森男の活動報告綴

身辺雑記です。ご意見ご感想はmorinomorio1945(アットマーク)gmail.comまで。

1ヶ月半ほどブログを休みます。

2021年05月15日 | 雑記
えー、最近ちょっといろいろ忙しく、ブログを更新する時間がとれません。
7月までバタバタしそうですので、それまで休みたいと思います。

当ブログをいつも読んで下さっている方々(幾人かおられるのです。ほんとありがとうございます)には大変申し訳ないです。

6月下旬には大体目処が付くと思いますので、落ち着き次第再開したいと考えております。

とはいえ、寝る暇がないくらい忙しいとかいうんじゃなくて、自由時間がほとんど取れない、という程度なので、メールとかのやり取りも普段どおり全然OKです。ツイッターやピクシブとかも、適宜投稿したいと思ってます。ブログはちと時間が掛る(これでも)のでやめとこか、ということなんですね。

いやー、どんなに忙しくてもブログは何とか継続したいと思ってはいるのですが、アカン時はアカンですねえ、、。ほんとすいません。

というわけでまた。



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モデルガンをいじっててアレコレ思うことを書いてみました。

2021年05月01日 | 銃の模型
今回はモデルガンを糸口に、銃の話をつらつらとしたいと思います。日本のモデルガンはとてもよくできてて、実銃の構造をきちんと再現しています。もちろん、法律によって再現したらダメなところ(銃身を筒抜けにするとか)はあるのですが基本的に実銃のことを十分知ることができる「立体教材」のレベルです(実際、日本の関係官庁でも教育・訓練用に使ってるそうな、、)。昔の製品は外見だけ似ていて中身は独自にアレンジしたものもあったのですが、これは改造拳銃対策にわざとやってる意味合いもあったようです。でも、最近のはそういう遠慮が必要なくなった(もうモデルガンをわざわざ改造しなくても、むにゃむにゃ、、)のか、どれも凄い再現度です。

で、モデルガンをいじっていると「お、ここはこういうことなのか」とあれこれ気付くこともあるし、本に書いてあることを実感として理解することもあります。今回はその辺をちょっと書いてみます。

これはMGCのコルトM1911A1。いわゆるガバメントですね。
部品の構成はほぼ実銃どおりです。なので、これの分解組み立てができたらまあ多分実銃でも問題なくできるでしょう。グリップは実銃のが付きます。それくらいのレベルなんですね。モデルガンは強度がないので、それ用にアレンジしている箇所もあります。このガバだと、バレルブッシングがそうですね。でも、その違いを知っておくのもマニアのたしなみなのです(笑)

こちらはハドソンのトカレフ。ハンマーやシアなどがユニット状になってます。モデルガンはこれをイモネジで固定するのですが、実銃は本体に入れるだけです。
これはトカレフの特長なんですけど、写真とか動画ではいまいちピンときませんね。モデルガンを触って初めて「ほおお!こういうことなのか!」となるわけです。

真ん中のが九四式拳銃(ハートフォード製)です。この3丁は第二次大戦のときのソ連、日本、アメリカの制式軍用拳銃です。こうやって並べてみると、それぞれ違います(当たり前)
この違いは各国とも「こういうのが欲しい」という軍のニーズがあっての結果なんですね。過去の専門誌(今もかな?)では優劣を比較するという感じの記事が普通でした。「九四式よりガバが優秀」みたいな。そういうのもわかるんですけど「当時軍がどういう拳銃を求めてたのか?設計者は何を主眼に置いていたのか?」という視点も大事だと思います。優劣の評価って、結局は個人的な主観なわけです。車や自転車に例えるとわかりやすいですけど、人によって評価基準が違いますからね。ある人が「この車好き」でも真逆の評価をされることも普通にあるわけで、、。そういう個人的な主観にあわせて軍用拳銃を作ったわけではない。もっとこうなんちゅうか、シリアスなんですよね。その背景には歴史や政治、経済とかが複雑に絡んでいる(と思う)。

で、そういうのもモデルガンをいじってるとなんとなくわかります。例えば3丁のハンマーはこういう感じで構成されてます。
機能は同じ、なんですけど全然違いますね。トカレフはガバのコピーと思われてますけど「似てるとこは似てるけど、コピーというのはちょっと当てはまらないかな?」って感じです。

ガバのハンマーとスプリングなどの構成は堅実確実で、さすがブローニング氏(コルトですが基本設計はブローニングなんです。でもM1911の全てを設計したわけでもないらしくて、その辺よくわかんないです。ややこしい、、)、という感じ。
ハンマーのスプリングは、メインスプリングハウジング内に少し圧縮した状態でピン止めされてます。写真はピンを抜いてスプリングを出した状態。ピン止めしておくことで、分解時にスプリングが飛び出さないんですね。ほんとよく考えられています。

トカレフのハンマースプリングは、かなり簡素。ハンマーに縦に穴を開けてそこにスプリングを入れ、ピンで固定するだけ。
ハンマーが起き上がる動きに沿ってアール状の溝を掘り、そこにピンが入ってるので、スプリングにテンションがかかるわけです。か、賢い、、。ガバやP38タイプの拳銃はハンマーのスプリングを収めるスペースが結構広いです。そのためのコストを考えると、このトカレフ式は革新的ともいえるでしょうね。

びっくりするのが九四式。スプリングのみ。以上!!(笑)実にビンボ臭いんですけど(コラ)、これかなり凄いですよ。たったこれだけで、上記2丁と同じ機能を発揮してるんですからね。軍用銃として考えると、より少ない部品でかつ機能を損なわない、というのはかなり重要ですからね。そして、ハンマーにはローラーを付けて動作を滑らかにしています。これは確か多分世界唯一です。要は、スプリングで削ったコストをこっちに回してるわけです。
九四式はその他の部位もかなり簡素で、南部麒次郎氏は設計にあたりそういう意図を貫いていたことがうかがえます。っていうか、南部氏には「とにかくシンプルに」という基本スタンスがあったようです。他の銃を見てもそう思います。

ただ、この3丁、ハンマーを起こす時の滑らかさなどは違うかもしれません。この点は実銃を触ってみないとわからんです。しかし、軍用銃ですから各軍が望む所定の機能を果たせればいいわけです。なので、この3丁のシステムはそれぞれ「正解」なんですよね。

しかし、軍用銃としてはOKとしても、他国の軍に輸出したり民間で販売するとなるとちと話が違ってきます。ユーザーが変わるので、それへの配慮も必要になるわけで。ガバが安全装置などがキッチリしてるのは、そういうこともあったんだと思います。トカレフや九四式はそもそもそういう想定がないので、この点でも同列にして評価すること自体、ちとおかしいわけです。

トカレフのハンマー部のユニットは、ほんとよく考えられてますね。本体に収めるので、ハンマーピンなどの抜け止めは不要なんですよ。ガバなどは抜け止めにするため釘状にしたり、グリップで挟むようにしたりしてコストが上がってますからね。ピンをただの円柱状で済ませられるかどうかって、細かいことですけど大量生産する場合は凄く大事です。
エジェクターも、ユニットと一体化してます。エジェクターは磨耗前提のパーツなので交換可能にするのが普通なんですけど、磨耗したらユニットごと交換する、ということなんですね。そっちのがコスト高いやん!と思いきや「まあ磨耗する前に多分持ち主ともどもいなくなっちゃうからねえ、、」っていう発想なんでしょう、、(恐ろしい、、)

で、なぜこういう風にユニット化してるかというと、品質を維持するためなんですよね。このユニットは拳銃のキモなので、きちんとした部署できちんと作って、他で作った部位と合体する、という発想だそうです(出典明記したいんですけど、行方不明なのですいません。)。

先日紹介した「狙撃兵ユーリヤ」(ホビージャパン軍事選書)でも、ソ連の軍需工場の実情が克明に描かれてまして(著者のユーリヤ氏は一時期工場で勤労奉仕していた)、それを読むと兵士となる男性の代わりに女性や子供が動員され、短期間で熟練工の仕事をさせられるなど、結構なガタガタぶりだったようです(日本もそうなので偉そうなことはいえないけど)。なので、このユニット化は自国の実情を考慮したものなんですね。こういう点もやはり加味しないとわかるものもわからんでしょう。

トカレフは「とにかく簡素、簡単に、でもガバみたいなちゃんとした拳銃が欲しいからよろぴく」というムチャな要求にきちんと答えた拳銃なんだなあ、と思います。変なもの作っちゃうとある晩NKVDが戸口に来て自身が行方不明になっちゃうから、トカレフ氏半泣きだったんじゃないかなあ、とか(笑)
ネジの類も一切使ってないです。グリップも銀色のプレートをずらして固定するという。ロシア時代から御用達だったモーゼルC96はピンやネジを極力排するパズルのような構造だったので、それを念頭に置いていたのかな?とも。
でも、モーゼルは唯一グリップの固定だけはネジを使ってました。なのでトカレフのグリップは、トカレフ氏なりの先達へのイキリなのかも?とかあれこれ妄想してしまいます(笑)

スライドストップの固定は、割りピンを使ってます。これもかなり割り切った設計ですね(割りピンだけに)。マガジンキャッチは、ネジを使ってますがこれはモデルガンのアレンジ。実物はこれまた割りピン式になってます。
割りピンって、発想の転換なんですよね。銃器設計者の間では「こういうのって姑息」みたいな考えがあったのか、これまでの銃ではまあ使われてません。でも「使っちゃえばいーじゃん」って開き直れるというのは発想が柔軟な後発組ならではなのかも?と。先発組って、先行している分、逆に知識や経験やプライドが邪魔になって、発想の自由度を狭めることもあるんですよね。

こちらは右からグロック17(タナカ製)、P7M13(MGC製)、ベレッタM92SB(マルシン製)です。P7はガスガンです。
何でこの3丁かと言いますと、現代の拳銃の推移をよく表してるからなんですね。M92は黎明期から第二次大戦以降の自動拳銃の集大成・到達点のような拳銃です。開発は1975年ごろ(「ごろ」、ですいません。拳銃の開発年って、あやふやなんですよね。軍が正式採用する年とかはわかりやすいんですけど、銃自体の完成時期ってはっきりわからないんです)。内部構造はP38を改良発展させたような感じで、そこにブローニングハイパワーの多弾数マガジンを入れ込んだ、みたいな。構造の堅実さや火力、安全性など全ての点で優れていて、米軍も「力強いアメリカの伝統・象徴」みたいなガバを止めて採用したほどです。

しかし、その後(1982年ごろ)グロック17が登場します。フレームやマガジンにプラを多用してこれまでの拳銃と一線を画す拳銃で、しかも性能がよくあっという間に世界のトップになってしまいました。例えば米の官公庁は、ベレッタなどから一瞬でグロックに乗り換えたそうです。その理由も、モデルガンをいじってるとなんとなくわかります。
分解してみると、一見同じように見えます。まあ、自動拳銃なので結果的にどれも同じようなものになるんですね。でも、違うんですね。

グロックは、とにかく「扱いやすくて安全」なんです。プラ製であることがクローズアップされがちですが、実はそれよりも安全性に優れている点が凄い。しかも、これまでの拳銃のようなレバー式の安全装置がないんですね。
どうやってるかというと、ファイアリングピンロックがあり、トリガーを引いた時以外は絶対にファイアリングピンが前進しないようにしています。スライドの丸いパーツがそれ。トリガーを引くとここが押し上げられて解除されます。トリガーにはトリガーセフティがあり、トリガーを意図的に引かない限り、トリガーは後退することはありません。非常に簡単な構造ですが確実です。また、ストライカー式なので部品数もハンマー式より少ないです。

ファイアリングピンロックも、トリガーセフティも目新しい機構ではありません。ストライカー式も古典中の古典のシステムで、むしろ時代遅れとみなされていました。しかし、これらを組み合わせることで一気に最新型の拳銃となったわけです。

このグロックのシステムだと、薬室に弾が入っていても暴発の危険はありません。操作も簡単なのでちょっとレクチャーしたら誰でも扱えます。「装填して撃つ時まではトリガーに指を触れるな」だけでいい。しかもとても撃ちやすい。バレルとグリップの距離が近いので、反動が制御しやすいんですね。グァムで撃ったときも、ほんとバンバン撃てるのでびっくりしました。一瞬で50発がなくなりましたからねえ、、。

官公庁など、多くの人が拳銃を扱う場合「安全性」ってほんと大事なんですよね。誰が扱っても大丈夫なようにしないといけない。もともと銃が好きな人は意識的に勉強したり扱いに気をつけたりするんですけど、興味はないけど職業上銃を持たないといけない人が圧倒的大多数ですからね。すぐ暴発事故が起きてしまう。(そういえば、日本でも最近返納された猟銃の暴発事故がありましたね。Kさつの人が、薬室に弾が入ってるのを確認せずトリガーを引いたとか。マニアからすると有り得ないんですけど、実際は「プロ」でもそうなんですよ、、)。ベレッタもダブルアクションオンリー(つまり1発ごとにダブルアクションになるという、、。トリガー重いよ、、)にしたM92Dというタイプまであるんですが、これはそういう暴発事故に対応したものなんですね。事故はほんとそれくらい起こる、ってことなんでしょう。

フレームをプラにしたのも、とにかく軽量化のためでしょうね。銃ってほんと重いので、できれば持ち歩きたくないものの一つです(笑)。いつ使うかわからないのに持ってなければならない仕事の人たちからすると大歓迎でしょう。なので、グロック社はかなり明確な意図と目的をもってこの銃を開発したんだろうな、と。先行各社が「これでいい」というままにしてたあれこれをひっくり返してしまった。多分、ですけど各社の関係者はびっくりしたんじゃないかと思います。「やられたー!!」って。

グロック社は元々は軍用ナイフなどを作ってた門外漢のメーカーだったので、知識や経験がないけど逆に先入観にとらわれないというアドバンテージがあったわけですね。資料(Gun誌84年5月号・床井氏のレポート。グロックの詳細なレポートとして世界初だそう。グロック社長自らに取材してます)によると、グロックの開発期間はわずか2年で設計は社長自らが行い、その期間もわずか2ヶ月だったと。凄いなあ、、。氏はあらゆる拳銃を撃って、不満に思った点を改良すべく開発に当たったとか。なるほど、、。まあ、そういうことなんですよね。何かを新開発する際の普遍的かつ必要な姿勢、といいますか、、。

P7は1976年ごろ作られた、M92とグロックの間のような銃です。グロック以前も、新世代の自動拳銃を各社が試行錯誤しておりあーだこーだジタバタしてたんですね。P7は実に独創的な構造の拳銃だったんですが、残念ながら主流にはなれずとうとう2007年に製造中止になりました(つーか、ついこないだまで作ってたのにびっくり)。でも私はこれとても好きなんですよね。ジタバタ感がいい(笑)しかもカッチョいいです。モデルガン欲しいんですけどねえ、、。

で、グロックもP7も先に書いたように過去の先達のシステムを研究した上で開発されたわけです。特にグロックはポッといきなり浮かんできたみたいな印象がありますけど、先に書いたようにもちろんそんなわけではない。欠点が認識されないと改良もへったくれもないわけです。そしてその「欠点」は先達が必死で、最上のものとして作り上げたものです。グロックも多々無数の人が考え作り培ってきた流れの上にあるんですね。ガバもトカレフも九四式もそうです。いろんな技術者がいろいろ試行錯誤してたくさんの銃を開発してきたわけです。

モデルガンをいじってると、そういう人々の苦労苦闘がなんとなくですが伝わってきます。もの作りの大変さと魅力、を教えてくれるような、、。ガンマニアというとアブナイ、という誤解はまだまだあるようですけど(残念ながら、、)こういう楽しみ方もあるんですよ。兵器全般に言えることですが、兵器のことをより知ろうと思ったら、兵器だけじゃなくて地理、歴史、政治、経済、文化などあらゆる知識や理解が不可欠なんです。そういう多くのことを学びながら、好きなものの知識を増やしていく楽しみは他の趣味となんら変わらないと思います。

というわけでお終いです。なんか取り留めのないエントリーになったような気がしますけど、まあいつも通りっちゃあいつも通りなのでいいですよね(笑)
うーん、それにしてもホールドオープン状態の自動拳銃ってええですねえ、、。いつもと違う感じがするのがいいんですよね。うっとり、、。(やっぱアブナイよな、、)。

あ、あと九四式拳銃については、いろいろ言いたいことがたくさんあるので(笑)そのうちまた単独エントリーできちんと書きたいと思ってます。

それでは。

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