森男の活動報告綴

身辺雑記です。ご意見ご感想はmorinomorio1945(アットマーク)gmail.comまで。

松江に行ってきました。

2019年07月27日 | 廃虚・史跡・博物館などの探訪記
先日、松江の「模型の会「轍」」さんの展示会に行ってきました。今春の中四国AFVの会で、会長のS本さんから「よかったら来て下さい」と誘われてたのです。松江には行ったことなかったし、以前から轍さんの展示会に行ってみたかったので訪問することに。また、来年の中四国AFVの会は松江で開催されるので、パンフの表紙のイラスト係の私としては、なにかネタがあればなあ、という取材的な目的もありました。

私はかなりの出不精なので、日本で行ったことのない県はかなりあります。島根もその一つ。っていうか、山陰地方に行ったことなかったのです。一人でいくのもなんなんで、こないだ呉に一緒に行った模型クラブの後輩K山君に声を掛けると「いいっすよー。行くっすよー。車出すっすよー」とのこと。ありがたく乗せてってもらいました。行程は車で約5時間ちょっと。6時出発で11時過ぎには着きました。行き帰りともK山君が運転してくれました。ありがとうです、ほんと。

松江に着いたらホテルに荷物を預けて、会場の県立美術館に向かいます。県立美術館を見てびっくり。で、でかい、、。そしてカッチョいい、、。
文化系の施設の感じって、県民性が出るんですよねえ。翌日行った松江城でも感じましたけど、歴史や文化に対する地域の理解度が全体的にとても高いんじゃないかと思いました。

写真の美術館入り口の反対側は、宍道湖が一望できるナイスビュースポットになってます。美術館のホールは、基本ガラス張りで館内からもこういう眺望が見られるようになってます。
「ぐぬぬぬ、、凄いしカッチョいーじゃねーか松江!」(私)「そ、そうっすねー」(K山)とかいいながら、とりあえず会場に入ります。

で、さっき宍道湖と書きましたが、私はずっと「ししどうこ」と読んでました(ハズカシー)。「しんじこ」なる湖が日本のどこかにある、というのは薄ぼんやりと知ってましたけど「宍道湖=しんじこ」がつながってなかったんですね。わはは。でも、私がこうやってバカをさらすことで今後「宍道湖?しんじこって読むんでしょ。それくらいは知ってますよ!」と、突っ張れる人が少なくないことを信じて疑いません(そうか?)。

閑話休題。会場は美術館の1Fの市民ギャラリー(というのかな?要は一般向けのギャラリーです)。轍さんは、スケール・キャラのオールジャンルのクラブです。
AFVのテーマはタイガー戦車でした。

以下、展示作を紹介していきます。でも、作品カードをちゃんと撮らなかったので、はっきりと作者の分かるもの以外はお名前をオミットさせてもらいます。あやふやに書いて間違えるのもなんなので。ほんとすいません。また、紹介する作品は私の勝手なセレクションですのでご了承下さい。あと、私はいつも長文になってしまうので今回は説明も簡潔にいってみます。

ジオラマはやっぱええですね。この作品は構成がビシッと決まっててかっちょイイです。

これ、めっちゃよかったです。なんか違うんですけど、分かりますか?
塗装が素敵なのでそっちに気が向いてて、S本会長に教えてもらうまで私は気付きませんでした(笑)「ポンシェル」だそうです(笑)

こういう躍動感のあるジオラマ、作ってみたいです。


Y根さんの装甲車。名前は失念しましたが、シベリア出兵で使われた日本軍のだそうです。うーん、いいなあ、、。知ってる人は知ってますが、これはフェアリー企画のキットです。Y根さんはフェアリーのキットをずっと作ってらっしゃいます。

で、宴席でY根さんからいただいたのがこのキット。以前Y根さんがUPしてたのを見て「いいですねえ!欲しいです」とかコメントして、その後お会いしたときに「入手しようとしてるんですけど、なかなか手に入らないんですよ」とか言ってたら「仕方ないなあ」と思われたのか、プレゼントしてくれました。いやー、ねだったみたいで申し訳ないです(ねだったようなもんだろ!)
まあそれはそれとして、メチャクチャうれしかったです。手に入れるのは多分ほぼ不可能ですからねえ、、。ずっと考えてる本土決戦のジオラマに、空襲で焼けちゃった自動車を置きたくて、形的にもサイズ的にもこれはピッタリなんですね。こういうのを最初から作るのはほんと大変ですからねえ、、。

いただいたものを焼けた状態で作るのは失礼ではありますが、Y根さんにはその旨伝えておりますので、頑張って焼きたい(?)と思います。

あ、いかん。やっぱつい饒舌になってしまいます(笑)

会場の展示はどれも良かったんですけど、とてもよかったのがこれ。会長のS本氏の駆逐艦「松」の展示。
「プラモデルは楽しい!」というテーマで、キットの状態から素組み、塗装、ディテールアップ、ジオラマという4つの完成品を展示して、プラモデルの楽しみ方にはいろいろあると解説されてます。

解説文がこちら。
「うんうん!」と読んでてうなづいてしまう解説です。

で、素組みだとこんな感じ。プラモっすよねえ、これ!こういうのが楽しかった頃を思い出します。

いろいろ手を加えて、ジオラマにしたのがこれ。うん、これもプラモの醍醐味だよなあ!と。
モデラーっていう人種は、何年も何年もかけて「あーでもないこーでもない」といろいろ試行錯誤して、知識や技術を蓄積していきます(私ももちろんそうです)。なので、プラモに出会った最初のころのことはどうしても忘れがちです。例えば私はもう40年くらいプラモを作ってますけど、素組みで色を塗らずにOK!だったころの感覚はとっくの昔に忘れちゃってるわけです。

そんなこんなを経てますので、よくできたジオラマを見ても、それなりに作り方は想像できるので「ふんふん」と鑑賞できます。その上で「これはどういう素材を使ったんですか?」てな感じで作者に質問したりするわけです。要するに、玄人同志でやり取りしてるんですね。

それはそれでいいですし、模型とか展示会の醍醐味でもあるんですが、でも、こういう展示会に来られた方の中には、当然プラモデルのことをあまり知らない方も多々おられるわけです。そういう方は、市販品のプラモをどういう風に作って、どういう風にジオラマにしてるのかはまあ分からないわけです。

なので、こういう風に丁寧に説明した展示、というのはかなり意味があるんじゃないかなあ、と。「普通に売ってるものを、自分なりに作ったらこういう個性の出せる作品にできるんです。それが模型趣味の醍醐味なんです」ということが伝わってくるんですね。

で、私はこのタミヤの「松」のキットを持ってまして、いつかそのうちキッチリ作ろうと思ってたのでなおさら魅かれたのでした。なんといっても苗字の一字ですからね(笑)。あと、このキットのインストもたまらんですよ。インストを要約すると、「松」は昭和19年4月、硫黄島と小笠原の父島に陸軍部隊を送る船団の護衛の旗艦として出撃、8月、父島から帰途についたのですが米機動部隊の攻撃にあいます。この攻撃で船団は大半の船を失い、「松」は残りの船団を率いて日本を目指します。しかし、米巡洋艦隊の追撃を受け、「松」は船団を逃すためにただ一隻、反転して敵艦隊に向かい、戦闘の末に撃沈されました、、、。

って、うおー!って感じじゃないですか!!!「松」は漢だ!侍だ!偉い!
というわけで、私は艦船については全く無知なんですけど、「松」だけはきちんと作りたいなあと思ってたのです。なので、こういう展示をみてたまらんくなってしまったわけです。

おっと、やっぱり書きすぎ語りすぎですね。すいません、ほんと。気を取り直して、さっぱりいきます。

ドイツの潜水艦です。形式は知らないんですけど、とてもいい色合いです。

タミヤのホンダF1。端正な仕上がりが素敵です。このキット、いつかほんと作りたいです。

こういう風にきちんとデカールを貼って、ピカピカにできる人は尊敬します。


見えないところまでキッチリ作りこむのって、ほんと「愛」ですよねえ、、。
「愛」を感じられる模型はほんといいです。

鉄道模型も多かったのが良かったです。興味はあるんですけど、展示会ではあまり見たことがなかったもので。
このキット、作りたいんですけどね。持ってないですけど(笑)

いや、いーですねえ。愛、ですねえ、、。


この作品は、ベースがスーパーで見かけるアレなのが素敵スギます(笑)
こういう発想の転換、というか思い切りの良さ(笑)は見習いたいところです。

鉄道模型コーナーには、上の写真でもチラッと写ってますが、実際の資料も併せて展示されてたのがよかったです。青春18キップは私もかなりお世話になりましたけど、この時代のがこんなんだったって、もちろん知らなかったです。いやー、ええですねえ、、、。

キャラものも、見ごたえがありました。この作品は塗装もいいのですが、見せ方もよかったです。4体を電動回転ベースの上に乗せて、ゆっくりと回るようになってます。

「作ったものをどう見せたいのか、見せるのか」っていうのは、ジャンルとかそういうのとは関係なく得るものは多いなあ、と思いますねほんと。

これも良かったです。Y根さんのマシーネン。ネタと技術の凄さのアンバランスさが素晴らしい(笑)

というわけで、展示会のレポートでした。もっと紹介したかったんですけど、長くなっちゃうのでこの辺でお終いにさせてもらいます。ゲスト作品など、後で撮ろうと思ってたら撤収されてたりしたものもあって、紹介できなくて残念なのも多々ありました。ほんとすいません。

また、クラブの方はじめ、いろんな方とお会いしていろいろお話できてよかったです。ほんと、ありがとうございました!またお会いした際はよろしくお願いします!

で、せっかく来たのでできるだけ観光もしたい、というのが人情です。まずは国宝の松江城に行ってみよう!ということで初日の午後に会場を出て、美術館のバス停から市内循環バスに乗って松江城を目指します。でも、バスを間違えたらしく、松江城にはたどり着けませんでした。多分北回りと南回りがあって、どうも南回りに乗っちゃったっぽいです。南回りは、とにかく観光地なんて関係のない住宅地を巡る路線でした。

「いつまでたっても松江城が見えてこんなあ、、」(私)「そうっすねえ、、」(K山)「ううむ、、、どうもバスを間違えたらしいぞ!誰だ!このバスに乗ったら松江城直行だと言った奴は!!重営倉だ!!」「えーと、森男さんが自信満々でそう言ったんじゃないかと、、、」「、、、」

で、このままバスに乗ってたら、美術館に舞い戻ってしまいます(循環バスなので)。そんな姿を轍の皆さんに見られると、かなりカッコ悪いので美術館ちょっと手前の「JR乃木駅前」(松江駅の一つ南の駅)で降りて、JRで松江駅まで帰ってきたのでした。まあ、それはそれで松江の市内を車窓から見物できて楽しかったですし、JRに乗ることもなかったと思うんでまあよかったんですけどね。でも、私はバスマニア&ローカル線マニアじゃなくて、プラモデラーなんです!うう、、。その晩は轍さんの懇親会でしたが、以上のいきさつはもちろん黙ってたということは言うまでもありません。

で、翌日は朝からちゃんと松江城に行きました。で、いやー、これがもうたまらんかったです。素晴らしすぎて鼻血ブーでした。


なにがどうたまらんか、というのはなかなか簡単には説明できません。でも、たまらんかったです。私の頭の中の「テンションメーター」(そういうのがあるのです)の針が、限界を振り切って折れた感じ、といいましょうか。

図示するとこんな感じです。
メーターの針が「バチコーン!」と折れる音を聞きましたね、ええ。

これは天守閣の階段。もうたまらんです。

たまらん、たまらんで、最初から最後までずっとこんな感じで、ほんと頭クラクラでした。いやー、ほんとよかった、、、。気が付くと、写真を300枚くらい撮ってました(笑)。松江城は、また改めて独立したエントリーで紹介できたらなあ、と思ってます。

で、松江城を堪能して、お昼は出雲そばをいただきました。松江城内にあるお土産やさんの隣のお店です。そばが段重ねになってて、だしと薬味を一番上のに掛けて、そばがなくなったら残ったそれらを2段目のそばに掛ける、という食べ方です。こういう変わった食べ方、いいですね。そばなのにワサビじゃなくて、七味唐辛子と大根おろしなのもいいです。
宍道湖のシジミ味噌汁といっしょにいただきました。どっちもとてもおいしかったです。で、この時点でビールを飲んでる私は、すでにK山君に「帰りも運転してねっ」と言ってるようなもんで、ほんといい気なものです。ごめんね、ほんと。

で、次なる目的地は出雲です。出雲は松江から西に20キロくらい行ったところにあります。有名な出雲大社があるのです。前日、私たちは出雲大社と出雲にある中古模型店に行こうと相談していました。模型店の存在は、S本会長から聞いていたのです。「あそこは、行く価値ありますよ」と。出雲大社も行きたかったので、なら両方行こう、ということになってました。

でも、松江城があまりに凄くて、予定の滞在時間を大幅にオーバー(っていうか、私が写真を撮りまくってたせい)。松江を出発する時点で、すでに出雲大社か模型店の二択を迫られていたのでした。帰宅時間を考えると、明らかにどっちかをあきらめないとあかんのでした。

「ううむ、どうしたものか、、。」(私)「困りましたねえ、、」(K山)「日本古来の、神聖な神社への初巡礼と、日本全国にどこにでもあると思われる、中古模型店の訪問を天秤に掛けるとしたら、もうすでに答えは決まっておる!!」「と、いいますと?」「いちいち言わすな!!!中古模型店じゃい!!!」「えーっ!!」「ワシらは日本男児である前にモデラーなんじゃい!!!」

という会話をしたわけではないのですが(なんやねん)、まあ、出雲大社は来年いったらええやんけ、くらいの感じで3秒で話はまとまり、模型店に行きました。まあ、普通そうなりますよね(ほんま、ばちあたるで)。

で、このお店も鼻血ブーでした。入ったら「あれもこれも、全部くれい!」という品揃えで頭がクラクラ。「で、今、おいらはいくらくらい使えるの?」と
何度も逆算逆算しなければならないほどでした。

そのときの気持ちを図示するとこんな感じ。


一日に二度、メーターが振り切るという経験はなかなかないのでほんと疲れましたね、ええ。

店内で「買うたやめた音頭」を何度も何度も踊って、なんとか踏ん張って我慢して買ったのがこれら。小鹿版のMMの88は箱が汚れてますが、2000円。汚れ以外は完全品。張り箱、たまらん、、、。まあ買いですわね。親衛隊セットは400円。大人の都合でいろいろあるみたいで、噂ではもうこれ再販されないそうなんですよ。これのMP28が欲しかったので、これも買い。
で、目玉はアリイの十四年式拳銃。まさかこれ、また見れるとは思わんかったです。ショーケースに入ってるのを見たときは「ドカーン!」ときましたね。ええ。

小学生の頃、地元の神社の縁日のくじ引き屋さんでこれが並んでて「めっちゃ欲しい!!」と思って、屋台のおっちゃんに「これ売って!!」って言ったら「いやこれはくじの景品やけん。当てんとやらんよ」って言われて「じゃあ当てるまでくじ引いたるワイ!」とくじを買ったら、何のことはない、最末等の景品だったので一発で入手できた、という、思い出の一品なのですね(笑)
十四年式拳銃のキットとしてはLSのプラモデルガン以外では、おそらくこれが唯一だと思います。写真の通り、再現度はかなりアレなんですけど(笑)当時手に入れたときは嬉しかったなあ、、。組み立てて、色を塗って、ためつすがめつした記憶が、、。戦争中、これを持ってたっていうじいちゃんに見せたっけなあ、、。

で、大人になってから、あれ欲しいなあと思ってヤフオクなどで探してみたんですけど、まったく見当たらなくてあきらめてたんですね。多分結構なレアキットじゃないかと思います。なので、まさかこういうところで出会えるとは、、、、。まさに出雲の神様のお導きでありましょう(コラ!)。まあ、値段はもちろんそれなりでありましたが、値段とかお金とかそういうことじゃないんです!でも、ほんとごめんなさい!(だから誰に謝ってるんだ)。

というわけでお終いです。1泊2日でしたが、なんだかんだでとても面白い旅行となりました。行ってよかったですほんと。松江、恐るべしです。
これは最初に紹介した美術館の外の宍道湖畔にあるウサギのオブジェです。かわいい、、。因幡の白兎もここのなんですねえ、、。

で、ここでお知らせです。最初にも書きましたが、来春の中四国AFVの会は松江で開催されます。4月19日開催です。会場は、松江城すぐ隣の島根県民会館となっております。よろしければぜひおいで下さい。

このポスターは、轍のY根さん作です。いいですねえ!
いやほんと、来年が楽しみです。ぜひおいで下さい!!

というわけで松江旅行記はお終いです。

最後に、個人的な告知をもう一つ。東京の東武百貨店池袋店で開催中の「タミヤモデラーズギャラリー」に、私の「M1A1マインプラウ」のホビージャパン誌の作例(今年6月号掲載)が展示されてます。会場の同誌ブースにて展示されています。会期は7月30日までです。もし会場に行かれる予定の方がおりましたら、ぜひお立ち寄り下さい。

というわけで、なんだかんだでやっぱり長くなってしまいました。すいません。

さて、梅雨も明けて、夏がやってきましたねえ。夏は塗料の乾きもいいし、レジンの硬化も速いし、エポパテも練りやすいし、模型にはうってつけの季節です(そうか?)。暑いけど、頑張っていきまっしょい!(何で愛媛弁なんだ、、)

それでは。



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イラスト集(その5)

2019年07月13日 | イラスト集
今回はイラスト集です。てれてれとしたペースで描いてる私の絵が、なんとなく溜まってきたら、聞かれもしないのに分かった風なウンチクを意味ありげに添えつつ、いかにも価値がありそうにもったいぶって紹介する、まさに言葉通りの自画自賛的なシリーズです。よろしければご覧下さい(こんな紹介で誰が見るんだ!)。

「ドイツ国防軍補助婦 戦車実験小隊長車・ブリュンヒルデ」

今年の「中四国AFVの会」のパンフの表紙用に描いたイラストです。まあ、なんというか、見たまんまのそういう絵です(笑)。

現実にはWWⅡ時のドイツ軍は、米英同様支援部隊に女性を配置していましたが、あくまで軍属的な「補助婦」という位置付けだったようです。なので当然、戦車隊などの戦闘部隊に組み込まれることはありませんでした。まあでも、妄想を膨らませて「そういうのがあったら、、」というIF的なイラストです。

この絵は2012年の同会に出品した自作の模型を元に描いてます。これがそれ。

まあ、なんというか、見たまんまの模型です(笑)。

ちなみに、その半年後くらいにガルパンが放映されて大人気になって「先に作っといてよかった!!」と胸をなでおろしたという(笑)。戦車に女戦車兵が乗ってる、というのは誰もが思いつくベタなシチュエーションですし、これまでにもこういうのを作った方は少なからずおられるとは思います。けど、ガルパンの前と後じゃさすがにちょっと話が違いますよね(笑)。

絵は模型よりも「やさぐれ感」を濃くしました。私の好きな映画「独立愚連隊」とか「第27囚人戦車隊」「戦争のはらわた」などをイメージしてます。例えば、戦車長はウォッカ飲んでます(笑)。装填手は、ソ連のニット帽を被ったり、P38を腰に差したりと「戦争のはらわた」の海賊・クルーガーと「エイリアン2」のバスケスがモデル。砲手はお嬢様設定で、ガラの悪い装填手といつもケンカしてるけど、ほんとは仲が良い。そんな2人を通信手と操縦手は2人で「あいつらバカだよねー」とか言ってる。戦車長はずーっと酒喰らってて基本頭フラフラなんだけど、戦果はキッチリ上げる、という感じ。随伴の歩兵小隊も似たり寄ったりのバカばっか、という設定を想像しながら描きました。機関短銃はPPDにしたり、ショカコーラ(チョコレート)の缶も軍仕様にしたりと、小物もちまちまと描きました。設定ばかりですが、こういう風にあれこれ考えながら描いたり作ったりするのって、楽しいです。

で、絵を描くに当たって、戦車はかなりディフォルメしてます。例えば、砲塔のキューポラと側面のハッチの距離はかなり詰めています(そうしないとどうしても間延びして、キャラが小さくなってしまうので)。ちなみに、Ⅳ号の増加装甲タイプは、短砲身型のみ(試作で終了)で、長砲身型のは存在してません(多分)。でも、長砲身の方がカッコイイですよね。

ブリュンヒルデ、というのは北欧神話とかワーグナーのワルキューレの物語に出てくるヒロインの名前です。北欧神話は、岩波少年文庫のそれしか読んだことがない(この本ではブリュンヒルドとなってます。いろいろ呼び方があるようです)んですけど、日本神話同様に、かなりぶっとんでてとても面白いです。

●画材 漫画原稿用紙に鉛筆、シャーペン。透明水彩で着色。フォトショップで色調調整。

「烏少女」

前回の「その4」にUPした絵を20年ぶりに新しく描き直したものです。「その4」のに比べて、羽根がなんかえらいグロくなっちゃいました。けど、まあいいかなあ、と。描いているうちに、背景も描きたいなあという気になりました。模型もそうなんですけど、基本的に使い回し体質なんですね、私(笑)

●画材 コピー用紙に鉛筆、シャーペン。

「戦中の女学生の試し描き」




基本的にというか、結果的に、私はどうも銃とかお姉ちゃんの絵ばかり描いてるようですね(ようですね、じゃねーよ)。でも、たまにはおっさんとかの絵も描こう!描かねば!と思って描いてたら、こういうのができました。うーん、なぜだろう、、。

まあそれはそれとして話を進めます(笑)。戦前戦中のセーラー服は、写真を見ると襟の部分がヘタッとしてて、今のようなパリッとした感じがないですね。襟と本体との一体感がかなりあるような印象です。リボンも同様です。化繊じゃないからかなあ、と思ってるんですけど、どんなもんでしょう。また、制服のデザインも、襟がちょっと小さかったりと今のそれとは似ているようで似てませんね。男子学生の制服や、背広などもそうですね。この辺の今と昔の「似て非なるもの感」ってのはとても面白いです。

ヘアスタイルも基本的にビシッとした横分けとかで決めてるのが多いです。ほんと、かなり決まってます。写真を見ると今みたいにフワッと軽く髪をまとめたような感じはまあありません。でも、写真を撮られるというのは今とは比較にならないくらいの「特別なこと」だったと思うので、かなりキメキメで撮影に望んだ可能性もあります。

胸の名札は、学校名(架空です)以外は手持ちの資料を元に描いてます。名札の書き方について、全国的に決まりとかあったのかどうかも知りたいのですが、よく分かりません。中央から「こうすべし」的な通達とかあったかもしれないと思うんですけど、いろいろ資料を見ると、どうも各自勝手に決めていたような感じですね。

絵を描くときには、普段チラッとしか見ない写真を何度も何度も見たりして、以上のようなことをあれこれ考えたりもするわけです。そういう意味でも絵に描いてみる、というのはとても意味があることのような気がしています。

●画材 コピー用紙に鉛筆、シャーペン。透明水彩で着色。フォトショップで色調調整。

「陸軍航空隊パイロット」

これは古い絵です。もう20数年前のですね。おっさんの絵がないなあ、と思ったので入れてみました(笑)。学生の頃、ちょっと入院したときに暇に飽かせて描いたものです。多分、何かの写真を元に描いたと思うのですが、その辺の記憶がないのでなんともよくわかりません。なんであれ、昔のパイロットってカッコいいですよね。飛行帽とかゴーグルとか、身に付けてるものがことごとく素敵です。胸の丸いのは時計です。飛行機の計器盤から時計を外して、首から下げているんですね。そういうパイロットは結構いたようです。

ちなみに陸軍ではパイロットを「操縦士」、その他の乗員を含め「空中勤務者」と呼んでたそうです。「空中で勤務してる」ってなんかいいですね(笑)

●画材 白い紙にサインペン(多分)。

「猫くんと猪くん」




今年の寒中見舞い用に描いたものです。毎年、年賀状にはこの猫くんと干支の動物キャラが登場する4コマまんがを描いてるんですけど、昨年末からいろいろあって忙しくて年賀状も描けなかったので一枚のイラストにしたものです。なんつーか、タタミとコタツはええですね(笑)。

「猫くんとクルマくん」
さっきのと同様にこういう脱力系イラストを描くのはとても好きなんですけど、最近あまり描けてません。一度、そういうイラストだけでエントリーをまとめたこともあるんですけど、それきりになってます。これは某SNSで、車の話題を書いたときに添え物として描いたものです。なんの話題か忘れましたけど、絵をみると「愛車を大事にしてやれなくてごめんねー」みたいな感じだったかと。

車って、つい擬人化しちゃいますよね。身近で愛着の持てる機械というだけでなくて、ライトが目、バンパーやフロントグリルが口みたいに見えるのが大きいのかも、と思います。戦車とか船とかってあんまり擬人化に向いてないような気がする(してるけど)のは、その辺の差じゃないかなーという気がしますが、どんなもんでしょう。

「モーゼルの森」

以前、イラスト集じゃないエントリーでUPした絵を手直ししたものです。先日、原画を見つけて、ついムラムラとなって(笑)手を入れてしまいました。題名は、そのエントリーのタイトルです。なんで「トカレフの森」じゃないのかといわれると困るのですが(笑)、このフレーズと絵がなんか自分の中でマッチしちゃってたのでそうしました。

で、この絵を最初に描いてから結構後に、こういう写真をネット上で見かけました。

リュドミラ・ミハイロヴナ・パヴリチェンコという、ソビエト軍の女性狙撃兵のポートレートです。確認戦果309名という、女性狙撃兵の史上最高の記録を残してます。ドイツ兵からは「レディ・デス」と呼ばれてたとか。最近映画にもなってますね(未見です)。この写真を見たとき「うわっ!」と思いました。絵となんかメチャ似てますよね。

この写真はプロパガンタ用と思われます。なのでポーズなどは決め決めです。絵もポーズとか小道具とか背景とか「決まってる感じ」を考えて描くので、似たようになっちゃうのはわかるんですけど、ちょっと似すぎててびっくりしました。ライフルとか、ケープとか、森の感じとか、この写真を知っている人が私の絵を見たら、間違いなくこの写真を元にしたと思うでしょうね。このエントリーも、日本語が読めない外国の人が見たら「あー、この写真を元にこの絵を描いたって書いてるんだな」って思うでしょう。でも、さっき書いたとおり、私はこの写真を見る前にこの絵を描きました。「ウソつけ!」という方もおられるかもですが、そんなウソをついても私には全くメリットがないので信じてもらうしかないのですが(笑)。ほんと、こういうこともあるんだなあ、、、と。

狙撃兵というと、なんか「戦場の孤高のスペシャリスト」みたいなロマンチックなイメージがありますけど、実際は全くそんなことはない、というのは「最強の狙撃手」(原書房)という本を読んで思い知りました。WW2時のドイツ狙撃兵の回想なのですが、まあ実にエグイです。これを読んで「戦争って怖い!」と思わない人はいないんじゃないかなあ、と。一例をあげると、、、と一例を挙げるのもヤダ!という内容ばかりです(なんじゃそら)。

で、この絵のように倒した敵の証拠(勲章)を身に付けるなんてことは絶対にあり得ません。「狙撃兵が捕虜になったらタダでは済まない」ということを一番よく知っているのが狙撃兵なんですね。でも、そういうリアリズムとフィクションはまたちょっと違うので、こういう絵を描いてしまうわけです。でも「狙撃兵の暗部」というのは描いているうちに出てきちゃったように思います。

●コピー用紙に鉛筆、シャーペン。透明水彩で着色。色調調整はフォトショップ。

「とんでもないと断れ」

今年の春頃、いろいろ思うところあって、電気グルーヴの「SINGLES and STRIKES」(いわゆるベスト集)をずーっとヘビロテで聴いてて、描きたくなったので描きました。描いてる間もずーっとこれを聴いていました。描いてる間、ずーっと飲んでました。なので(?)「こんなん出ましたけど」という絵になりました(笑)。

女の子が持ってるのは高圧電気銃という設定(笑)。この世界は全体的に工事中(笑)なので、黄色と黒のシマシマをベースにしてみました。銃からなにから背景も全部思いつくままに描いてます。アキラとかブレードランナーとか、要するにサイバーパンクとかその辺のアレですね。今見返したら、うる星やつらのラムも入ってますね。要するに、20世紀サブカルおっさんの絵ってことです(笑)

電グルは、コアなファンの方々からしたら恥ずかしいくらい聴いてないんですけど、それでもサブカル少年・青年だった私としては、大切で大事な灯台の一つでした。ブルーハーツや筋少もそうなんですけど、私は彼らのおかげで難破・遭難しなくて済んだような気がしてます。まあ、今も遭難してるような気がしないこともないんですが(笑)。

タイトルは「カメライフ」の中の一節です。この曲、めっちゃいいですね。インストの対談では、お二人は「あまり思い入れがない曲」的なことを言ってましたけど(笑)

話を戻すと、ネットでいろいろ読んだりしてたら、なんか、だんだん、めっちゃ腹立ってきまして(笑)、酔った勢いで描いたというわけです。それはそれ!これはこれ!だろうと。わかってない奴がわかった風に偉そうなことを言っているのを見るほど腹の立つことはないわけです。プンプン!

お2人はいろいろ大変だとは思いますけど、ほんと頑張ってほしいなあ、と。やってまったことはやってまったことでケジメをつけて、それはそれとしてやりたいことをどんどんやってほしいと思います。まあでも、私がどうこう言っても仕方ないんですけどね(笑)。なんであれ、この絵は、彼らに救われた一人として、何か形にしたい!しなければ!と思って描いたわけで、それでいいのであります。ここにあったカステラを食べた奴は誰だ!(笑)

●コピー用紙に鉛筆・シャーペン。透明水彩で着色。フォトショップで色調調整。

というわけでお終いです。絵の紹介なのに、なんかたくさん書いてしまいました。でも、絵は模型と同じで、作ってるときはあれこれ考えることや発見することが多いです。先にも書きましたが、普段はチラッとしか見ない写真を何度も見て、初めて気付くこともあったり。こういう文章もそうですが、何かを形にするっていうのはそういう意味でもいいことなんじゃないかなあ、と。そういうのをちょっとでも書いておきたいなあ、と思ったら結構な分量になってしまいました。すいません、ほんと。

あと、フォトショップで色調調整をしてるのは、スキャンしたらどうしても原画の色合いが出ないので、原画に出来るだけ近くなるように調整しているからです。絵を描くのはアナログなんですけど、こういう調整とかちょっとした修正など、デジタルはほんと重宝してます。

というわけで、また。

最後に、関係してるエントリーを貼っときます。よろしければご覧下さい。




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