森男の活動報告綴

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四式中戦車試作型 ファインモールド 1/35

2013年10月14日 | AFVの模型
今日は四式中戦車の試作型(ファインモールド製)の完成品を紹介します。よく考えると、完成後ちゃんと紹介してなかったですね。

試作車両ですが、車両不足のため実戦に駆り出されたという架空の設定です。ほぼストレート組みです。フェンダーをアルミ缶で作ったくらい。増加装甲のキャタピラはモデルカステンのシャーマン用。少量で安い予備キャタピラ用が出てるので、ありがたく活用。取り付け方法は、フェンダーステーなどを使って番線でくくりつけているという想定。実際には強度的に不安かも。ドイツ戦車とかは、専用のフックに掛けてるの以外のは、どうやって固定してるんでしょうね。置いているだけにも見えますが、被弾したらばらばらに飛び散るでしょうし、、、。でも固定すると整備できないし、自重でわりとしっかり載ってるようにも見えますし、、、。よくわからないことの一つですね。

戦車兵は恐いからどんどんキャタピラを載せるんでしょうけど、整備兵は修理のたびにいちいち降ろして、また積まないといけないから、うんざりしてたんでしょうね。「あー、、またあのビビリの軍曹の車両が来たよ!降ろす方の身になれよ!」「気持ちはわかるけど、もうちょっと控えめにしてくれんかなぁ」とかぶつぶつ言ってたのかも。で、ちゃんと元に戻してないと「ここはこうじゃなかったゾ!」と怒られるという(笑)

先日紹介しました、ミリタリーモデリングマニュアル最新号に掲載された量産型と対になるようなつもりで製作しました。マーキングも、量産型が弁財天だったのでこちらは毘沙門天に。画像検索で集めた資料を基に、デザインから創作。クレオスのラッカーで手描きしました。車載重機を持ってるのが我ながらゲーコマだと思います(笑)標語を「見敵必殺」にしたのは一度戦車に「殺」という文字を入れてみたかったから(アブナイなあ、、)。「ム」は「無」の意味(あはは)。カタカナの「ム」は描くのがなかなか難しかったです。ひらがなカタカナは、簡単なようでそれっぽくするのが難しいですね。何度も描いててゲシュタルト崩壊しまくりでした(笑)

左が、ミリタリーモデリングマニュアルに載った量産型です。よく似てますが、あくまで「対」なのであって、決してズボラしたというわけじゃないです(笑)で、弁財天のアップ。こう見ると、弁才天はちょっと趣味に走ってますね(笑)細いラインは、ラインの色の上に、外周の色を重ねて描いてます。このやり方だと、結構細いラインが描けます。手間はかかりますけど、、。これらのマーキングはさすがにほんとの日本軍ではこういうのはご法度でしょうし、かなりフィクションの要素が強い設定です。まあ、そもそも試作で終わった車両の実戦使用という架空の設定なので、伸び伸びとやらせてもらいました。ミリタリーモデリングマニュアルにも書きましたが「上官の改まった検査はもうない」という逼迫した状況を表している、という風に受け止めていただければと。ウソマーキングは、あれこれ考えるのがとても楽しいので、またやろうと思います。

個人的には、三-五式の中では、四式試作型が一番かっこいい日本戦車だと思います。砲塔がちょっとオフセットしているのも日本戦車らしくて素敵です。

車長のヘッドは、タミヤのチハなどに入ってる操縦手。頬などをちょっと彫りこんでやると、結構な男前になります。タミヤのなかでは一番かも。役所広司に似てなくもないですね。砲手はいつもの歩兵セットの擲弾筒手。胴体はミニアートの日本戦車兵セットから。服の造形はいいのですがヘッドはいまいちだったので、今回はパス。でも、ちょっといじってやるとよくなるかもしれません。

九七式車載重機もタミヤ製。銃身が露出した状態を再現しているのはタミヤだけで、形状・ディテールも申し分ないです。でも、ちょっとだけディテールアップしてます。対空機銃架が「く」の字型に曲がってるのは、どうも薬莢受けを逃がすためのデザインのようです。薬莢受けを付けた重機を銃架に装着して、自重で下がった状態にしてみるとそれがよくわかります。以前から「変な形の銃架だなあ」と不思議だったのですが、勝手に納得してしまいました。20発弾倉は対空用だと弾切れが心配なので、雑嚢に予備弾倉を入れてあげました。最上段にチラっとのぞく銃弾も真鍮線で再現してみました(ビョーキだ、、)。

ちなみに、九六式軽機関銃は、一般にチェコのZB26のコピーと言われていますが、大嘘なので注意しましょう。バレルやドラム式のリアサイトなど、アウトラインがちょっと似てるだけで、ボルトの閉鎖機構やレシーバーの形状から何から全然違います。コピーしてるのは、この九七式です!(オイオイ)。こちらは、閉鎖機構からほぼまんま同じで、ヘタするとマガジンも流用できるかもしれないくらいの勢いです(未確認)。これは意外と知られていませんが、あまり広めないようにしましょう。パテント料は、、、多分払ってないでしょうね(チェコが無くなったので)。

後ろの荷物は、水筒とジェリカンと鉄帽以外はエポパテや木で自作。木の樽、湯たんぽ、壺など懐かしアイテムを盛りだくさん。木のトロ箱も知らない間に見なくなりましたね。干物、大根、カボチャなどはエポパテで。こういうのをちまちま作るのは楽しいです。今晩は大根とカボチャと干物をミソで煮込んで酒を一杯、という感じでしょうか(笑)湯たんぽは、飲料水の輸送用として実戦でも使われていました。確かに、割と量が入るし、薄いので携帯性もいいし、リブも付いてて強度もあるので使い勝手がよさそうです。ドイツ軍やアメリカ軍は、日用品もスタイリッシュに搭載している(ように見える)のですが、日本は日本らしく、荒縄で決めてみました(笑)。牽引用のワイヤー(牽引鋼索、という)はホームセンターで切り売りしている(店員さんを呼んでくるやつ(笑))1ミリのワイヤーです。焼きなましても接着は結構大変ですが、やっぱりこれが一番リアルです。

この作品は今年(2013年)のキヤコンで佳作をいただきました。初応募でまさか賞をいただけるとは思ってなくて、とても嬉しかったです。さらに、こういう架空の設定・マーキングの作品でも、評価をいただけたというのも嬉しかったです。この場を借りて、関係各位にお礼申し上げます。

で、製作中から唯一気になっていたのが「こういう派手なマーキングは遠方から目立つので根本的にダメなのではないか」という点。まあしかし「どの国でも目立つ色で砲塔番号などをバンバン書いてるからいいか」と思って勝手に納得してました。でも、やっぱり気になるので実験してみました。

駐車場の雑草の間に置いてみました。

全然大丈夫ですね。
この大きさなら実物では2-300メートルくらいの距離でしょうか。

こちらは100メートルくらい?実戦なら、というかパンツァーフロントなら(笑)必中の距離です。これでも全然OKですね。っていうか、マーキングどうこうじゃないですね。シルエットが丸見えですしね。「お前は戦死だ!」(笑)。こうしてみると、自然の中では塗装の色調云々よりも、直線・平面の人工的な造型が目立つということがよくわかります。どの軍の車両でも草木で偽装するのはそういうことなんですね。なので、いわゆる迷彩塗装というのは、自己満足・自己暗示・自己顕示の部分がかなり大きいんじゃなかろうかという気がします。オリーブドラブ単色をペペッと塗って、季節地域にあわせた草木で偽装する、というのが一番費用対効果に優れた、現実的な方法なのかもしれません。米軍はホント合理的なんだなあ、、。

でも、マニア的にはそれはとーってもつまんない結論なんですが(笑)

というわけでまた。

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