森男の活動報告綴

身辺雑記です。ご意見ご感想はmorinomorio1945(アットマーク)gmail.comまで。

グンゼ ハイテックシリーズ 1/35 Ⅲ号戦車M型(N型改造) 

2014年01月26日 | AFVの模型
ぼつぼつ、過去の作品も紹介していきたいと思います。今ちょっと新しいネタがない、というのもありますが(笑)

今回はⅢ号戦車M型です。グンゼのハイテックシリーズのN型を改造したものです。Ⅲ号戦車は、ほんといいなあと思います。なんといいますか、けなげな感じがして好きです。長砲身型は頑張れば何とかT34に勝てる性能が災いして、最後の最後まで厳しく使い込まれたんじゃなかろうかと思ってまして、そういう雰囲気を出すことを念頭において製作しました。

それにしても、Ⅲ号戦車は最終的にいつまで「主力」として使われてたんでしょうね。「バラトン湖の戦い」(大日本絵画)で、L型が集積場に写ってるので45年でも前線にいたことは分かります。重要地点には配置せずとも、後方や前線左右におかれていたんですかね。でも、44-45年ごろじゃメチャクチャ厳しいですよねえ、、、。「前線の脇を突破された!火消しに行ってくれ!」「ええっ!このⅢ号じゃ無理っすよ!」「うそつけ!前に同じ型のがT34やっつけるの見たことあるぞ!」「いや、そりゃまあ死ぬ気でいきゃあね、、、、、。パンツァー、フォー!(涙目)」てな感じだったのでは、、、。

グンゼのインジェクションキットのラインナップにはM型があり、そのパーツを移植しています。当然、合いもばっちりなので、改造とはいえないかもですね。ハイテックシリーズは難物という印象があるようですが、このⅢ号はメタルパーツの表面仕上げが面倒だった(金属粉が、、)こと意外は、するすると組めました。まあ、同シリーズのバイクに比べれば楽なほうだと思います。組み上げてみるといかにもⅢ号戦車という、素晴らしいフォルムで、メタルパーツやエッチングを織り込んだ繊細なディテールともども今でも通用する傑作ではないでしょうか。

シュルツェンは、キットのはちょっと厚かったのでビールのアルミ缶に置き換えました。ちょっと難儀しましたが、失敗しても材料が無限に(笑)あるので、いくらでもやり直せるのがいいですね。


増加装甲のキャタピラは、M型キットのものが1両分余るので使い倒しています。これでもか、というくらいキャタピラを載せるのが方針の一つでした。そのことで車両の弱さや、乗員の恐怖を演出できるのではないか、と思ったからです。なんせ、正面のどこでも76ミリ砲喰らったらイチコロなんですよね、、。Ⅲ号のものだけでなく、ドラゴンのⅣ号戦車のものも混ざってます。キャタピラを防盾につけるのは、砲の仰俯角ハンドルが重くなるので規定違反だそうです(知人にそういう指摘をされました)。そういえば、実車の写真では見たことないですね、、。そもそも、防盾の増加装甲自体を外していることが多いです。それは多分増加装甲だけでもハンドルが重くなるからなんでしょう。でもまあこれはこれで強そうなので、気に入っています。以上の理由で推奨はできませんが(笑)。車体下部のはドラゴンのスターリンの余り。もちろんこの車両の戦果ではなくて、道端に転がってるのをガメてきた、という設定。

フェンダーはがっつり切り取って、ダメージ表現をきつめにしました。側面はまあここまでグニャグニャにはならないでしょうけど、雰囲気優先で。ライトが無くなるのは困るかな、と思いストックヤードのものを無理やり括りつけたという設定(設定が多いな、、、)。戦場では、壊れても困らないものはほったらかしにするけれど、必要なものは直すような感じだったんじゃないかなあ、という妄想です。

戦車長は顔をチラッとのぞかせている風にしました。帽子、ヘッドフォンの耳あて、ゴーグルはエポパテで。戦車の使い込まれた感じにあわせるように、口ひげを付けて年配の雰囲気に。

タイトルは「死にかけたロバのように」です。Ⅳ号が「軍馬」と呼ばれてたそうなので、じゃあⅢ号はロバくらいかなあ、と(笑)。「ロバのようにこき使われて、何とか生き延びてきたけれど、もうそろそろか、、、」というようなイメージです。ドイツ語は翻訳サイトで出てきた文句をそのまま使ってるので、間違ってるかもしれません。

この作品は、2013年の「第13回中四国AFVの会」で単品部門金賞と土居雅博賞をいただきました。ハイテックの箱の完成見本は土居氏の手によるもので、そのキットを作って賞に選んで頂くとは、、、。いちモデラーとしてほんと感無量です、、。嬉しさのあまり翌月の静岡ホビーショーにて、土居氏にお願いして裏にサインをいただきました!家宝ですね。また、土居氏の御本「ミリタリーミニチュア・カラーリングマニュアル」(イカロス出版)でも大きく掲載していただきました。いやほんと、幸せなⅢ号戦車であります。この場を借りてお礼申し上げます。

それでは。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メンモデル 1/35 ルノーFT17(その2)

2014年01月05日 | AFVの模型
月刊ホビージャパン2014年1月号掲載の「メンモデル 1/35 ルノーFT17」の紹介「その2」です。

「その1」で少し書きましたが、第一次大戦時のドイツ兵を一度作ってみたかったので、今回はとてもいい機会でした。中世の甲冑を思わせる防弾着はとてもかっこいいのでエポパテで作ってみました。よく狙われる機関銃兵などが装備したと言われてますが、割と一般兵も使ってたみたいです。フィギュアはICMの「German Assault Troops」を改造。ヘルメット前面にも、アタッチメントの増加装甲をつけています。空気穴のツノを利用した装着方法が素敵です。本当は、さらに固定用の皮ベルトが付くのですが、忘れてました。

こちらの兵士はヘルメットに迷彩をしました。迷彩は何パターンかあったようです。効果があったかどうかはわかりませんが、塗り分けがレトロでカッコいいですね。小銃はドラゴンのKar98Kを長銃身のGew98に改造。実際は、この銃が後に98Kになるわけです。銃剣はキットの鞘入りのものの刃を削りだしました。弾倉は、5連発を20連に増やすアタッチメント「grabenmagazin」を付けた状態に。grabenはドイツ語で塹壕の意味なので「塹壕弾倉」ということです。要は白兵戦の多い塹壕戦で、弾を装填しているスキをできるだけ減らすためのものです。

塹壕戦は「grabenkrieg」と書きます。以前ここで紹介した資料写真集もこのタイトルでした。つまり「krieg」は戦争という意味ですね。またつまらぬドイツ語を覚えてしまった、、、。一般用語としても使われる「電撃戦」は「britzkrieg」です。ラモーンズの名曲「Britzkrieg Bop」は「電撃バップ」と訳されていますが、正確には「電撃戦バップ」なんですね。、、、どうでもいいですね。

閑話休題。ガスマスクも以前からやってみたかった工作でした。レンズの向こうに目が見えるようにしたかったので、ちょっと細かい作業をしてみました。まずフィギュアの顔にメンソレータムを塗ってから、タミヤエポパテ(速硬化タイプ)を盛り付け、乾燥後に剥がします。それをガスマスクの形に削り、目の周囲に穴をあけ、透明プラ板(今回は、手元にあったお弁当用のアルミ皿のケースを使用)をレンズとして貼り付けてます。レンズの接着は木工ボンドで(瞬着だと曇ってパーになってしまう)。完成したら、顔と目を先に塗ってから接着します。

よく見るとレンズの向こうに目が見えますが、見えます?(ひどい文章だ、、)皆同じ軍装で無個性になった兵士がガスマスクをつけると、更に無個性になります。しかし、目だけが見えることで、なんといいますか、人として最後の個性が残ってる感じになるんじゃないかなーと思ったのですが、どうでしょうか。怯えてるのではなく、戦車の隙をうかがってるようなイメージです。

手榴弾は、第二次大戦時のM24に似てますが、当時のはM1917といって形がちょっと違います。その前にもM1915というタイプがあったようです。ともに、ベルトに差すフックが付いてます。これは携帯に便利だと思うのですがM24ではなぜか無くなってますね。「投擲時の弾道が狂う」とか何とか、ドイツ的へ理屈をつけたのかも。収束手榴弾は、この頃からの伝統のようです。これ、ホント凄い威力だったでしょうね。ルノー程度なら、真下のいいところに投げ込めたらひっくり返るかもですね。なのでこの情景の場合、戦意のあるドイツ兵2人にはまだ勝機があるわけです。

ルガーは、8インチの「ランゲ・ラウフ」タイプ。長い銃身にタンジェントサイト、着脱式ストック、32連スネイルマガジンと、拳銃としてはかなり凶悪なものです。オリジナルはセミオートですが、ごく少数ながら、ローカルメイドのフルオートタイプもあったようです。

ルガーはキットの4インチタイプを改造し、できるだけディテールアップしようとしたのですが、もうこれが限界でした。アップにするとちとキツイですね。ストックやマガジンはエポパテ製。もうちょっと頑張りたいところですが、、、。

鉄条網は、市販のエッチングを使用。各メーカーで出ているようですが、基本品切れのようですので、見かけたら買っておいて損はないかと思います。今回は、昔使った残りがあったVOYAGER MODEL製を使用。戦場写真をみると、巻き方はもっと密度があり、想像以上にキッチリ敷設されています。工事現場みたいです。しかし、それを再現するとなるとほんと大変なので、あくまでイメージとしての表現にとどめました。

土嚢は、紙粘土で作りました。一つはキャタピラに踏まれて破れた感じにしてみました。中身(木の粉を使用)がどざーっと出てるようにしたつもりですが、どうでしょう。紙粘土は、乾燥時期を見計らえば、意外と細かい工作もできそうなので、いろいろと使えるかなと思ってます。

水溜りは、いつものリキテックスのグロスポリマーメディウムで。キャタピラに付いた泥の水分の表現は、タミヤエナメルのクリアーを使ってみました。これはこれでいいとは思ったのですが、もっと別の素材も試していくつもりです。地面は百均の木粉ねんどを使用。ぺたぺた盛り付けてならすだけで、地面っぽくなるので気に入ってます。

というわけで、やっぱり長くなってしまいました。すいません。

それでは。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メンモデル 1/35 ルノーFT17(その1)

2014年01月04日 | AFVの模型
月刊ホビージャパン2014年1月号に掲載されました「メンモデル 1/35 ルノーFT17」の情景を紹介します。

私にとって初めての第一次大戦の情景です。ルノー・塹壕・ガスマスク&アーマープレートを付けたドイツ兵などなど、以前からやってみたかったものばかりでしたので、やりがいがありました。誌面にも書きましたが、小さい戦車とはいえ、向かってこられる兵士からすると恐怖の的だったはずです。そんなイメージで製作しました。

メンモデルのキットは、なんといいますか、とても意欲的な内容で組み立てていて楽しかったです。サスペンションに金属パーツを使ったり、これでもかというくらいインテリアを再現していたりと、完成まで飽きずに取り組むことができました。普通は、これくらいパーツ数が多いとだれちゃうんですけどね、、。模型ずれしている人(私か?)ほど新鮮で楽しめるんじゃないかと思います。キャタピラやサスペンションなど脚周りも精密で、泥で汚すのが惜しかったのですが、塹壕戦ジオラマなので、仕方なく(?)ドロドロに。でも、実際はアウトラインが分からなくなるくらい、もっとひどくなるんじゃないかと思いますけど、、。

メーカー名のMENG MODELはホビージャパンでは「メンモデル」と表記していますが、モデグラやアーマーモデリング誌では「モンモデル」としてますね。ほんとはどっちかな?と思い中国語に堪能な知人に聞いてみたところ、正確に言えば「メン」と「モン」の中間くらいの発音だそうです(わからん、、)。なのでどちらでもOKといえばOKですね。MENGの漢字表記がないのでなんともいえないそうですが、多分「夢」の意味ではないかとのこと。 「夢模型」。なかなかいい名前かも。

LE TIGREは、連隊名のようです。ルノーなのにタイガーってのはいいですね(笑)スペードのマークも素敵です。目立つけど。ご存知の通りルノーFTは車体をキャタピラで挟み、回転砲塔を持つなど、近代戦車の基本形となった車両です。が、よく考えるとルノーが戦車の始祖を作ったメーカーなのは面白いですね。今はそんなこと無かったような顔をして、おしゃれな車作ってますが(笑)

塹壕を越えるジオラマは見たことがありそうでないような気もしますが、どうなんでしょう。塹壕は一度作りたかったのですが、塹壕を越える前後の状況にすると、どうしても面積が多くなって間延びしちゃうし、手間が増えるんですね。それで「越えちゃうようにすればコンパクトになるぞ!」と思いつき、こういう風になりました。実に後ろ向きの消極的な発想だったのです(笑)。でも、こっちの方が迫力が出たような気がして、気に入ってます。

一応「グオーッ。キャリキャリ」とか言いながら手で動かしてシミュレーションしてみましたが、これくらいの塹壕の幅なら越えられそうです。下にキャタピラがたれてるのはなんか変な感じもしますが、実際も多分こうなるかとそれでもたれすぎにみえますが、これでインスト通りの枚数です。たしか、一枚減らすと回らないくらいキツくて逆に不自然だったような記憶がありますが、どうだったかなあ(もう忘れてるよ、、、)。塹壕内の鐘は、毒ガス攻撃時の警報用です。資料写真をみると、どれも専用のものではなく、どこからかガメてきたもののようです。自作のトライアングルもありましたが、なんのこっちゃなので鐘にしました。

塗装は、クレオスのラッカーにタミヤエナメルでウオッシング&チッピング&フィルタリング。油彩を少々。パステル粉で錆・埃表現。といういつもと同じ感じです。ファレホなどアクリル系の塗装もやってみたいのですが、大量のラッカー・エナメルの塗料を抱えてる身としましては、もうちょっとかじり付いときたいところです(笑)

あ、また長くなったので2回に分けます。次はフィギュアとか細かいことについて書きます。

※喪中のため、新年の挨拶は省略させていただきました。ご了承下さい。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする