森男の活動報告綴

身辺雑記です。ご意見ご感想はmorinomorio1945(アットマーク)gmail.comまで。

モーゼル・ミリタリーM96(エルエス 1/1)

2023年10月22日 | 銃の模型
今回はエルエスのプラモデルガン、モーゼルミリタリーを紹介します。先日久しぶりに箱を開けてみたのですが、やっぱりとてもよくできてて、ちょっと感動。これは紹介しなければ!となりました(笑)

エルエスは今はないプラモデルメーカーです。アラフィフ以上の方ならよくご存知かと思いますが、若い人は知らないかもですね。ウィキによると1992年にお店を畳んだそうです。でも、今も製品としては息づいてます。マイクロエースのプラモの多くは元々はエルエス製なのですね。例えば32の懐かし系の自動車キット(オーナーズクラブ)、72の日本軍機(96陸攻や彗星)などがそうです。

エルエスは1/1のモデルガンやエアガンも発売していて、この点は他のプラモデルメーカーとは少々違う立ち位置、という印象でした。今もマイクロエースがドイツ軍のM24や日本軍の九七式手榴弾を発売していますが、これらも、もともとはエルエス製です。モデルガンシリーズは完全ディスプレイモデルで、今回のモーゼルはじめS&Wやコルトのリボルバー、M16やAKMの長物まで多くのラインナップがありました。

今回紹介するのはそのラインナップのひとつ、ということです。シリーズの発売時期はウィキによると75年から80年代前半頃のようです。どのモデルも今では絶版で、ヤフオクやメルカリでもあまり出てこないです。私は世代的には少しずれてて、店頭で見かけたことはほぼありません。今回紹介するモーゼルも、大人になってから20年ほど前にヤフオクで入手したものです。

前置きが長くなりました。えーと、モーゼルの話ですね。箱はこんな感じ。うーん、ええですねえ、、、。背景の地図の演出がきいてます。
後述しますが、この絵、通常のモーゼルミリタリーとはちと違いますし箱の中身より銃身が短いです。ボロモーゼル(銃身が短くグリップが小さいタイプ。ロシア革命前後、ボルシェビキたちが愛用していたのでそう呼ばれている。ボルがボロになまったそうな)のようですが、グリップは通常型という「?」なイラスト。またM96とありますが、このタイプは通常はC96と呼ばれています。M96と呼ばれることはあんまり(全く?)ないような?

箱側面はこんな感じ。昔のプラモって、値段が印刷されていました。1500円だったんですね。
1970年代後半から80年ごろなら今でいうと3-4000円くらいの感覚でしょうか。子供がすぐ出せる金額じゃないですねー。

箱を開けるとこんな感じ。シュリンクパックでビッシィ!!とキメテます。
昔のプラモって、こういう風にパッケージが凄く凝っているものが多くありました。要は子供の購買欲をそそらせる、という技ですね。実際私も店頭でこういうのを見て「うおおお!」ってなってましたからよくわかります(笑)

現在はこういう演出はほぼないので、ちょっと寂しいですね。しかしこういうのをやろうとしたら、コスト的にちと厳しいでしょうね。逆にいうと、今はこういうことをしなくても売れるものは売れる、ってことなんでしょう。この辺でもプラモとしての商品の立ち位置の変遷を感じることができますね。

パーツ構成としてはこんな感じ。モナカの本体と、内部パーツのランナー、カートのパーツ、金属部品で構成。
後述しますが、かなり忠実に実銃を再現しています。開発時期を考えるとちょっとびっくりしますね。

主要パーツを仮組みしたのがこれ。本当によくできています。モーゼルは生産時期が約40年(1896-1937年頃まで)と長く、時期ごとに細部が変わっており、大まかに前期中期後期に分類できます。これは中期ごろの製品を再現しています。時期でいうと第一次大戦頃です。
キットの設計開発時、どういう風に資料を収集していたのかはよく分からないのですが、寸法的にも構造的にも実銃をリアルに再現しています。

とはいえ、「?」な点もあります。先に書きましたがフロントサイトの形状が変です。段付のフロントサイトは、ボロモーゼルなど小型タイプの特徴で、通常型では見ないものです。ライトモデル(リアサイトを固定式にしたタイプ)にはありますが、そもそも母体が初期型なので違います。

バレルの長さも、通常型より少し短いようでうす。念の為資料(各型式を紹介した「SYSTEM MAUSER」という、バイブルみたいな本。)を見てみたのですが、該当するような型はありませんでした。

このシリーズは既存のモデルガンをコピーした製品もあるそうなのでひょっとすると母体となるモデルガンがあったのかもしれません。しかし、モーゼルは当時でもMGCとハドソン製しかなかったはずで、どちらとも細部が違っています(現物がなく写真だけでの観察なので多分、ですが)。逆に少し変化させてコピーと指摘されることを避けようとしたのか?しかしそもそもコピーじゃないかもだし、、。というわけで例によってよく分からないのでした。今さら新事実が出てくることもないでしょうし、まあ、謎のままでしょうねえ、、。

フレームの中はこんな感じ。詳しい方ならお分かりかと思いますが、ほんとリアルです。例えばマガジンのベースプレートの固定のためのピン用の溝をみればおわかりかと。実銃はトリガースプリングがこのピンのスプリングも兼ねてるんですが、それをちゃんと再現しています。ストック溝もきちんと再現されてます。
また、このシリーズは銃身が「もろズッポぬけ」なのが特徴です。モデルガン好きからすると「うわわわ、、」ってなるんですけど(笑)、スチロールプラスチックの強度もへったくれもないモデルガンですから、OKなんですね。

せっかくなのでマルシンの木製ストックを付けてみました。
いやー、ええですねえ、、。ぴったりではないのですが銃の方の溝を少し削ればきちんと付きそうです。すぐ壊れるでしょうけど(笑) ちなみに、ストック付きのキットも発売されていました。確か3000円だったかと。ちなみにこのキットを落札した頃、そのキットも出品されて競になったのですが、ヒートアップして3万円くらいに(!) さすがに青くなって撤退しました。高値更新されてホッとしたのを覚えてます(笑)今だとまず出てこないでしょうね。出たら幾らくらいになるんでしょうね、、、。

何度も書きますが、このキットはほんとよくできてます。C96のグリップ部の厚みは、後部のストック装着部と前方では変わっています。M1930やM712では同じになってます。この辺が中期と後期の違いでもあります。

こういうのを見ると、ほんと何をモデルにしたのかな?と知りたくなります。

プラモデルガンではあるのですが、金属パーツが多用されています。これがその袋。うーん、なんか色々入っててゴージャスですね。
他のシリーズは十四年式しか作ったことないのですが、金属パーツは多いほうじゃないんでしょうか。十四年式はコイルスプリングだけでしたから(確か)。

今回、意を決して袋を開けてみました。構成はこんな感じ。いやー、凄いですね。
マガジンスプリング、シアバー、エキストラクター、トリガースプリング、セフティ、クリップがプレスのパーツです。接着剤が2種あるのは、プラパーツがスチロール(本体)とABS(ハンマーなど内部パーツ)に分けられているからです。

このエルエスのプラモデルガンの再販を熱望してる方も多々おられるかもですが、恐らくこれまで再版されたことはありません。金型が紛失や損壊、廃棄された可能性もあるのですが、金型というのは一種の資産だそうで、まあそうそう廃棄されるものではないそうです。金型どうこうよりも、こういった金属パーツが再販のネックになってるんだろうなと思います。

プラパーツだけなら金型があれば成型できるんでしょうけど、金属パーツはまた筋がちょっと違います。パーツごとのプレス型とかも必要でしょうし、外注する場合は最低ロット数がネックとなるでしょう。現在なら単価もかなり高くなるはず。そんなこんなで再版されないんだろうなあ、と。

それにしても、クリップまでプレスパーツなのにはびっくりします。とはいえ、実物とはかなり違ってるのですが。奥はマルシンのクリップです。これは実物同様の形状・機能を持ってます。

エルエスのはカートを後ろから押さえる板バネもありませんし、形状的にもかなり大ざっぱなものです。でも、あるとないとじゃ大違い。プラ製にしたらまあ持たないでしょうしね。凄いなあと思います。付属のカートもするりと入ります。

カートは金メッキを施されたものでイキフンチリバツ!です。
弾頭はプライマーまで再現されてます。これ、装填して撃ったら弾頭だけピョーンと銃口から飛び出しそうですけど、そういうギミックではないようです。最初期の製品(どのモデルかは不明。金型は別メーカのを引き継いだらしい)はそういうギミック付きだったとか。

インストはこんなんです。
さり気なくタンジェントサイトの機能を教えてるのが偉いですね。

1枚の紙で抑えたかったのでしょう、小さな絵で見開きで一気に完成まで解説していてびっくりします。おおらかでイイですね。
しかしこのスピード組み立て説明で子供たちがどれだけきちんと組み立てられたのか?というのはまた別の物語ですねえ、、。こういう可動部が各所に絡んでくる構造のプラモデルって、各パーツの機能と意味をきちんと理解していないとまあ難しいですから。手だれの高学年以上でないと難しかったんじゃないかと思います。

この分解図をみるとメチャクチャ忠実に再現していることがお分かりになるのでは。
シアバーなど、パーツ形状が違うものもありますが、機能的にはほぼ実銃どうりです。スゲーなあ、、。と思って見てたらロッキングブロックがないですね。キットにはちゃんと入ってますし、リストにも載ってます(26番)。描き忘れたんですね。

というわけで、こういうキットでした。ほんと作ってみたいんですけど、まあもったいなさすぎて無理ですね(笑)

他社とのモーゼルとの比較です。左からマルシンC96(M712改)、エルエスC96、マルシンM712(ドンガラ)、フジミM712です。

マルシンとエルエスの開発時期は結構差があるはずなのですが、エルエスがほんと頑張ってるのがお分かりになるかと。フジミのは、アウトラインがちょっともっさりしてますね。けどなんか渋くて好きです。これはこれで面白いガスガンなので、また単体で紹介してみたいですね。

というわけでお終いです。ほんとこのモーゼル、あともうひと箱持ってたらぜひ作りたいんですけど、もちろん持ってないのでそのまま死蔵しています。もし今出てきても見組み立て品なら余裕で万越えでしょうし、入手することはほぼ叶わないでしょう。うーん、残念、、。十四年式やAKMともども再販して欲しいなあ、、。十四年式は、先にも書きましたけど金属パーツはコイルスプリングだけなので、再販もやりやすいと思うんですけどねえ。今なら5000円くらいになっても売れるはず!(多分) 私はとりあえず2箱は買います(多分) でもまあ無理かなあ、、。

それでは。


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イラスト集(その10)

2023年10月07日 | イラスト集
今回はイラスト集です。ついこないだやったのに?でしょうけど、今回は昔描いた絵特集です。先日フォルダを漁ってたら出てきて、懐かしいなあ、、と。

どれも大体30-20年前くらいのです。高校生から社会人になってすぐくらいのころのんですね。とても稚拙で(今も稚拙ですけど)恥ずかしいんですけど、これはこれでおもしろいと思ったので一部をUPしてみます。

昔のことなので、なぜ描いたのか覚えてないものが多いです。これもそれ。
確か高校生くらいのころ。戦車が描きたかったのかなあ、、。ユーゴとかその辺の東欧の戦乱の写真を元に描いた記憶が。文字とかは適当でしょうね。なんであれ、ゴチャゴチャ描き込みたい!と思うのは昔からなんだなあ、と。描いてるうちに手段が目的になっちゃうんですよね(笑)


これはスヴェン・ヘディンの画集「ヘディン素描画集」(白水社)を学校の図書館で見て「すげー!」となって描いたもの。
ヘディンの絵をご存知の方は苦笑されるでしょうけど(笑)まあ今見ても影響されたってことだけはわかりますね。彼は中央アジアなど訪問先の風物を描いてて、それがどれも凄い素人裸足の絵なんです。で、人々の肖像画はどれも目の力が凄いんですよ。「ああ、大事なのはやっぱ目なんだろうなあ」と思った記憶が。

ご存知の通りヘディンは探検家で「さまよえる湖」でよく知られてますね。多分、写真機材の節約のため記録を絵で補完するという目的だったと思うのですが、その目的をはるかに超えて芸術的なものにまで昇華しています。ほんとスゲーので、機会があればご覧になってみてください。

これはそういうテイストを念頭に置いてペンで描いたもの。
ご覧の通りササッと描いたものです。けど、今見るとなんかいいなあと(自分で言うな)。とはいえ、今同じものを描こうとしても描けないかなあ、と。自分なのに。不思議なものです。

これはある小説を読んで、おおお、となって描いたもの。
でも書名を覚えてないんですよね。困ったものです(さっき探したけど見当たらなかった)。しかし内容はよく覚えてるし、絵をみただけで「あ、これはあれだ」ってなるのです。絵で感想を描いてるようなものなんですかね。この絵を見た方が「あの小説では」って当たってたら凄いですね。どうかしら?

これはこういう漫画を描きたいなあ、と思って描いたもの。
どういう漫画か、というとおぼろげにしか思い出せないのですが(こればっか)。でもこういうの描きたかったのかなあ、というのはわかります。しかし、こういうの描くのはメチャクチャ勉強して、かつ何かあったら即腹を切る覚悟でやらないとダメですね。若気の至りだなあ、と。

で、なにが「こういうの」かというと、ムニャムニャ、ということで(笑)

グラマンF6Fです。ペン画の上に薄墨を塗ってます。高校生くらいの頃の。
確か、これまたこういう漫画を描こうとして試しに描いた記憶が(ほんとこればっか)。飛行機って描くの難しいんですけど、これは今見てもグラマンしてますね。偉い偉い。でもこれ写真を写しただけなんですよね確か。

グラマンは嫌いですけど好きですね。いい飛行機と思います。B29も嫌いですけど好きです。素晴らしい飛行機です(なんやねん)。

サモトラケのニケです。この像はとても好きで、それで描いたような。ペンの練習をしてた頃です。92年だから高校生ですね。日付、書いとくもんですねえ。
この像はとても有名だし好きな人も多いですね。頭部がない、というのがその理由なんでしょうね。観る人それぞれが理想の顔を想像するという。それは製作者の意図を離れたもので、創作のプロセスとしてはイレギュラーなものなのですが、結果的にそれが芸術的価値をかなり高めているという。古典美術なのに評価のベクトル的には現代美術としてカテゴライズすることもできるという。おもしろいですよね。不完全なのに完全、という不思議な像です。もし頭部があった状態で発掘されてたらここまで有名になってないだろうし、この位置にはいなかったわけで。

ドラえもんがいたらそういう道具(折れたところに塗ったら欠損部が生えてくる、みたいな。そういうのなかったかな?)で顔を再生してもらいたいなあ、という気もしますが、ブーイングが起きるかも(笑)。まあ知らないのが幸せ、なんでしょうねえ。

というわけで最後です。「風の谷のナウシカ」(徳間書店)4巻のP61の模写です。
これまたペンの練習のために描いたんですね。なぜこのページなのかは覚えてないです。多分、主要キャラがでてなくて描きやすい(似ないと凹むので)のと、機銃と自動小銃が出てるからだったと思います。自動小銃はこないだ絵にしてUPしましたね。

で、この漫画のほとんどのページは鉛筆で描かれたそうです。後日それを知りました。「風の谷のナウシカ水彩画集」(徳間書店)にどの濃さの鉛筆がいいのか調べるための印刷確認用のカットが掲載されてて「えー!!」と(笑)

宮崎氏の密着ドキュメントで、ペンで描いてるシーンがあったのですがあれは演出だったのかなあ、、。あのページはどこだったのか知りたいですね。ビデオに撮ったはずなのですがどっかにいってしまった、、。

こういう模写って、どのコマもガン見しますのでいろいろ発見があるのでとても有益ですね(っていうほどやってないんすけど)。漫画を読んでるときはやっぱり流してしまうので、気付かないところも多いな、という。

例えば最後のコマ、飛び散る破片の中に薬莢が描かれてます。前のコマで「弾薬集積所に落ちるぞ!」とあるので、箱の中身は弾薬だと分かるのですが、絵でも説明してるんですね。けど、読んでるだけだとなかなか気付かない。けど、描き手はきちんと説明しているという。

もしこの漫画を全部模写したら、ほんとにたくさんのことがわかるんだろうな、と思いますけど、その時間があるなら自分のものを描いたほうがいいんだろうな、とも。難しいところですね。

というわけでお終いです。とまあ、私はずっと絵を描いてるんですね。そのわりに全然上達してないですけど。でも楽しいのでいいか!と思いながら描いてます。絵はええですねえ、、。

それにしてもこれらを描いてる当時は、誰に見せるためでもなく自分で描いて「よっしゃよっしゃ」と悦に入るという自己完結・自己満足の極みみたいな趣味でした。それが今はこうやって全世界に恥を晒せるわけです。当時はこういうことができるようになるとは夢にも思いませんでしたね。スゲーですねほんと、、。でもありがたいことです。一目でも誰かに見てもらったらこれらの絵は成仏できることでありましょう(多分)。

あと当時はペンの練習をとにかくしてたなあ、と。今は全然ペンで描いてないのでまた再開したいです。ペン画、ほんと面白いんですよね。

それでは。


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