今回はタミヤのクォードの製作・紹介の完結編となります。前回はこれを完成させて今年4月の中四国AFVの会に出品できるかどうか!乞うご期待!(誰も待ってない)って感じでしたね。
結論からいうと、AFVの会のレポートでもお知らせしましたが、完成して出品できまして、その上アーマーモデリング賞まで頂きました。あー、よかった、、。
で、今回はその製作記の完結編として完成状態を紹介します。
完成形の全景はこういう感じです。
キットの各ユニットを牽引状態で連結した状態で、単品仕上げとしました。
ほんとは、このベースの上に簡単な地面を作って載せたかったのですが、時間切れでした。
でもまあ、これはこれで単品らしくて(?)いいかなあ、という気もしてます。
上から見るとこんな感じ。いいですねえ、、。連結・牽引は男のロマン、、。仮組みしているときに、直線状態より曲がった感じの方がカッコよかったので、そうしてみました。
車両も砲も単体だと、それぞれ小さめのキットなのですが連結することで結構なボリュームになります。こういうのは模型のマジックといいますか、楽しいところですね。大砲というものがどうやって運用されていたのか、実感としてぼんやりながらも理解できます。こういうのを一箱のキットにしたタミヤって凄いなあと。値段に対してとにかくゴージャス、なんですよね。発売時価格1000円で、今1900円ですよこれ。
各単品のキットとしての質はもちろん申し分ないです。少ないパーツで細かいディテールをきちんと再現しているのはタミヤスタンダードですね。
キットをお持ちの方はお分かりかと思いますが、作る前は「パーツ少ないなあ」って思うんですけど、塗って仕上げると「いやこれで十分だなよ」ってなるというタミヤマジック(笑)
フロントグリルのメッシュとか、窓枠のリベットとか、キットそのままでこれですからね。
バンパーは裏をちょっと削って、ダメージ表現をしています。けどそういうディテールアップする際の素材としても各パーツが基本からしっかりしてるのでとてもやりやすいです。そうじゃないキットって、そのスタートラインにまず持っていくのが大変なんですよね。
天井のキャンバスのフィッティングもとてもいいです。でも端っこはそのままだとちょっと隙間ができるので(まあこれは仕方ない)より密着してるようにちょっと削ったりしました。固定用のスナップのポッチは、板鉛をビーディングツールで打ち抜いたリベットで置きなおしてます。
それにしても、キャンバスの下のバッテンの骨組みが透けて見えるような造型は凄いですよねえ、、。
タイヤ周辺のメッシュのカモフラージュネット(のつもり)は、医療用のガーゼを巻いて、ラッカー塗料で目止めをしたもので再現。キットにはそういうアクセサリーが何個かあるのですが、ディテールアップすると大変なので、そこは割り切りました。
でも、素材は素朴なものでやりたいなあ、ということでガーゼを使用。テーマは「昭和なプラモ製作」ですからね(いつ決めたんだ。笑)
ベルトはパックス石鹸歯磨きのチューブの薄い金属板を使用。今はプラチューブになってるんですけど、ちょっと前までは金属板だったのです。そのためにこの歯磨きを使ってたという(笑)それを大事にストックしてるんですね。この柔らかさはちょっと他にはないので重宝してます。けどもうさすがにストックがなくなってきました。油絵の具のチューブとかが使えるかもと思って、とってはいます。
塗装は普通にラッカーを使用。濃い目にして、何度か重ねるように塗るとガーゼの目止めができます。あと、手に塗料が付くか付かないかくらいの半乾きの頃に車体の置きたいところに載せてフィッティングしてやるとよいです。乾燥するとそれなりに欲しい形状になってくれます。
他のアクセサリーパーツは、キット本体同様素材を生かして一部ディテールアップしてます。バッグなどは、デザインナイフで細部をコリコリやって凹凸をはっきりさせていきます。
左のバッグがてかってるのは、分かるように油彩を流したからです。左右のパーツともデザインナイフで彫ってからサラサラタイプの接着剤を流してます。こうするとエッジが馴染んでイイ感じになります。
こういう風に布を巻いたアクセサリーはキットのままだとこういう感じ。
巻いた感じがちと甘いのですがこの辺はもう成型上仕方ないんでしょう。っていうか時期を考えると十分でしょうね。
で、デザインナイフで彫ったのがこれ。
ちょっと大味ですけど、これくらいはっきりくっきり彫ってやった方が塗装後の見栄えはいいように思います。で、これみてたら「昔こういうキャンディあったよなあ、、」と懐かしくなってしまいました(笑)ありましたよね?茶色と白のやつ。あれ、美味しかったなあ、、。まだあるのかなあ、、。
おっと、懐かしがってる場合じゃないです。すいません。25ポンド砲もとてもよくできています。できています、といっても私はこの砲のことをほとんど全く知りません。とはいえ、じゃあ他にどんな砲のことを知っとんねん、と聞かれると「あうあう、、」ってなるんですけど(笑)
でもまあ、それはそれとして作ってたら「ああ、これはよく再現できてるんだろうなあ」ということだけは分かります。分かるんですったら(笑)
なんであれ、このディテールは凄いですね。これまたほとんどディテールアップしてません。
砲架の下の大きな車輪状のものは、砲を据え付けた後に、方向を変える時に回転させるための台ですね。防楯右上の袋状のケースは照準器入れかな?移動時は照準器外すんじゃないかと思うんですけど、よくわからんのでそのままにしました。よくわからんでも勢いでグイグイねじこんでいくのが模型製作を潤滑に進めるコツですはっきり言って(笑)
砲身は大砲のキモなので頑張って合わせ目を消します。また、こういうところは高品質の鉄を使うので(多分)錆びたりとかはあまりしないようです。塗装がはがれても、そこが錆色にはならず銀色のまま、という印象です。なので、ウェザリングも他のところとはトーンを変えます。
ちまちましたことですけど、そういうところで変化を付けている(つもり)んですね。
防楯のスコップとロープはキットのまま。ロープはデザインナイフで出来るだけディテールを浮き上がらせています。けどこれ、今から考えたらロープじゃなくてワイヤーなのかも。でもまあ、いいか!(笑)
この防楯はシンプルな形状ながら個性的ですよね。丸い台座ともども25ポンド砲のイメージを強めてます。
で、パンの袋のアレ、子供の頃から「25ポンド砲のに似てるよなあ、、」って思ってたので並べてみました。
想像以上に似ててびっくり(笑)下側の山状の切り欠きはクリソツ!(笑)で、このアレで大砲とか作っても楽しかろうと思っちゃったりもなんかしちゃったりして。子供の頃って身近なものを見て「あー、アレに似てる、、、」っていう妄想、してましたよねー。あ、今もしてるか、、、。
おっと、話がまた逸れてしまいました。すいません。こちらは弾薬車。
車両と砲の間の地味な存在ですけど、もちろんキッチリとした仕上がり。あと、アクセサリーパーツを載せる舞台としても重要ですね。
砲弾はこの上に置くのがベターのような。置いてみたらピッタリでした(当然か)。
こういうちまちましたパーツ、子供の頃はきちんと仕上げるのメチャ苦手だったんですけど大人になったのでグッとこらえて作れるようになりました。で、砲弾とか特にそうですけど、ちまちまとパーティングラインを消したり色をちゃんと塗ったりするだけで存在感のあるアイキャッチになってくれます。それにしても、MMはアクセサリーが豪華なのでいいですよね。
というわけでお終いです。いつものことですが着手から完成まで1年ちょっととえらい時間がかかってしまいましたが、できてよかった。っていうか作っててほんと楽しかったです。プラモってこうじゃきゃなあ!って感じ。お勧めです。
初期タミヤMMはまだまだ作りたいの作りなおしたいのお手つきのと多々ありますので、これからも楽しんでいきたいですね。
最後にお知らせです。
私の所属する徳島モデラーズ倶楽部の展示会が9月7・8日に開催されます。会場は徳島市シビックセンター ギャラリーA・B(徳島駅のすぐ近く)です。ぜひおいで下さい。私ももちろん参加出品します。
詳しい案内(会の公式HP)はこちら↓
今年は通年どおりの作品展示以外に、会員の江口健司氏(2019年逝去)の追悼展示も行います。江口氏は1/700の艦船模型を主に製作しており、精密緻密な驚異的な作風で知られていました。これは「揚陸指揮艦 ブルーリッジ」(ピットロード 1/700)撮影・横山謙氏
これ、1/700なんですよ、、、。
氏の作品はどれも素晴らしく、目を見張るものばかりでした。個人的に氏の作品から得られるものは多々無数にあり、新作をいつも楽しみにしていました。逝去されたのは本当に残念です。展示は作品のごく一部となりますが、一見の価値は十分にあると思います。
また、当会で氏の追悼作品集も製作しました。展示する一部の作品を掲載しています。
先の横山氏の撮影した写真を使用したもので、B4二つ折りの小冊子です。1部50円で頒布します。追悼展も作品集の頒布も今年のみとなりますので、興味のある方はぜひおいで下さい。