあ、、と。

さて、このブログ記事のコメント欄には、いくつか興味深いやり取りがあるようで、W氏はそれも翻訳してくれました。

「ブラート社は蘭印軍向けに、ブラート襲撃車以外に何か製造していたのか?」という質問が。筆者の回答は「はっきりした資料はないが、同社は39-42年の間、軍関係の生産のみを行っていたという印象。襲撃車以外にはヘルメットを製造していた」とのこと。同軍のヘルメットは非常に印象的で、あれを作ってたのかー、と。

この記事については以上です。

次に、フェイスブックでもブラート襲撃車の投稿があった、と。アドレスはこちら。
https://www.facebook.com/HCRSPB/posts/alles-aan-boord-mannen-wapens-munitie-proviand-water-stop-de-gitaar-moet-ook-mee/526317594752922/

アカウント主は、オランダ軍の「Stoottroepen」という連隊の歴史を紹介する小さな博物館(資料館?)のようです。この投稿では、簡単にブラート襲撃車について紹介されています。そこに一つ興味深い記述が。襲撃車の設計者の名前があるのです。

それは蘭印軍軍人「Luyke Roskott」氏と。これは初めて知る情報です。装甲車の性能についての記述は他のサイトの情報とも一致しますので、確度は高いかと。なんといってもオランダの人が書いた情報ですからね。

W氏はこのLuyke Roskott名で検索してみたところ、オランダ公文書館HPに同氏が捕虜になった際の日本側の記録(収容者カード)が出てきたそうです。それがこれ。

公開されているので転載してもいいのかな?もちろん画質は落としてます。

こういうのも保存公開されてるんですねえ、、。「爪哇」はジャワ、のことです。日本語読みはルイケ・ロスコット。階級は大尉。職業はエンジニア、所属部隊はmotor transporter(車両輸送部隊)。設計者である可能性はかなり高いですね。もしそうならここで日本と繋がったわけです。うーん、凄いなあ、、。歴史探偵団(なんじゃそら)みたい、、。

で、備考欄に日本語で「昭和20年10月、連合国に引き渡す」とあるので無事戦争を生き抜けたようです。これはよかった。オランダに帰国したのかな?

ルイケ氏が本当に設計者なのか、もしそうならどういう経緯で開発に加わったのかなどなど知りたいところ。しかしそれもなかなか困難ですね。今後、何らかの情報が入ってくることを期待したいと思います。

絵にするため写真をずっと見ていて感嘆したのですが、ブラート襲撃車・遊撃警戒車ともども、よくよく見るとかなり洗練されたデザインです。被弾経始についてはほんとよく考えられており、とても現地急造とは思えないレベル。

後部のスペースの張り出しは、機銃架を360度回転させるものだと思うのですが、ここも被弾経始を考慮して菱形にしています。かなり凝ってますよね。

同時期の英米の装甲車のスタイルとは全く違うのも面白いです。普通なら身近な車両を参考に、それらしくすると思うのですが。ドイツの222などを参考にしたのかもしれませんが、時期・地域的に存在を知っていたとも思いにくいです。なので、私はゼロからこういう形状を創作したんじゃないかと思ってます。かなりの設計者だったんじゃないかと、、。

ちなみに、この車両は現存していないのですが、全く同型の軌道用車両(レールカー)がありまして(恐らく足回りだけを変えたもの)、それはインドネシアの軍事博物館に保存されています。ここは、ほぼ完全体のチハが展示されているところ(アーマーモデリングで紹介されてました。主砲が鉄パイプの長砲身で塗装もでたらめなのですが)なのでご存知の方も多いのでは。そんなこんなで一度見学してみたいですねえ、、。

というわけで、以上はW氏からの提供された情報の要約でした。いやー、装甲車の名前を知りたいというスタート地点からあれこれと広がってしまいました。断片的ではありますが、当時の蘭印の状況がおぼろげながらでも知ることができたのはよかったです。

さて、こういう風に知識を得ることができた(ほぼ人まかせ、でしたけど)のですが、それは全て海外のウェブからのものでした。外国語だとどうしてもピンと来ない部分もあります。蘭印軍についても、もうちょっと知りたいなあ、と日本語の書籍で何かないかしら?と思って探してみましたがやっぱりないんですね。蘭印史、についてはいくつかあるようでしたが。

そして、いまさらですが日本が太平洋戦争で戦った国はアメリカとイギリスだけではないのです。オランダ、オーストラリアも交戦国なのですね。でも、米英に比べて資料は非常に少ない。オランダは開戦当初に降伏したのでなおさらのようです。そもそも、日本はオランダとオーストラリアと戦争していた、ということ自体が忘れ去られようとしている、と言うのはいいすぎでしょうか。その証拠に、日本語の書籍ではまあ見当たらないわけです。過去の本ではあったとしても新刊ではまあでないでしょう。

じゃあ、洋書では蘭印軍を紹介したものはあるのかな?とざっと調べてみましたが、2冊が見つかりました。でも1冊はちょっと高価でしかも入手方がよくわかんない。もう1冊はオスプレイのシリーズでした。オスプレイというのはイギリスの出版社で、このシリーズは古今東西の各国の軍隊や部隊を1冊で(ペーパーバックの薄い本ですが)紹介するという有名なものです。

とりあえず、購入してみました。

このシリーズはとりあえずの入門編としては定評があります。この本も一通りきちんと丁寧に蘭印軍について解説してくれているようです。ようです、というのは英語なのでちゃんと読めてないのです(笑)写真などを見ると、実に濃くて、かなりの資料となっているようです。ようです(笑)。まあ、機会をみてちょこちょこ読んでみたいと思います。

で、さっきの「日本は実はオランダと戦争してた」という話のつながりでは、日本とオランダは戦争前からずっと密接な関係を持っていました。ご存知の通り江戸時代からの付き合いです。長崎、出島、ですね。こちらは平和的な友好関係でした。江戸時代はずっと、オランダは日本にとって西洋の重要な窓口として存在していて、オランダも日本との交易によって利益を得ていました。

私は歴史漫画の「風雲児たち」(みなもと太郎著)が大好きでして、中でも前野良沢らが「解体新書」執筆に奮闘するあたり(コミックス5-12巻くらい)が特に好きです。これを読むと、本当にオランダから多々の恩恵をこうむっていたことが分かります。鎖国の中で細々ながらも海外の知識を得た人たちが、少しずつ醸成した知識や技術を後身にバトンタッチしていたのです。そのおかげで、幕末の突然の開国のドタバタもなんとか凌げることができたんだなあ、と。この辺については「風雲児たち」を読むとよく理解できます。

そんなこんなで、日本とオランダとの関係は深かったわけです。でもその割に、今は結構忘れられてるのかもなあ、と。私自身、今回の件で久しぶりにそこに思い至ったわけです。インドネシアとの関係もそうですけど、知らないというのはアカンよな、と。そもそもの話ですがそう思ったのですね。

そもそもは装甲車がきっかけだったんですけど、なんか変なところに来ちゃいましたね。すいません。まあでも、趣味の面白いところはこういうとこにあるんじゃないかな、とも思います。ある一つの興味が、次、次と繋がっていく醍醐味、といいますか。だからといって私も今すぐインドネシアやオランダの本を読んで研究を始めるわけではないのですが、それでも興味の取っ掛かりとして自分の中に「フック」ができたことはよかったな、と思います。なんじゃそら、ですかもですが、それがあるとないとでは大違い、じゃないかと。

なので、今回の一連のエントリーも、どなたかが読んで、もし何かに興味を持ってあれこれ読んだり調べたりすることになってくれたらほんと嬉しいなあと思います。きっかけの大事さって、そういうことだと思います。

というわけで、お終いです。長かったですね(笑)このテーマについては一旦これで〆させてもらいます。もし何か進展があればUPしたいと思います。

で、何度も書きますけど、そもそもはブラート襲撃車がカッコいいなあ、というところからだったんですね。っていうか私は究極的にはこのブラート襲撃車のプラモがあったらそれでいーんですけどね(笑)そういう思いで作ったのがこのイラスト、というわけです。

タ●ヤさんからMMで出たら嬉しいんですけどねえ、、。まあ、絶対無理か(笑)

最後に、情報をいろいろと提供して下さったシッポナ氏と、忙しいなかアレコレと調査して下さったW氏に重ね重ねお礼申し上げます。ありがとうございました!

それでは。

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ブラート襲撃車について(その2)

2022年02月27日 | 模型の話題
というわけでブラート襲撃車の話の続きです。

前回までのあらすじ
蘭印軍が使用していた装甲車に魅せられた森男は、その絵を描こうとする。んが、その車両の名前「Braat overvalwagen」の意味がよく分からない。幸い、オランダ在住の後輩W氏がいたので、その辺を問い合わせることに。すると、あれこれ興味深い内容があることがわかってきた、、。詳しくは前回のエントリーをご覧下さい。

というわけで続きです。まず「overvalwagen(オーバーファルワーヘン)」の意味からでしたね。W氏によりますと、overvalはやはり英語ではraidやattackの意味だそう。wagenはご存知の通りcar、ですね。要するに、アサルトカーでいいわけです。翻訳としてはブラート突撃車、攻撃車が妥当なところでしょう。

ところが独語や蘭語は単語をつなげると独立した単語になることがあるようで「overval wagen」と「overvalwagen」ではまた違う意味になるとのこと。「?」ですが、でもわからないでもない。どの言語にもあることかもです。

日本語では「新幹線」が分かりやすいかも。「新」と「幹線」は別の単語です。それぞれ「新人」「幹線道路」などといった別の単語と組み合わすことでいろいろな意味を持ちます。しかしこの2つを組み合わせた「新幹線」という単語は、あの列車しか連想しないし、事実上固有名詞です。そういうこと、、じゃないかな、と(すいません今思いついて適当に書きました)。

で、W氏が「overvalwagen」で調べると、3つの意味が出てきたそうです。在蘭歴の長い同氏ですが、この単語を調べるのは初めてだったとか。W氏はミリタリーマニアでもなんでもないカタギですからね。まあ、そうでしょうね、、。

その意味は以下の通り。
1)「警察官のグループが迅速に現場に向かうための車両」
2)「多数の被拘束者の輸送に使用する車両」
3)「強盗で使用される車両」

1)は屋根のないトラックっぽい車両にわさっと警官が乗り込んでる画像が出てきたと。銭形突撃隊のCMPみたいな感じだそうです。
2)はトラックの荷台に拘束者を複数乗せてるようなイメージ。フーリガンや暴動などで大量に出た拘束者を載せるバスっぽい車両も該当するそうな。
3)犯罪者が強盗に向かうに当たって、仲間とギュウギュウになった自分たちの車を揶揄して表現するような単語、いわゆるスラングの類のようです。

というわけで、大枠では「警察が使う人員輸送車」みたいな意味があるようです。意味として近いのは1)っぽいですね。

3)は要するにそういう車両があることが前提としてのスラング、ということでしょう。なので、前回書いた翻訳サイトの「強盗車」というのはある意味で正しかった、ということです。うーん、ディープ●、侮れんな、、(褒めるなら伏字にするなよ)。

それはそれとして、どうも語彙的に軍用車というより警察車両のようなテイストがある気がします。でもoverval単独の意味として攻撃・突撃などの意味があるのならば、その辺も加味したい。そもそも、ですが蘭印軍(KNIL)にはどうも警察軍のような性格を持っていたようです。植民地軍ですから、その任務は外国の侵攻に備えるだけでなく、国内の治安維持もあったでしょう(むしろこっちが重要なのかも)。この辺は資料に乏しくてなんとも、なのですが。

というわけで警察軍、として考えると警察で使う名称を冠してもおかしくはないわけです。逆に、軍用車のような名称だと変になるかな?とも。

そこで「ブラート襲撃車」という呼称を考えてみました。襲撃なら、攻撃よりは穏健な表現ですし、警察車両的なニュアンスがあったとしても妥当な線かな?と。そして私が単純に九九式襲撃機が好きだという(笑)

そこでシッポナさんにこれまでの経緯込みで相談してみました。快く賛同してくれました。

というわけで、2人の談合の末、めでたく「ブラート襲撃車」と決定したのでした。要するに勝手に命名しちゃったわけです(笑)

しかし、こういうのってほんと大事だと思うんですよ。とりあえずでも、まず誰かが日本語表記しないと、ずっと「Braat overvalwagen」のままですし、それではいつまでも日本では浸透しない(いや、浸透しなくても別にいいっちゃいいんですが)。

でも、魅力的な車両なのでもっと知って欲しい!のですね。なので先陣をきってあえて命名しちゃったわけです。後日、どなたか専門家の方が妥当な訳を当てはめてそれが一般化しても全然別にいいわけですからね。先週も書きましたが何よりもまず、自分の中できちんとすっきりする形で心の中に収めたかった、というのが大事なので。

うーん、それにしても「ブラート襲撃車」ってなかなかイイ感じの名称だと思いますけどね。鹵獲した日本軍がいかにもそう呼んでそうでもありますし(笑)

というわけで一件落着、、、、と思いきや、まだ宿題は残っていたのでした。

ブラートの装甲車は、実は何種類かありまして、しかもそれぞれ形が違う上に名前も別です。
こちらが「Braat stadswacht overvalwagen」

装甲の面構成や車体長など、完全に別の車両です。そのためか名前も変わっています。ベースとなったトラックも、キャブオーバー型じゃなくてボンネット型でしょうね。

これはブラート襲撃車の対空型、と呼ばれているものです。

飛行場などの防空用車両のようです。中央の機銃はブローニングM2の水冷型。水冷型は米海軍などが艦艇用に装備していたものです。周囲のはビッカースです。

防空用ならM2のみでいいような気もするので、必ずしも防空専用、というのではなかったのかもしれませんね。車体の装甲板の面構成が似てますが、ホイールベースが少し長いです。また、前面下部に襲撃車には見られないスリット状の装甲グリルのようなものも見えます。なので、そんなこんなで別の車両と捉えていいようです。

しかし固有名称はないようで、ただ「Braat overvalwagen」の対空型、となっているようです。

さて、「Braat stadswacht overvalwagen」です。

「stadswacht」 という新たな単語が出てきました。これまたW氏に問い合わせます。ここまでに何度もW氏とやりとりしてて、ほんと迷惑極まりなく申し訳なかったのですが、いきがかり上仕方がないのでW氏もあきらめてくれたようです。人をタダ働きさせるコツは「いきがかり上という土俵に持ち込んで巻き込む」、という点です(ほんと嫌な先輩だな!!)

これくらいの時点で、W氏は森男機関の在蘭諜報員W、に勝手に任命されました。森男機関とは「誰やお前?的な機関長の超個人的な興味本位の物事を適当にかいつまんで調べ、確たる根拠のないあやふやな情報を、さも真実のように誰も読まないブログにUPし、グーグル検索に引っ掛かりもしないのに世界中に撒き散らした気になって悦に入るのを目的とする」という非常に恐ろしい組織なのです。

さて、それはそれとして「stadswacht」です。英語サイトではcity guard と訳されています。W氏もこの置換は妥当だとのこと。要するに「市内(ないしは都市)警護車」のような意味になります。日本語だと「スタッツワフト」と表記するのが妥当なそうです。

この単語には、市内警備の補助(駐禁取り締まり、パトロールなど警察の下請け的な位置)というニュアンスもあるようです。

さらに、ウィキのstadswachtの項目には1980年代のオランダ、ベルギーでは地方自治体の監督者、執行者という意味で使われ出しているようです。でもこれは比較的新しい例です。

W氏は「じゃあこれ以前はどうだったのか?」と調べると、中世の街の警護っぽい意味合いで使われていた例がベルギーであったとか。

そもそもwachtには英語でいうところのgaurdの意味が含まれている。「場所など何かを守る人」というニュアンスがある。レンブラントのあの名画「夜警」はオランダ語では「De Nachtwacht」だそうです 。なるほど、、。

なので「これらの車両が作られた当時の人には、stads+ wachtと聞けば脳内にはなんとなくレンブラントの夜警的な、ああいう集団がイメージされたのでは」「1914年の刊行された本に兵隊言葉で、警備員的な意味で使われていたらしい」(W氏の報告より)うん、いいぞいいぞ諜報員W!

以上の報告から、改めて写真を見てみると、確かに軍用車というよりは重装甲の警察車両、というのがぴったり来る気がします。固定武装もないし、恐らく天井は開いているでしょう。日本の警察の装甲車がありましたけど(あさま山荘で使われたやつ)、あれに似たオーラがあるようなないような、、。結局、先に書いたように、警察軍のようなイメージがついてまわるんですよね。

で、まあなんであれこれらの調査結果をシッポナさんに報告。また談合タイム(笑)

以上の経緯を鑑み、シッポナさんはこの車両に関しては、overvalの訳を「襲撃」から軍・警察が共に用いる「遊撃」に訳し直し、「遊撃警戒車」という呼称を提案。いやそれはメチャカッチョいい!ということで満場一致で「遊撃警戒車(遊警車)」に決定。

というわけで、こちらもやっと名前が決まったのでした。

言葉というのは、身近で何気なく使っているものですが、よくよく考えると不思議なもので、単語一つとっても改めて見直してみるといろいろな気付きがあります。最初にあげた「新幹線」もそうですが、バラバラにすると普通の単語なんですけど、組み合わせると一つの意味にしかならない。そしてそれは単に言葉という括りだけではなく、その言葉を使う国の歴史の流れの中で意味が付与されていく(こともある)。面白いですよね。

つまり言葉って、勝手に突然ポンと産まれるものではなく、政治や経済、文化、自然などなど人間の関わる、あらゆる環境や状況によって徐々に形作られていくわけです。それは外国でも同じことで、先につらつら書いたように、いろいろな物事を経て「もの」に「名前」が付いていく。そういうのを出来るだけきちんと把握したいなあと思っています。なので、こういう風にこだわっているわけです。

でも、今回実は私は何もやってないんですけどね(笑)お気づきでしたか。ワハハ。

で、諜報員Wの報告はそれ以後も続き、そもそもは装甲車の名称を調べるはずだったの話がさらに膨らんでいきます、、、って、まだ続くのかよ!

でもまあいきがかり上しかたないと思って(笑)よろしければもうちょっとお付き合い下さい。

写真はシッポナさんから頂戴したものです。シッポナさんからは資料提供含め、多々示唆を頂きました。W氏には翻訳作業などいろいろと協力して頂きました。両氏に改めてお礼申し上げます。


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ブラート襲撃車について(その1)

2022年02月13日 | 模型の話題
今回はブラート襲撃車について書きたいと思います。
いきなりなんのこっちゃ、ですね。これは第二次大戦の開戦時、インドネシアを植民地にしていたオランダの軍隊、蘭印軍が装備していた装甲車です。

蘭印軍は、本国のオランダ軍とは別の独立した組織だったようです。いわゆる植民地軍ですね。正式な呼称は王立オランダ領東インド陸軍(原語ではKoninklijk Nederlands Indisch Leger・略称KNIL )といいます。

オランダ軍と別組織であり、本国から遠く離れた土地ということもあってか、車両はじめ大砲や銃器など兵器についても独自に調達・装備していたようです(もちろん重複しているのもある、、と思う)。

この装甲車も蘭印軍が独自に装備していたもので現地で設計・製造されたものです。生産数は極少数のようなのですが(25台程度)、その仕様など含めはっきりしたことは分かりません。

ただ、写真などはそれなりに残っており、いくつか目にすることができます。名前は「Braat overvalwagen」といいます。
あ、見たことある、という方もおられるのでは。

見ての通り、とても個性的な姿でカエルみたいです。可愛いかつカッコイイ装甲車です。
※2022年5月5日追記
この擱座した襲撃車の写真の提供者から連絡を頂きました。この写真は静岡連隊(歩兵第230連隊)従軍カメラマン柳田芙美緒氏撮影によるものです。提供者は日向昭了氏です。キャプションをつけることで継続して掲載する許可を頂きました。この場をお借りしてお礼申し上げます。ネット上の写真を無断で使用することは一般的に行われていますが、厳密にはアウトな行為です。過去の写真ということで当方の判断が非常に甘かったと反省しております。日向氏には心からお詫び申し上げます。

エンジンや足回り、シャーシはシボレーの1939年式のCOEトラック(キャブオーバーエンジン式・操縦席がエンジンの上部にあるタイプ。今のトラックと同様の構造)をそのまま流用しており、上部の装甲部を新規に製造したものです。

装甲は最厚部で20ミリ。その他は12ー6ミリ。結構な厚さです。日本の九五式軽戦車の最厚部が12ミリですからね。武装はビッカース7.7ミリ機銃1丁。これは写真を見る限り航空用の空冷型のようです。

乗員は2名(ドライバーとガンナー)で、12人の歩兵を搭載でき、路上で時速90キロで走ることができます。

というわけで、結構な性能の装甲車だったようです。これらのスペックは海外のサイトから引用したものです。どのくらい確度のある情報なのかは判然としないのですが、、。ここを参考にしました。かなり詳しく書かれています。リンクしていいのかよくわかんないので、アドレスだけ貼っときます。
https://tanks-encyclopedia.com/ww2/Netherlands/Braat_Overvalwagen.php

この車両は日本軍との戦闘後も可動状態で鹵獲されたようで、日本軍も鹵獲使用していました。
日の丸がカッチョいいですね。兵士たちの「勝ったぞー!」という喜びが伝わってくるいい写真です。
※2022年5月5日追記
この写真も日向氏が入手されたものです。先の写真同様、静岡連隊(歩兵第230連隊)従軍カメラマン柳田芙美緒氏撮影によるものです。提供者は同じく日向昭了氏です。キャプションをつけることで継続して掲載する許可を頂きました。

この写真を元に描いたのが最初のイラストなんですね。これらの写真はツイッターでシッポナさんがUPしているものをお借りしました。

私は子供の頃からあれこれ戦争関係の本を読んでいました。その中でチラッとこの装甲車を見たことがあります。多分、マレー戦の日本軍戦車部隊の活躍を紹介した本だったような。その写真の中に写ってたんですね。「変な装甲車だなあ」くらいに思ってそのまま忘れてました。

で、前述のシッポナさんは日本の空中挺進部隊(空挺部隊)の研究をされている方で、あれこれとその成果(非常に濃い)をツイッターやブログで発表されています。その流れもあってこの装甲車も研究対象となっており、これらの写真を発掘されてあれこれUPされていました。それを見て「あ、これだったんだ」と思い出したわけです。で、改めて見ると凄く魅力的な車両であることに気付きました。

で、絵を描きたくなって最初の絵ができたわけです。

しかし、絵を描くに当たってまず気になることがありました。
「Braat overvalwagen」
という名称の意味が分からない。なんと読むのかも分からない。
絵に描くなら名前なんて関係ない、と思われるかもですがこういうの気になるんですね私。まず名前がはっきりしないとなんか気持ちが入らないのです(いっちょまえの絵描き気分だな)。

まず当然これはオランダ語であろうと。先のサイトでは「Braat assault vehicles 」と訳されています。Braatは恐らくメーカーなどの固有名詞なんだろうな、と。アサルトビークル、なので直訳で突撃車輌、つまり装甲車、みたいな意味なのでしょう。オランダ語で翻訳サイトで訳してみたのですが「ブラット強奪車」「強盗車」というなんとも剣呑な結果に。強盗車って(笑)

というわけで私の能力的に調査の限界にきてしまいました(早いな!)

そこで、オランダ在住のW氏に聞いてみることにしました。W氏は学生時代の後輩で、いろいろ経て経てオランダに住んでます。在蘭歴は10年以上(20年近い?)で当然オランダ語ができます。

W氏は多忙なので、こういう特に急ぎでもないどーでもいー用件(しかも無償)を依頼するのは大変非常に心苦しかったのですが、すぐ先輩風を吹かしまくる私のような嫌な先輩を持ったのが運の尽き。私は涼しい顔で当然のように問い合わせます。W氏は嫌な顔ひとつせず(メールだから顔見えんしな)すぐ調べてくれました。

Braatはやはりメーカーの名前でした。日本語ではブラートという表記が適当なようです。正式名はMachinefabriek Braat N.V. (ブラート機械工場)。当時ジャワ島のスラバヤにあり、オランダ人ブラート氏が1901年に設立した企業でした。鉄橋建設、石油産業や海運向けの機械を製造。第二次世界大戦中は防衛関係のインフラに貢献したとのこと。オランダ語のウィキに項目があるようですが、読めない、、。

 で、overvalwagenは「オーバーファルワーヘン」と表記するのが適当なようです。ワーゲン、じゃなくてワーヘンなのが面白いですね。

で、その意味なのですが、、、とここまでで結構長くなってしまいました。その後の経緯を考えると1回で済まそうとするとメチャ長くなりそうな予感が、、。なので今回はここまでにしたいと思います。

気を持たせんじゃねーよ、って感じですけど、ご了承ください。その後の展開もいろいろ面白く興味深い感じになりまして、1回じゃもったいないんですよ(笑)



というわけでまた。

この件に関して、シッポナ氏とW氏には多々情報を頂きました。この場をお借りしてお礼申し上げます。


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ドイツのトラクターの作例がホビージャパン誌に掲載されました&トラクターのキットの話

2022年01月30日 | 模型の話題
1月25日発売の「月刊ホビージャパン3月号」に模型のお仕事が載りました。お題はミニアート1/35「ドイツ トラクター D8506」です。

こちらが誌面。カラー3Pで大きく素敵な写真で紹介してくださってます。興味のある方はぜひご覧下さい。

私はトラクターはとても好きで、かつファンであるミニアートのキットなので頑張りました。トラクターって、実用車なので基本理詰めで作られるとは思うのですが、それにしてもこの可愛らしさは何?という(笑)なんとなくカマドウマみたいな感じでとても素敵な車両です。なので、塗装も昆虫っぽい(?)感じにしてみました。

 こちらが表紙です。桜のガンダムにおおっ!となります。カッコイイ!!奥の甲冑風ザクも素敵、、。

巻頭特集は「模型の新表現 和の美で究める粋塗装」と題して、和風な塗装をガンプラに施すという企画。こういうのほんと好きです。日本画用の絵具で塗装したり、金箔を使ったりするなど、ぶっ飛んだ作例ばかりでびっくりです。実に興味深くかつ面白いのでこちらもぜひ見てみてください。

私は常々、模型って自由に好きに作れるのがいいなあと思っています。なのでこの特集はそういう気持ちを一部具現化してくれた内容なので、実に嬉しかったです。

で、記事にも書いたのですがトラクターはじめブルドーザーなどのアイテムは昔(2-30年くらい前)はAFV界の中でもマイナー中のマイナーで、もちろんインジェクションキットなんてまあありませんでした(と思う)。でも、レジンキットではちょこちょこリリースされてまして、可能な限り頑張って入手してました。これらがそれ。
レジンキットなので値段は結構お高く、ほいほいと買えるものでもなく悩みながら買ってましたねえ、、。

こちらはプラスモデル(チェコ)のブルドッグ。今回の作例のと同じメーカーですね。よく見ると車体構成が似ています。
とてもよくできていて、いつか作ろうと思っています。けど下手したらこれもミニアートがキットにするかもしれんな、、、。カッチョかわいいしな、、。

こちらはヴェスペモデル(ルーマニア)のスターリネッツS2。これは買ったものじゃなくて、模型クラブの先輩から頂いたもの。
キャブオーバー型のトラクターで、実に素敵です。

キャブの一体成型のレジンパーツを見ていると、ほんといつかキッチリ作ってみたい、あげたい、と思いますねほんと、、。これ抜くの大変ですよほんと、、。
レジンキットって、こういう作り手の「頑張り」が見えてくるからいいんですよね。

これもヴェスペモデルのレジンキット、スターリネッツS65です。これは完成させました。20年くらい前の作品。日本で第二の人生をおくっているという無理な設定。
当時レジンキットでもこういうのが出てくれるだけでも有難かったんですよね。箱をみたら11900円(!)でした、、。よく買ったなあと思いますが当時のマイナーアイテムへの飢餓感は半端なかったですからね、、。まさかこれが今インジェクションででるとは思いもしなかったです。いい時代になりました。

無茶な設定ですけど昔からこういうシチュエーション好きなんですよ、、。キットはちょっと大雑把でしたがちゃんと詰めれば問題ないキットだったです。手を入れる余地がある楽しさってそれはそれでいいですよね。
箱を見て「えっ!そうだったの?」と思ったのはヴェスペモデルってルーマニアのメーカーだったんですね。ルーマニアの人が一生懸命作ったんだなあと思うとしみじみしますねえ、、。

地面のガラクタなどは適当なジャンクパーツをちりばめてます。
昔の作品なので詰めが甘いですけど、今も詰めは甘いので同じですね(コラコラ)。

トラクターのキット、もっと出て欲しいですねほんと。でもその前にさっきのレジンキット、どれもちゃんと作らなきゃだわ、ですねえ、、。それにしても現在、軍用に限らず農業や建設用などいろんな業界の働く車がキットになってるのは実に嬉しいですね。昔のことを思うと感無量、です。

それでは今回はこの辺で。ホビージャパン誌、ほんと見てみてくださいね。




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月刊アーマーモデリングにジオラマが載りました。

2021年07月18日 | 模型の話題
先週発売された月刊アーマーモデリング8月号に、私の作ったジオラマが掲載されてます。「1985年ごろ、もしソ連軍が日本に侵攻してきたら、、」というIF設定のものです。全力で作ったので、誌面をぜひご覧になってみて下さい。※上の写真は私が撮ったもので、誌面には載っていません。

表紙がこちら。元陸自隊員のタレント、かざりさんがビッシィ!と決めてくれてます。
周囲のモデルガンは気にしないで下さい。献本が届いてテンションが上がってつい置いてしまったのです(笑)

私のジオラマには、7ページも割いてくださっています。写真は、なんとスケールアヴィエーションの石塚編集長が撮影して下さいました。

最初、見本として写真を拝見した時あまりに凄くて絶句しました(いや、ほんと)。いつかジオラマの現物を見た人に「写真と違うじゃん!」って思われるかも、レベル。誌面をご覧になったらよくわかると思います。また、最後のページの編集部による作品評の文章もグッときました。私の気持ちをとてもよく汲んでくださってて嬉しかったです。そんなこんなでぜひ見て欲しいですね。また、製作は1年半以上かかった(もちろん、ずっとかかりきりだったわけじゃないんですけど)のですが、その間、担当として本誌アドバイザーの吉岡和哉氏がさまざまな助言や提言をして下さいました。これはほんとに貴重な経験・勉強になりました。この場を借り心よりお礼申し上げます。

さてこの号は、私のを含めた陸上自衛隊特集となってまして「RIKUJI IN ACTION!」と銘打っていろんな陸自車両のキットが紹介されてます。かなり気合の入った内容で、拙作に関係なくお勧めです。
目次を見ても、その濃さがよくお分かりになるのでは。

ジオラマでは、61式は建物に半分隠れてまして、誌面に写ってなかった車体前部はこんな感じです。まあ、要するに「いつもの」ですね(笑)
砲身のキルマークは、ご存知小林源文先生の「バトルオーバー北海道」からです。「一度やってみたかったんです」(笑)。それにしても、ファインモールドの61式は傑作ですね。

機甲科のフィギュアはこれまたファインの傑作があり、それを元につくってます。しかし、メーカー問わず昭和期の普通科の自衛隊員のフィギュアのキットはないので、ほぼ自作してます。女性隊員(ってわかるかなあ?)は紙でコロコロのレジンフィギュアをちょっと改造して使おうとしたんですが、ぐりぐりやってるうちにどんどん手が加わって、結局胴体と足の一部分以外の、ヘッドや装備などほぼスクラッチになってしまいました。

戦車長ですが、61式といえば「戦国自衛隊」。戦国自衛隊といえば千葉先生。ということでヒゲに赤いマフラー、グリースガン(マガジンはテープで2本に。コッキングハンドルをわざわざ付けてM3にしてるのが我ながらゲーコマだ、、。)で決めてみました。でも、名札の姓は「大友」にしました(笑)

この61式やフィギュアなど、製作途中写真含め、個人的に紹介してもいいとのことなので(ありがたいことです)、また機会をみてこのブログでもUPしたいです。ただ、どれもちょっと手直ししたいのでいつになるかは未定です。

誌面のタイル製作法の説明で「床部分は作りなおした」とありましたが完成形が写ってなかったです。ゲラをちゃんと見ず書いた私のポカですね。すいません。完成形はこんな感じ。こういうタイル、ほんともうなくなっちゃいましたねえ、、。
タイルの製作方は誌面に載ってます。こういうの作るのほんと楽しいですねえ、、。このほか誌面では建物などストラクチャーの製作法を紹介してくれています。

今回、個人的にヒットだったのが象の滑り台。これも作ってて楽しかったです。
うう、かわゆい、、(自分で言うな)

資料にした本などはあれこれあるのですが、特に大事だったのがこれら。左上から「タミヤニュースVol205(1988)」「戦う自衛隊」(山下純二・立風書房)「BATTLE  OVER(バトルオーバー) 北海道」(小林源文・日本出版社)「陸自戦車をつくる!」(イカロス出版)です。
タミヤニュースは、当時61式に現役で乗っていた隊員の方が、荷物の積み方などを図入りで詳しく紹介されてて、メチャ参考になりました。「バトルオーバー」は言うまでもなく大傑作。世界観、雰囲気などずっと影響を受けてます。現在は、小林氏の個人ブランドで新装版が発売されてます。「戦う」は児童書ながら凄い内容で勉強になりました。「陸自戦車」には、元陸自1佐(機甲)の葛原和三氏が、61式の迷彩研究について多くの当時の写真入りで詳しく解説されており、実に貴重な資料となっています。その他、73式の実車写真もありかなり助かりました。

タミヤニュースは「いつかこういう61作ろう」と思って、この号だけ無くさないようずっと別にとってあったんですよ。なんちゅう気が長い話なんや、、。それにしても、この記事を書かれた隊員の方には感謝ですね。こういう情報はまあ出てこないですからねえ、、。

「陸自戦車をつくる!」には拙作も載ってます。ご覧の通り、今回同様のシチュエーションです。時代はちょっと戻って1950年代が舞台です。
イージーエイトはアスカ製です。私はこんな感じで、日本を舞台にしたIF設定のジオラマをずっと作ってます。ちょうどいいので(?)いくつか紹介してみます。以下含め、写真は全て私が撮ったものです。誌面には載ってません。

こちらは月刊ホビージャパン2017年11月号作例の、60式自走無反動砲(ファインモールド)のビネット。
お気づきでしょうけど、今回のとちょっとかぶってます。っていうかアイデアの流用が多い(笑)。まあでも、これを作って「次はああしようこうしよう」と思うようになったんですね。

さらに時代が戻って、こちらは太平洋戦争での日本本土決戦。三式中戦車長砲身型(ファインモールド)です。ホビージャパン2010年6月号作例。

これはブログで単独エントリーとして紹介してますので、よろしければご覧下さい(最後に貼ってるインデックス内にあります)。

最後です。これも日本本土決戦。月刊アーマーモデリング2015年4月号掲載。時代は違いますが、今回はこれを作るときに培ったノウハウを生かしつつ、当時できなかったことをあれコレやってみたんです。なんというか、自分の中では姉妹編みたいな感じです。
これ作る時、死ぬかと思ったんですけど(笑)、今回も死ぬかと思ったので(笑)そういう意味でもよく似ています。

以上の作品はどれも書籍に載ってますので、よかったらバックナンバーをご覧になってみて下さい。これらだけじゃなくて、他にもいくつか作ってます。単独の作品紹介としてUPしてないのも多々あって、またそのうち紹介したいです。

で、最後にひとこと。誤解されると困るのですが私は別に「日本がこうなってほしい」とか思ってこういうのを作っているわけではありません。念の為。そういう剣呑な思想とは全然違う、あれこれを自分なりに考えながら作っています。もし、そういう自分の想いが何か少しでも伝わったらいいなあ、と思いながらやってます。

でも、なんでもそうなんでしょうけど、モノを通じて、それを作った人の気持ちを受け手の人に届かせるということはメチャクチャ難しいことだと思います。そういうものがいつか作れるように頑張っていきたいなあ、と。

というわけでお終いです。ほんとにぜひ誌面をご覧になって下さい。っていうか買ってください!(ぶっちゃけたな)。そして、感想などあれば送っていただけると嬉しいです。あ、批判するときは言葉を選んで、お手柔らかにお願いします。っていうかそういうのは送らないで下さい(笑)

メアドはmorinomorio1945(アットマーク)gmail.comです。ツイッター、FBも「松本森男」でやってますので、コメントしてくれるのも嬉しいです。

それでは。最後に関連リンクはっておきます。興味がありましたら覗いてみてください。

AFV作品のインデックス内に、今回の三式長砲身などの作品紹介を載せています。

「戦う自衛隊」「バトルオーバー北海道」についてはこちらで紹介してます。

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森男のエポパテ万歳!

2021年07月04日 | 模型の話題
というわけで、復活しました。長期間お休みして申し訳ありませんでした。なんとか通常状態に復帰することができました。

今回は、エポパテの私の使い方をいくつか紹介したいと思います。使用法は模型誌などで多々紹介されてますけど、多分人それぞれがちょっとずつアレンジしてるんじゃないかな、と。私の場合はどんな感じなのかを今回少し紹介してみよう、という趣旨なわけです。

エポパテというと、キットの隙間を埋める、フィギュアや小物の造型をする、などの用途が一般的です。このほか、薄い布状のものの表現にもよく使われてますね。今回はその布表現の私のやり方を紹介してみます。

使うエポパテはタミヤの速硬化タイプ。上の写真のですね。このパテはほんと使いやすいです。硬化前の柔らかさは絶妙で、かつ硬化後の硬さもちょうどよく、削りやすいです。私はこれしか使ってないです。また、いつでもどこでも手に入る、というのも最高ですね。消耗品って、こういう点もとても大事です。いくら凄い素材でもいざという時入手難だったりすると、困りますからねえ。でも、このパテは間違いなく手に入ります。しかも安い!貧乏かつ補給をあてにしない(できない)日本軍モデラー必携であります(笑)

さてそれでは本題です。まず、練ったエポパテを筆の柄などで薄く延ばします。土台は100均の麺棒のケース。丸いので延ばす時ぐるっと回しやすいんですね。スチロールプラや金属缶だと、剥がしにくいのでポリエチレンなどの素材がよいです。
このとき、ケースにはメンソレータムをあらかじめ塗っておきます。メンタムは離型剤の役割です。塗ってないと、パテをはがすときケースに張りつきやすくなります。あ、もちろんパテを練る時もメンタムを練り込んどきます。メンタムでなくてもいいんですけど、これまた入手しやすさなどから私はずっとこれです。目安はベタベタしない程度、ですね。

柄をグルグルと回していくと、パテはどんどん薄くなります。
この写真のように、向うが透けるくらいです。透かしてみて、光の透過具合で伸ばしムラがないかどうか確認します。この写真だとまだちょっといまいちですね。こういう確認のために、透明の土台がいいわけです。

練った直後のパテはベトベトなので、少し置いて硬化し始めるのを待ちます。1時間から2時間の間くらいです。この時間は、パテの白と黄色の混合比などによって差があるようなのであくまで目安です。この辺はもう経験を重ねて「これくらいならOK」な状態を各自でつかむしかないですね。

で、「OKな感じ」になったらカッターで必要分を切り出します。
このタイミングですと、パテは完全硬化しておらずへにゃへにゃです。でも、切り出した形の状態は維持していますし、はがしても伸びたりしません。でも、時間がちょっと早いと伸びてしまったり、やぶれたりします。この辺の按配が難しいところ。

で、これを、例えば戦車の上に乗っけるわけです。

乗っけてから、ピンセットや楊枝などでグネグネまげたりして布が折れたような感じにしていきます。
先にも書きましたが、この辺の按配はもう何度も何度もやってみるしかありません。でも、何度かやってみたら大体はコツをつかめるんじゃないかと思います。実際、そんな難しいことじゃないです。

硬化時間によっては、ピンセットで端をちみきって(方言。つまみ切る、の意)ちぎれたり破れたりした表現も簡単にできます。
布表現としては、エポパテは一番効果的な手法じゃないかと思います。簡単に布っぽいものができるので、やってて楽しいです。で、練るのにメンタムを使ってるので、塗装する際は脱脂しないとアカンらしいです。

しかし、私はそのまま塗装(ラッカー)しちゃってます。でもこれまでそのせいで塗装がはがれたりして難儀した記憶はありません。しかし私は細かいことは気にしない山賊モデラーでもあるので、そのまま信用しない方がいいかもです。ちょっと剥がれやすいけど気付いていない可能性もあります(山賊なので)。この辺は、皆さんの方で各自把握してみてください。

さて、エポパテの特性の一つに「硬化前後で形状が変わらない」というものがあります。要するに、固まる前の形を維持する、ということです。

その特性を、布表現でも利用してみましょう(お、なんか教育番組みたい(笑))

考え方としては、何らかの型状のものになじませれば、硬化後その形状にならったものが出来るわけです。このように、型を板鉛で波状にして、硬化前のパテシートを載せると、自重ではんなりと勝手に板鉛の形状になってくれます。
馴染みが悪いところがあれば、爪楊枝などで調整します。この状態で置いといて硬化したら、はためいているような布ができるわけです。もちろん、板鉛にもメンタムを塗っておきます。

で、これを見て「いや、じゃあ板鉛でもこういう布表現できるじゃん。エポパテで作る意味ないじゃん!」というヤカラがいるかもです。「じゃんじゃんうるせぇよ、お前」ですが、その通り(笑) 板鉛は板鉛でそういう表現に向いてます。

しかし、板鉛は凄く柔らかく、ちょっと触れるだけで変形します。塗装はできますが、はがれやすいです。瞬着で接着はできますが、これまたはがれやすいです。そして、普通手に入る釣り用のものだと幅が狭くて、旗など大きい布の表現は難しいです(継ぎ足せばできるでしょうけど、メンドクサすぎる、、)。

エポパテだと、上記の板鉛の欠点がありません。もちろん強度はないので、手でパリパリと折れます。でも、板鉛ほどの弱さはないです。同条件のレジンくらいの感じですので、模型用としては問題ないです。

また、結構限界まで薄くすることもできます。この写真くらいだと、多分板鉛の厚みの半分くらいじゃないかな、と。
でも薄くしすぎて、貼り付けるときに気泡が入り込んで追い出すのに苦労しました(笑)

まあ、板鉛ももちろん使いやすい素材ですので、作るものに応じて使い分ければいいんじゃないかと思います。

硬化後、板鉛の型から外したのがこれ。外す時割れることもありますので、慎重に。型が板鉛の場合は板鉛のほうをグネグネ曲げられますので、はがすのは簡単です。
先に書いたとおり、それぞれ板鉛の形状をコピーできています。

薄さもこんな感じ。計ると、左が0.2、右が0.1ミリくらいでした。右の一番薄いところだと0.05ミリくらい。かなり薄いですね。
布の厚みは、もちろん種類によって違いますけど、厚めの帆布で実物は1ミリ程度。それが1/35になると、えーと、えーと、(電卓叩く)、0.02ミリ。0.02ミリですよ!!オカモトかよ!という。例えば旗とかを表現するには0.1ミリでも厚いくらい(現物だと3.5ミリ。これは電卓なしですぐ計算できたゾ!)なんですよね。3.5ミリだと、トラックの幌でも厚いくらいかもですよね。

とはいえ、正確な縮尺が正解かというとそうじゃなくて、私は詰まるところは「模型はそれっぽさ」だと思ってます。スクラッチあるあるですが、正確に縮尺すると、小さいものはほんとに小さくなっちゃってわけ分からんごたるになることが多いです。例えば鉛筆とか、ほんとに正確に縮小すると、鉛筆に見えなくなっちゃうんですよ。8角形の鉛筆の実物は直径7ミリですが、35だと0.2ミリですからね。正確に再現したらただの「線」です。鉛筆を表現しようとして先が尖ってたりするような造型をしたとしても、肉眼ではほぼわからない。

今は、カメラの性能がもの凄くて、かなり小さいものでも細かく撮影できるようになってます。なので、正確なスケールで作って、写真で撮って「ここまで細かく再現!」ということをアピるのを念頭に置くことも当然アリです。

しかし、模型って実は展示会などで現物を生で見てもらうことも多いし、私はどっちかというとそっちを念頭に置いて作ってます。これは個人的な考えなんですけど、やっぱ現物を観る人の目線でつくりたいなあ、と。そもそも作ってるときも自分の目で見てるわけですからね。そのつもりで作った鉛筆が、正確な縮尺だとお土産屋の鈴とかが付いてる特大鉛筆(ありましたよね(笑))だったとしても、現物のジオラマを見た人がすぐ「あ、これ鉛筆だ」と気付いてもらえるようなものにしたいなあ、と。そういう風に考えてます。

でもこれもケースバイケースで、例えば手に持つ拳銃とかはきちんとした縮尺で作ったほうがいいし、でも小型拳銃だとちょっと大きめの方がいいのかな?とか結局は作り手の好みとかさじ加減なんですよね。難しいところです。

あ、話がずれちゃった。すいません。

布の応用として、銃のスリングもエポパテで作るとイイ感じです。
先の、麺棒ケースに延ばした状態で帯状に切り取って、銃に貼り付けます。これまた、自重でダラーンとなりますのでその特性を利用してやるとイイ感じになります。金具の類は、スリングが硬化したあとで、付け足すように造型するとやりやすいです。

これまた、先の応用で硬化前に形を決めることもできます。こんな風に土嚢的なものの上に据えた状態にしたい場合、硬化前にその上に置いておくとその形状になってくれます。
布同様、これらも板鉛でも作れます。場合によっては板鉛の方がいい場合も多々ありますね。まあこれも要はケースバイケース、ですね。ちなみにスリング取り付け位置や金具の形状は、今回のためにテキトーにやってるので正確かどうかわかりません。念のため。

布の応用として、もちろん布を使った衣服の再現も可能です。これは着物です。ホビージャパンのケヌの作例の、本土決戦ジオラマの小道具として作りました。
ここまでの流れで見ると、これまでの応用であることがお分かりになるかと。

これが造型が終わった状態。薄いパテを筒状にしたもので構成してます。これを、上の位置に置いてなじませるわけです。
硬化のころあいを見ながら、折ったり畳んだり皺をつけたりしていくのですが、そのタイミングを見極めるのがなかなか難しいです。しかも造型が可能な時間が決められたタイムアタックという。私はドランクモデラーでもありますので、こういう状態のまま忘れて寝ちゃって起きたら「パテカッチカチ」ということは多々あります。困ったものです、、。

というわけで私は日本軍&山賊&ドランクモデラーなんですね。山賊になった酔っ払いの日本兵が峠で獲物を待ちながら模型を作ってるわけです。ううむ、、、。ある意味幸せそうだけど、友達はひとりもいないんだろうな、、、。

閑話休題。なんであれ、頑張ったものがそれなりにできると嬉しいものです。しかしこの着物は久しぶりに見たのですが、今見るとちっと厳しい気もします。まあなんでもそうですけど、その時で全力を尽くすということは変わりませんので、次作る時はもっといいものができればいいなあ、と。
エポパテはほんといろんなものが作れる可能性のある素材なので、もっともっと追求してみたいなあと思ってます。

これはパテの話とはずれますけど、こういう原色系の小道具はジオラマの中でとても目を引きますので、意識的に配置するというのはとても効果的だな、と思います。
見る方の視線を誘導できる(はず)ので、ジオラマ全体の構成を決める際に、ある程度小道具の配置を考慮しておいてもいいかと思います。

おっと、また話がそれました。

最後におまけ。エポパテを練る時、白と黄色の混合比が気になる人も多いんじゃないでしょうか。私もずっと気になってたので実験してみました。
上が黄2、白1、下が黄1、白2です(もちろん通常は1:1)。念の為2回作りました。

結論から言うと、白2はカチカチに固まり、黄2は柔らかい感じです。しかし、ナイフは通りますので造形物としては多分成り立つレベル。なので、完全硬化させたい人は、こころもち白多め(1:1.2くらい?)で練るといいんじゃないかと。

どちらも硬化不良という感じではありません。なので硬化不良は混合比よりも練るのが足りないというのが原因だろうと思われます。この実験後、白を多めにして「いつもより多く練ってます」を心がけてますが、硬化後の不具合は一切ありません。

この辺、あくまで私の個人的な実験ではありますが、何らかの参照になれば幸いです。

というわけでお終いです。コツについてはアレコレ書きましたが、最後に大事なコツ、というか心構えを。それは「とにかく1回やってみる」「やってみてうまくいかなかったら何でダメだったのか考える」「2回目はそれを加味しながらやってみる」「それでダメならやめてもいいけど、ほんとにやってみたいことなら途中でやめない」ということですね。なんでもそうですが「やるとやらんは大違い」ですほんと、、。なんか偉そうですいませんが、自戒を込めて(わかってるけどまあいつも忘れる。ドランクなので、、)あえて書いてみました。

で、エポパテの造型はほんと面白いし、このほかにもいろいろやってますのでまた紹介したいなと思ってます。

それでは。

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森男の模型知恵袋

2020年12月12日 | 模型の話題
モデラーの方ならよくよくご存知でしょうが、模型・プラモデルを作るのは実に実に面倒くさくて鬱陶しいです。作ってる最中は「オレは何でこんなことやってるんだろ、、」と何百回も自問自答するという、とても変で困った趣味であります。

面倒臭いことが好きな人はまあいないと思います。もちろん、私も大嫌いです。しかし、プラモは好きだし作りたい(どないやねん)。なので、少しでもそういうネガティブな要素を減らせば、より模型を楽しく作ることができるのではないか?と考え、常々ちまちまと工夫しております。

今回はその工夫・アイデアをいくつか紹介したいと思います。もちろん、すでに誰かが考えて定番となってて「いまさら?」と思われることもあるかもです。まあでも、こういうのって知ってる人は知ってるし、知らない人は知らないものです(当たり前)。で、もしまだ知らない人がこれを読んで、ちょっとでもお役に立てれば嬉しいなあと思っております。というわけでスタート!

●ランナーに番号を張ると楽っすよ

昔と違って、最近のキットはとても精密になったのはいいのですが、それに比例してランナーの数も増えました。例えば戦車のフルインテリアキットとなるとかなりの枚数になります。組み立てながら、該当するランナーをいちいち探すのはほんとに大変です。

そこで、組み立て前に全部のランナーに印を付けると分かりやすいです。
これはミニアートのM3リーのフルインテリアキットのランナー。見ての通り「A」や「F」の一文字では処理しきれず「Dn」とか「Jc」とか2文字ランナーがてんこ盛りの「殺す気か!」キット(笑)

印は、自分がわかりやすければ何でもよいです。私はマスキングテープにマジックで記号を書いています。とはいえランナーを探す手間が一切なくなる、というわけではないのですが、見つけるまでの時間は確実に短くなります。それはとても大事です。完成までの両者の時間差はかなりのものになるんじゃないでしょうか。

また、探すという行為はストレスを感じるものですから、そういう時間が長くなればなるほどイライラは高まりますし、作る気持ちも段々萎えてきます。そういうマイナスな感情を少しでも減らす、というのは大事だと思います。

で、これはもうすでに定番となってますね。でもやったことのない人も多いのでは。ちょっとの手間ですがほんと楽ですよ。

●塗料の表を目の前に張っとくといいぞ

組み立て説明書の、各パーツの色指定をまとめて目の前に張っておくと便利です。これもM3リーのです。
メーカーによって異なりますが、特に海外メーカーのプラモは説明書の最初か最後に使用する塗料の表があって、組み立て説明の中では番号のみで記されてます。なので、組み立て中に各部の指定色を知りたければその表をいちいち見ないとアカンわけです。

各工程に進むたびに「②は何色だったっけ?⑥は?」と説明書をばさばさめくる、というのはほんとイライラしますよね。なので、こういう風に一まとめにしてすぐ見えるところに張っておくとよいわけです。

これも、先のランナーの目印と同じことですね。要は「『行って戻って』を繰り返すロスとストレス」を出来るだけ減らそう、ということです。ランナーの目印同様「こんなことすること自体面倒だ」と思われるかもですが、これらを最初にやっとくだけで、後々楽になりますよほんと。

●木工ボンド最強伝説

木工ボンドは、ほんといろいろな使い道があって重宝してます。ジオラマを作る場合なら特に、これがないと作れないほどですよね。

また、あちこちで書かれていることですが、案外プラと相性が良いです。エッチングなど金属パーツに対しても同様です。完全固定はできないのですが、逆にその点を逆手にとると利用範囲が広がります。

例えば透明パーツの固定には有効です。プラ用接着剤を使う場合、はみ出したりしたら一発でアウトですが、木工ボンドだと何度でもやり直しができます。やってみると分かるのですが、思ってるよりは強く張り付きます。「ほんとかな?」と思う人は一度試してみて下さい。

例えばこのM26A1の窓(透明プラ板)も木工ボンドで着けてます。キャビン本体はレジン、窓枠はエッチングなので、付けるとしたら瞬着かエポキシ系の接着剤くらいしかありません。どっちもはみ出したらアウトの一発勝負なので、男らしく木工ボンドでやってみました。

これ、もう15年くらい前の作品ですが、今でもちゃんと付いてます。要は、剥がそうとしたら剥がれるけど、剥がそうとしなければ剥がれないんですね(当たり前)。しかし、パーツの形状、接着面積などによっては使えたり使えなかったりしますし、少量だとすぐ剥がれることもあるので、いろいろトライしてその辺の按配を掴むのが大事ですね。

あと、この特性を利用して仮組みでも重宝してます。
とりあえず全体の形状を見たいときの仮組みにはとてもいいです。飛行機だと特に、操縦席など内部を完成させないと本体が組めないので、この方法は便利です。マスキングテープでもいいのですが、テープだとその色のせいで全体形が把握しずらく、かつ張ったり剥がしたりするのが面倒です。また、脚など小パーツの固定は無理です。木工ボンドだと、実際に接着したようなものが仮に作れるわけです。もちろん、仮接着時はテープなどで固定する必要があるし、乾燥までちょっと時間がかかりますが、速乾型だと案外すぐ付きます。

木工ボンドの一番いいのは、安くてどこでも売ってる、という点(笑)こういの、ほんと大事です。いくらいい道具や材料でも、高くて手に入れにくかったらそれだけでマイナスポイントになりますからね。「トータル」が大事だと思います。

●エコじゃないけどエコ(多分)

弁当用のおかず入れのアルミのアレ(カップとか皿とか、いろいろ呼ばれてます。正式名称はないのかな、、)を利用した塗料皿です。
塗料皿って、洗うのがとても面倒ですよね。塗料が乾燥しきってしまうと、なかなか落ちません。こういうのどうにかならんかなあ、と考えてて、絵画用の使い捨てパレットを見て思いつきました。

実にビンボ臭いのですが(笑)、これ以外と便利です。通常の塗料皿は、当たり前ですが洗浄用の溶剤が要りますし、もちろん洗う手間もかかります。これだと、溶剤も洗う手間もゼロ!捨てるだけです。

エコじゃないんですけど、でもまあちょっとのことですし、そもそも洗う溶剤が要らないという点ではエコでしょう(そうか?)

フィギュアや小物など、少量の多色を同時に塗るときは特に重宝します。仕切りが少ないので、隣の色と混ざりそうですけど、少量なら大丈夫です。もちろん、スミ入れなどシャバシャバの塗料を使う場合は使いにくいですけどね。とはいえ、スミ入れでもウォッシングでも基本単色なので、円の半分を全部使うつもりでやれば案外使えます。

これが下の台。適当な板で自作しました。縁と2分割用の出っ張りをつけてます。縁がないと塗料がこぼれます(当たり前)。
皿の下の台は、高さをつけるのと重りにするためです。ある程度重くないと、塗料を混ぜるときに皿が動くのでここ大事です。

アルミカップの大きさが基準となるので、丸型が面積をフルに活用できますが、面積内なら四角型にすることも可能です。左がそれ。
要するに、アルミがかぶされば何でもいいので例えばプリングルスの蓋とか身近な素材でいくらでも自作できます。自作だと、好みに応じて自由にカスタムできるのがいいですね。

もちろん、アルミホイルを切って使うのもOKと思います。でもそれだと事前に必要な大きさに切り出さないとアカンので、やる気がそがれてプラマイゼロかも(笑)

●すぐ出せるのでストレスレス

私はエポパテを多用するのですが、ご存知の通りエポパテはまず箱から出して、それぞれのパテを等量切って、練って、と実に鬱陶しい。もっとパパッとできんものか、と思って考えたのがこれ。エポパテケースです。
要は、この箱を開けたらすぐ取り出せるようにしているわけです。左はメンソレータム。練るときにこれを混ぜるとベタベタしないのはご存知ですね。パテのビニールは全部はがしてくるっと丸めてます。ビニールがなくても変質はしません。

こうすることで、蓋を開けて必要量をちょっとつまんで練ることができるわけです。「パテ使いたいけど、練るの面倒だなあ、、」と思って手が止まってしまうのを出来るだけ無くしたかったのですね。やってみると、想像以上にかなり気軽にパテを練ることができるようになりました。いやほんと。

箱は、100均で売ってたもの。形状材質に関係なく、蓋がすぐ開け閉めできるものなら何でもいいです。
蓋はとても大事です。パテがむき出しだと、当然ながらゴミや埃が付きまくります。実は、この蓋付きの前、むき出して置いて使ってたのですがすぐガビガビニなってしまいました(笑)そういう失敗を経てこういう形に落ち着いたわけです。

ちなみに、パテを練るときには主剤と硬化剤をそれぞれ団子状にすると等量にしやすいです。
量が多いときは、それほど神経質にならなくてもいいのですが、少量だとちょっとの差で硬化不良が起きるような気がします(細かく検証したわけじゃなくて、なんとなく、ですが、、)。団子状にするようになってから、その辺はかなり解消されました。


●偉いぞ凄いぞ浦和工業

浦和工業のマイクログラインダーHD10は、とても軽量で使いやすいモーターツールです。もう10年以上愛用しています。直しなおし使ってるので、ミイラみたいになってるのはご容赦を(笑)
安いので(2000円くらい)新しいの買えばいいんでしょうけど、外見はともかく基本機能は全然問題ないので、ずっと使ってます。ほんと凄いと思います。電源も単三電池2本と手軽で、軽くて使いやすいです。モーターツールを持ってない人は、入門用にまずこれを買ってみたらいいと思いますよ。

このモーターツールのチャックは単純な差込式で、すぐビットが交換できるのがよいです。かといって緩むこともないという優れもの。で、このチャック、市販の麺棒の軸がピッタシなんですね。
ある日、何気なくやってみたらジャストフィットでびっくり。ゆるくもなくきつくもなく、絶妙です。麺棒を適当なところで切って、差し込んだら使い捨てのバフになるんですね。飛行機キットのキャノピーとか、トイガンの金属パーツの研磨とかに活用してます。ちょっとダメになったらすぐ変えられるのもいいです。

コンパウンドが付けやすいのもいいです。口に押し込んでやるだけ。もちろん手で塗りこんでもOK。
ただし、回転直後は飛び散るので、最初は袋とか筒(トイレットペーパーの芯など)に差し込んでスイッチを入れて下さい。そうしないと、ほんと大変が起きますですよ。わたしゃ知りませんよ(笑)

このモーターツールは持ってる人多いかと思います。お持ちの方は一度試しにやってみて下さい。ほんと便利ですよ。

●紙コップは使い倒せるゾ

これまた使い捨てアイテムですが、紙コップも実に便利です。筆の塗料を洗う、エアブラシ用の塗料を希釈する、切り出したパーツをとりあえず入れておく、などなど用途がたくさんあります。値段も安いし、いくらでも変えがきくのもいいです。
紙コップというと、レギュラーサイズ(珈琲の自販機とかのやつ)のイメージが強いですが、模型用としてはミニサイズがとても便利です。レギュラーだと大きすぎて、例えば少量の塗料を希釈するのが難しかったり溶剤を必要以上に入れてしまったりするんですね。このサイズだと加減がやりよいです。また、机の上に並べても場所をとらないのもよいです。

右の白いカップは、アイスクリーム(エッセルスーパーカップのミニ。箱に6個入ってるやつ)のものです。これ好きでよく食べてるんですが、よくよく見るとこの容器、メチャ上等です。プラの質も高く、大きさもいい感じ。気付いてからは捨てずに取っておくようにしました。いろいろと使えそうです。こういう風に身近に使えるものって意外とあるので、常に意識的に周りを見るのも大事だなあと思います。

●釣りはせえへんけど、、。

釣り用の板鉛・糸鉛はほんといろいろ使えます。板鉛は、銃のスリングや兵士のベルトなど帯状の物体の表現に最適です。糸鉛は、エンジンのパイピングなどにとても便利です。何より安い(ひと巻きせいぜい数百円程度)ので重宝してます。
釣りはしないので、釣具屋さんに行くといろいろ珍しくて、何も分からないのにルアーを「ほぉー」などと眺めたりとかウロウロしてしまいますね(笑)それにしても、鉛だけまとめて買っていく(しかも釣りに詳しそうではない)客というのは、向うからしたら変でしょうねえ。

鉛は、強度はないですが逆にとても加工・変形させやすく、その特性を理解していれば結構幅広く活用できます。

これはリベットを作るビーディングツール。普通プラを打ち抜くものですが、鉛でも全然OKです。っていうか、プラより打ち抜きやすいかも。また、鉛は柔らかいのでデザインナイフの先が綺麗に刺さり、持ち上げるのが簡単です。
プラだとこの状態で「ポロッ」とこぼれることが多いんですよね。かといって強く刺すと割れたりしますし。なので鉛でリベットを作るようになってから、プラは使わなくなってしまいましたね。

糸鉛は、パイピング以外にもいろいろ使えます。この「MAZDA」のエンブレムは糸鉛です。文字の形に曲げて接着してから、押しつぶして整形しています。柔らかいからこういうことができるんですね。

つなぎ目も、デザインナイフの先でグリグリなでてやれば埋まってくれます。いやほんと、便利な素材です。

あと最近1/35のトタンが欲しいなあ、と思ってあれこれ考えてて、編み出したのがこれ。クレオスのビンの蓋の側面に板鉛を置いて、
もう一個の蓋を押し当てて、歯車みたいにグルグルーッと回します。
するとアラ不思議!トタン板が!
きちんと型が付くまで歯車を何度も回してやる必要がありますが、実に簡単かつ精密にできます。

ただもちろん建築用のトタンとしては幅が全然足りません。まあでも、私が欲しいサイズとしてはびっくりするくらいピッタリだったのでOK!(笑)建築用のトタンも、これの応用で歯車を自作できればなんとか作れるかもしれません。


とまあ、いろいろあれこれ書いてきましたがこれでお終いです。言われなくてもわかっていますが、どれも基本的にビンボ臭いですね(笑)でもまあ、お金をかけずにアレコレ工夫して、いいものができると嬉しいじゃないですか。そういう基本方針のもと、いろいろ知恵を絞ってます。

また、私は地方在住なので、都会に比べると入手できる道具や素材の選択肢は非常に限られています。通販はできますが、例えば使ったことの無い新素材を(しかも高価な)あれもこれもと買うことは心理的にも金銭的にもちょっと抵抗があります。買ってみてやっぱ使えないなあ、となるとほんと無駄ですからねえ、、、。もし何かを気に入ったとしても、補充も大変です。また、これは地方都会関係なく、いくら効果的で便利な素材でも、いつ絶版ないし入手難になるかわかりません。これも結構怖いですね。「アレがないからコレができない」という事態は出来るだけ避けたいですよね。

なので、まず身近でいつでも手に入るものを活用することを念頭に置いて考える方がいいのかな、と。自給自足モデリングというか、補給をあてにしない(っていうか補給があてにならない)日本軍モデリングといいますか(笑) まあ私は日本軍が好きなのでちょうどいいかなあ、と(なんか違う気が、、)

そして、これは大事なことですが、これらのアイデアってほぼ「面倒臭い」「億劫」「鬱陶しい」というネガティブな気持ちから生まれたものです。そういう気持ちって、普段何気なく感じてることで、なかなか表層に現れてきません。「この作業面倒くさいなあ」と意識できないと対策を考えることは不可能です。なので、そういう風に感じることはチャンスでもあるんですね。問題が可視化されてはじめてアイデアを考えるスタート地点に立てる、といいますか、、。

まあ、なんであれ今後もあれこれ工夫しながら知恵を絞っていいものを作っていければいいなと思ってます。最初にも書きましたが、今回紹介したことが、少しでもどなたかのお役に立てたとしたらとても嬉しいです。またネタが溜まったら、第二弾をやりたいですね。

※最後に2件お知らせです。

●来春の中四国AFVの会は中止になりました。
当ブログでも再々告知していた、来年4月松江にて開催予定だった中四国AFVの会は、コロナが依然沈静化の見込みが立たないため、中止となりました。非常に、非常に残念ですが、仕方ないですね、、。

また、再来年の開催については現在未定です。実行委から新しい情報が入り次第、お知らせしたいと思います。

●ギャラリーソラトさんの展示会に参加します。
今年私の絵を展示してくださった京都市の「ギャラリーソラト」さんが、今年の総決算的展示会「ソラト藝術考2020」を開催します。会期は12月22-27日です。私も2点出品します。興味のある方はぜひご来場下さい。出品するのは、以前「イラスト集」でも紹介したこの2点です。右の絵(「世界の終わり」)は、原画を展示します。また両方とも複製画を何点か販売してもらいます(一枚500円。通販可)。さっき発送準備が終わったところです。売れるといいな、、。

開場時間、アクセスなど詳細はこちらのギャラリーブログ↓からどうぞ。展示の様子は、開催日の直後こちらのブログにてレポートされると思いますので、ぜひご覧になってみて下さい。

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