森男の活動報告綴

身辺雑記です。ご意見ご感想はmorinomorio1945(アットマーク)gmail.comまで。

十四年式拳銃の再仕上げ (マルシン製ガスガン)

2018年08月26日 | 銃の模型
マルシン製のガスガン、十四年式拳銃(前期型)を再仕上げしています。一度塗装してたのですが、あちこちが剥がれてきたので、何年か前にバラして再仕上げしようとして途中でほったらかしていたのです。塗装寸前まで出来ていたのですが、そのままになっていました。先日、思い立って再開したというわけです。

数年前に出来てたのはこの段階。前の塗装を落として、表面をならしなおしたくらいです。バレルはちょっと太いのである程度削って細くしてます。もっと細いかな?という気がしますがまあこれでOKとしました。


トイガンの再仕上げは、平面とエッジをどれだけきちんと出せるかがキモじゃないかと思ってます。再塗装に当たって、もう少し詰めて頑張ってみました。

400番のペーパーを小さい板に両面テープで張って、コシコシと研磨します。トイガンは、プラスチック樹脂の射出成型品ですので、平面やエッジは微妙に凹みやゆがみがあって、厳密にはピシッとした平面やエッジではありません。この辺をちょっとでもなんとかピシッとするように頑張るのが、トイガンの再仕上げのキモなんですね。あー、でもほんとメンドクサイ(笑)

右側の刻印はちょっと浅いので、布団針で少し彫り込んでます。

上段左端のマークは名古屋造兵廠のもの。名古屋城のシャチホコをモチーフにしたものだそうです。うーん、粋ですねえ。隣の「南」は中央工業(旧南部銃器製造所)のマーク。民間の中央工業で製造した製品を、名古屋造兵廠で検定した、ということです。下の「條」は、東京の第一陸軍造兵廠(北区十条にあったとのこと(昔は「條」だったのかな?))の刻印です。この辺はよくわからんのですが、名古屋で一旦「仮OK」が出て、最終的に東京の造兵廠で「本OK!」と認定したということでしょうか。刻印の類ってわけわかめですね、ほんと。でも、ここまで細かい再現をしてくれてるのはたまらんですね。マルシンさん偉い!!書くのが遅くなりましたが、この十四年式は、全体のフォルムとかディテールの細かさ、トイガン自体の性能などなど、総合的にほんと傑作だと思います。

こちらが今回使用したスプレー。キャロムのメタルブルーコート。以前使ったブルーの塗料よりも新しい製品のようで、試しに買ってみました。3000円くらいです。キャロムの塗料は過去何度も使ってますが、色合いといい塗膜の強度(トイガンは塗装・完成後に何度も触るので(当然ですが)この点はとても大事)といい、ほんと文句ないです。亜鉛など金属パーツへの食いつきも全く文句ないです。いまいちな製品だと、後からはがれたりするんですよね。



トイガン用のスプレーは、ものによっては飛沫が凄いので、念の為外で塗装するようにしてます。あとで塗面研磨をするので何度も何度も重ね吹きします。そうしないとエッジから下地が出てきてパーになってしまいます。


数日乾燥させた後(缶に書かれた説明では24時間で完全乾燥とありますが、念の為)、板に張った2000番のペーパー、6000番のラプロス(クレオスの布ヤスリ)でムラや凸凹をならし、タミヤコンパウンドの仕上げ目で光沢を出します。


これでほぼ仕上がった状態です。ビール片手にためつすがめつしながら、いやー、なかなかいい感じ、と悦に入るたまらん瞬間です(笑)「軍用拳銃なのにこんなにピカピカなのはおかしい」という突っ込みが入りそうですが、日本軍の小銃や拳銃って、大戦末期の粗悪品を除けば、メチャクチャ綺麗な仕上げだったのでこれでいいのです(笑)ほんと、当時の製品を写真とかで見ると、日本の銃器って軍用銃とは思えないくらいの最高の仕上げが施されています。ピカピカの銃を大切に大切に磨いて磨いて大事に大事に取っておいた、ような。撃つのもはばかれるような、、、。「戦争とかする気なかったんじゃないの?」とすら思います(笑)

しかし、一方で、私の仕上げは実のところは順調にはできてなかったのでした。

研磨していたら、表面がまだら上になってしまったんですね。どうも、重ね吹きする際に缶をよく振らなかったせいか、吹くたびに色調が変わり、それが地層のようになってしまいました。

「うわっ!やべー!」と研磨を続けたら左面は、上の写真のように色調が落ち着いてくれました。でも、右面はとうとう下地が出てしまいました。スプレーは使い切ってしまい、缶のガスがなくなってプスーともいわなくなってしまいました。要するに完成寸前で窮地に陥ったわけです。まあ、あと3000円出して新しいのを買えば済む話なんですけど、それをやったら負けなわけです。しかも今月のお小遣いはとっくに底をついている、、、。アマゾンで「ポチッとな」したら、また嫁の森子(仮名)に怒られる、、、。ぐぬぬぬぬ、、、、どうするよ、俺!(アホですね)


で、こういうときはビールなどを飲んで(ヲイ)頭を冷やすのに限ります。ガスはなくなりましたが、缶を振ってみると中には割と塗料が残っているような感じがします。缶を缶切りで開けてみたら、やっぱり底にそこそこ(シャレ)残ってました。噴出すためのガスが無くなっただけなんですね。じゃあ、というわけでこれをエアブラシで吹いてみることにしました。

希釈はクレオスの溶媒液でできました。塗料の攪拌用のカラカラの元は、ビー玉でした。金属の球かな?と思ってたんですけどまあガラス玉のほうが安いですわね(笑)ちょっと青みがかってて綺麗です。記念にとっておきます(笑)。

エアブラシで吹いてみると、ムラもなく実に綺麗に塗装することが出来ました。エアブラシなので屋内でするしかないのですが、恐れていた飛沫の飛散もなくほっとしました。表面の凸凹もほとんどなくて、ラプロスからの磨きで十分光沢がでる仕上げに出来ました。スプレーよりもエアブラシの方がきちんと効率よく塗れるかもしれませんね。エアブラシだったら多分缶の1/3くらいで十分な塗膜に出来るかも。まあ、でもこの辺はまた缶を買って、別のトイガンで試してみないとわからないんですけどね、、。

エアブラシだとうっすらと確実に塗膜を重ねることが出来たのがよかったです。スプレーだと右側の刻印が消えそうで心配だったんですけど、エアブラシだと消えることもなく、かつ塗料も十分に層を作ってくれました。嬉しいので各パーツを仮に組んで、こんどこそ悦に入ります(笑)。いやー、きわどいところでありました、、。

とはいえ、厳密には表面の凸凹は綺麗にならされてないので、アップにするとザラザラした表面になっているのがわかります。もう少し塗料があればもっと厚く塗って綺麗にならしたいところですが、今回はもうギブアップです(笑)


というわけで「うん、こんなもんだろ。もういいや!」というところで手打ちです(笑)リアサイト側面にリューターが当たって凹んでしまいましたが、もう塗料がないので修正はお手上げ。ここはもうグッとこらえます。次に新しい缶を買ったときに何とかしたいと思います。

それでも、まあここくらいまで出来れば上等、かな、、、と、、、(歯切れ悪いな)


実は、十四年式のほかにも仕上げ途中で放置しているトイガンはゴロゴロありまして、私の悩みの種となっております。マルゼンのガスブロのP38もその一つ。今回十四年式をスプレーしていて変なスイッチが入ってしまい(笑)、塗料(キャロムのブラックスチール)が残ってることもあって余勢を駆って塗ってしまいました。

十四年式が仕上がったら、こっちに取り掛かりたいと思ってます。P38もほんとカッコいいですね。

というわけでお終いです。本体は大体目処が付いたので、次はコッキングピースやトリガーなどの金属パーツを再仕上げしていきます。

拙ブログはとにかく「その1」ばかりなので(笑)、なんとかこれは早いうちに「完成」エントリーに持ち込みたいと思ってます。

というわけでまた。

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M4A3 シャーマン タミヤ 1/35 (M4A3 Sherman Tamiya 1/35)

2018年08月12日 | AFVの模型
今回は、タミヤのM4A3シャーマンの完成品を紹介します。

これは5年位前に大体完成してたもので、4年ほど前、「フィギュアを絡めて製作中」というエントリーを書きました。でも、その後フィギュアと絡めるのはちょっと違うかな?と思い、それっきりになっていた作品です。で、もういいか、ということで(笑)「これで完成形!」ということで紹介させてもらいます。

キットはタミヤMMの「122番」です。基本ストレート組みですが、ちょっとだけ手を加えてます。

1981年ごろのキットですが、全然OKですね。っていうほどシャーマンは詳しくないんですけど(笑)、多分シャーマンのキットとしては優れたものの一つ、でしょう。

もともとは敵戦車研究(なんだそれ)のために作ったものです。日ごろ「にっくきシャーマン」とか書いてるわりに、実はシャーマンを作ったことがなかったのですね。「じゃあ1回作っとくか」と思ったわけです。

塗装とかもせず、「素組みでポン!」のつもりだったのですが、こういう風になっちゃった(笑)、という作品です。

お姉ちゃんのマーキングは手描きで、実際にはないフェイクです。描き方とかは後述します。


で、作ってみた印象としては「シャーマン、かっこいいじゃん!」でした(笑)写真で見てもこっそりそう思ってはいたのですが、立体で見ると改めていいなあ!と。車体の平面主体の構成と、砲塔の丸っこさのギャップがとてもいい塩梅のような気がします。

模型がいいのは、写真や図面では分からなかったり、気付かなかったりするところが、とても手軽に把握できるところですね。いやほんと、作ってみてよかったです。

結構好きなのが斜め後ろからのアングル。斜め前から見るよりも、砲塔が後ろに寄っている感じがします。こういうアンバランスなポイントがあるというのも、模型を作ってみないとわかりませんね。

シャーマンに限らず、どの戦車や飛行機でもアングルを変えて眺めてたら「あ、これってこういう風に見えることもあるんだ」と気付かされることが多いですね。それでちょっと惚れ直すこともあったり(笑) これも、模型でなければできないことです。

作ってみてつくづく思ったのが「シャーマンは本当に合理的な戦車だ」ということでした。エンジンを飛行機用の星型エンジンを流用するために車高が高くなった、というのは有名ですね。それ以外にも、足回りの合理性も凄いですね。サスペンションを外付け・独立式にすることで、車体の製造工程がかなり少なくなってるということがわかります。要するに、車体は車体でさっさと作って、同時に別のラインでサスもどんどん作って、最後に車体にペタペタっと付けてお終い、という。キットの工程がまさにそういう感じで「おおおお!こういうことだったのか!」と(笑)

ドイツ戦車とかは、車体にトーションバーサス用の穴を開けたり、それが収まる加工をしたりと かなり面倒くさいであろうことは素人でも分かります。シュペーア(ドイツの軍需相)が、「うちらの戦車もこういうのにしようよー」(意訳)と言ったそうですが、まあ、合理的な思考の人ほどそうなりますわね(笑)

もちろん、乗り心地とかそういうのはちょっと劣るんでしょうけど、そういうのも「そんなん知らんやん。よーけあったほうがええやん。お前らがちょっとしんどいだけやろ?我慢せえや」とばっさりあっさり切り捨てる合理性が働いているような気がします。エンジンのせいで背が高くなるのも同じ理由でしょう。

ちょっとしんどい戦車でも「もしティーガーとかえげつないおっさんと出会ったとて(実際、ドイツ戦車の生産数とか戦線の広がり方とかを考えると、シャーマンのかなりの多くはティーガーやパンターと出会うことはなかったんじゃないかな?と)、戦車だけやのうて、ヤーボとかバズーカとかそういうのも揃えたっとるやろ?コミコミでトントンでなんとかしなはれや」という感じなんでしょうね。で、「まあ、それでもお前らがえらい目に会うことがあるかもしれんのは重々承知や。そんときはそんときで、必死のパッチで治療したるから、頑張りなはれや」っていう、、、。大阪、、いやアメリカって、ほんと怖いと思います(笑)

前から見た姿も素敵ですね。

タイトルはマーキングから。「Get Up Lusy」は私の大好きなバンド「ミッシェル・ガン・エレファント」の曲名です。メチャクチャカッコいい曲です。なんか当時のマーキングにありそうな感じだったので使わせてもらいました。マーキングがフェイクなので、シリアスな作品ではなくなってしまいましたが、まあこういうのもいいかな?と思います。

塗装は、ラッカーを下地に、オリーブドラブに白を加えて希釈したエナメル塗料を平面の隅周辺に吹きつけて、グラデーションを表現しています。

エナメル塗料をこういう風に使うのは変則的な気がしますが、1回やってみたかったんですね。割と手軽でよかったんですけど、その後のチッピングなどの際に拭き取れないので(当たり前)やっぱりやりづらさが勝ってしまい、これっきりとなってます。

チッピングはエナメルで、錆はミグのピグメントをアクリル塗料で希釈したものをちょんちょんと塗ってます。


こうやってみると、エナメルのグラデーションは柔らかい感じで仕上がるので、塗装工程を考え直すなどもうちょっと掘り下げてやってみたいな、と思ってます。とはいえ、エナメルシンナー一発でパーになってしまうのはツライんですが(笑)

UPで見ると、タミヤのキットの凄さがよくわかりますね。パーツが少ないのに、立体感・精密感はかなりのものです。ハッチの取っ手はただの凸モールドなんですけど、気になる人は金属線で作りなおせばいいわけで。私も砲塔ハッチの取っ手は作りなおしましたが、車体ハッチのはそのままにしてます。でも、パッと見気付かないことないですか?

泥汚れは100均の「木粉ねんど」をお湯で溶いたもので表現。枯れた草やドライフラワーの破片を揉みほぐしたものを混ぜ込んで塗ってみました。泥って草などの破片も混ざりこんでますので、こういうのもいいかな?と。

キャタピラはキットのものです。やっぱりちょっとツライので泥で誤魔化してます(笑)キットのは寒冷地用のダックビル(っていうんでしたっけ?)が付いてるのでそれを切り落としてます。切断面が目立つので、左右を逆にして切断面が内側になるようにしてます。

車体後部のスコップとかは、ほんとはオリーブドラブ1色らしいんですけど、変化を付けるために木と鉄色にしてます。

こういうアレンジ、ついやっちゃうんですよね(笑)事実を優先するのか、模型栄えを優先するのかっていつも悩みますけど、やっぱり模型栄えしたほうがいいなあ、と思っちゃうんですね。

お姉ちゃんのマーキングは、油絵の具で描いてます。文字はラッカーです。

油絵の具が乾燥した後に、ラッカーのクリアーをアホほど吹いて、完全に乾燥してから目の細かいペーパーで平面に慣らします。そうするとこの写真のようなムラが消えてしまいます。

これがその状態。それにしても、下着の描き込みが実に執拗でイヤラシイですね(笑)表情などもうちょっと上手に描きたかったんですけど、このときはこれが限界でした。またそのうちこういうのやってみたいですね。

左手に持ってるのが十四年式拳銃なのが我ながらゲーコマです(笑)

というわけでお終いです。タミヤのMMシリーズはほんとにいいですね。今回のように「ちょっとアレが気になるなあ」というとき、そのアイテムがラインナップにあると非常にありがたいです。5000円とかそれ以上の他社のキットだと、こんな風に気軽に簡単に作れませんからね。

シャーマンのように「作ってみたらカッコいいじゃん」っていう車両はいくらでもあるんだろうなあ、と思ってます。そんななこんなで作ったことがないキットがたくさんあるので、また挑戦してみたいと思ってます。

※こういう手描きマーキングの描き方は、以前別の作品(アリイの1/48 コルセア)の製作の際に紹介してます。興味のある方はこちらをご覧下さい。
https://blog.goo.ne.jp/morio1945/e/4b7169efea523dfb211b9d82aabe447d

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