前回は、自室の片づけ中に出てきたものをいろいろ紹介しました。その中の「おとなファミ」でふと思ったのですが、書籍などだけでも1回分にはなるなあ、と思ったので今回は整理中に出てきたそれらを紹介してみます。
で、こういう整理中の常で「あー、持ってた持ってた」となるとつい読み出してしまうわけです。仕方ないですねえ、、。いくつかは、その感想含め紹介してみます。
まずは
●「ズッコケ3人組シリーズ」(那須正幹・作 前川かずお・絵 ポプラ社)
説明不要ですね。私も子供の頃はまって、図書館のはもちろん全部読みました。大人になってからまた読みたいなと文庫版を何冊か買ったんですね。
今回、本棚の奥から出てきて、また読み返してるんですけど、やっぱり面白い。那須正幹氏の軽妙でテンポのいい文章と、前川かずお氏のコミカルかつ温かい絵の親和性がもの凄く、このシリーズの魅力の源となってますね。失礼ながら那須氏の文章のみではここまでの人気は出なかったでしょうし、逆に前川氏の絵も、那須氏の文章(キャラ設定含む)がなければここまでの軽妙洒脱な粋には達しなかったかもなあ、と。要はどちらが欠けてもだめだし、お2人だからこそなしえたシリーズだと思います。
大人が読んでもなぜ面白いのかというと、子供にこびてないんですよね。「子供たちは何も知らないから、大事なことを教えてあげようね」みたいな姿勢がないんです。子供ってその辺敏感ですからね。そして、どの巻も社会や政治、経済、文化、歴史など要するに世の中のことの知識がさりげなくちりばめられていて、面白くかつお勉強臭くない。知らず知らず、それらに興味を持ってしまうように出来ている。
例えば「うわさのズッコケ株式会社」は3人組が株式会社を作ってお金をもうけようとする話です。クラスメートに出資者を募り、株券を作るなど本格的な株式会社を設立して商売(釣り客にお弁当やジュースを売るなど)を始めます。株式会社とはどういうものなのか、商機はどうつかむのか、事業とはどういう風に展開するのか、会社運営や経済のことはよく知らない私もなんとなくですが理解できるわけです。「お金儲けは楽しいけど楽じゃない」ということを楽しみながら読める本って、私にとってはいまだにこの本が一番ですね。
そして、このシリーズの特長として太平洋戦争の話題が意外と出てくるんですよね。1巻目の「それゆけズッコケ三人組」ではハチベエが防空壕に迷い込んで、その結果地元の空襲の様相を彼らは初めて知ります。「あやうしズッコケ探検隊」にはキーパーソンとして戦中衛生兵だったおじいさんが登場。「ズッコケ財宝調査隊」に至っては、太平洋開戦時に行方不明になったという北京原人の骨格標本が物語の主軸になり、かつ終戦直前に朝鮮半島から飛び立った日本軍偵察機のパイロットも主要登場人物となってます。児童書としては結構な頻度です。これは那須氏の何らかの意図があったんだろうなあ、と。で、このシリーズにはそういう要素も込みで私はとても好きだったんだなあと思った次第(笑)。
前川かずお氏の絵も、ほんと素晴らしいですね。挿絵なんだけど漫画みたいだし、けどそのどちらとも違う。そしてディフォルメや描き込みのバランスも絶妙です。こういうのをオリジナリティっていうんでしょうねえ、、。
というわけで、もし機会があればぜひ。とはいえ、私も読んだことがあるのはシリーズの最初の方だけで、中高生以降に出た巻は全く知りませんので、また読んでみたいと思います。
おっといきなり長くなってしまいました。次はこちら。
●深夜特急 (沢木耕太郎・新潮文庫)
これまた解説不要ですね。10代の終わりごろ初めて読んで、何度も読みました。今回20年ぶりくらいに再読しました。いや、ほんと傑作です。
で、今回読んでて「あっ」と思ったのが、これはもう「歴史の記録」になってるという点でした。最初読んだ30年ほど前は、純粋な旅行記として受け止めていました。要するに旅のガイド、みたいな。実際にこれをガイドにして沢木氏のようなバックパッカーになる人も多かったはずです。私が読んだ時期は沢木氏が実際に旅行した頃とは少し離れてて、恐らく15-20年後くらいなんですが、違和感を感じることは無かったんです。
当時は携帯電話もパソコンもなく、バックパッカー同志の情報交換は口伝や安宿の壁の張り紙。現地の人をカメラに撮ったら「後で送ってくれ」とアドレスを渡される。そもそも沢木氏の最終目標が「ロンドンで友人に到着した旨の電報(!)を打つ」ですしね。国際電話は非常に高額でそう易々と掛けられるものではない。時代の大枠はそんなに変わってなかったんですね。
でも、今回読んでいて今はそういうアナログな世界じゃなくなってるのに気付いたんです。隔世の感があるなあ、と。要は、昔の漫画やアニメに黒電話や公衆電話が出てくるのを観たような感じ(笑)。先に書いたとおり本当に素晴らしい旅行記で、読み出したら止らない傑作なんですけど、例えば今の若い人が読んだらどういう風に感じるのかなあ?と。旅行記は旅行記でも歴史物になっちゃったんだなあ、と思ってしまいました。その瞬間(?)に立ち会ってしまったような、、。
そして、世界情勢も大きく変わりました。沢木氏は香港をスタート地点に、タイ、インドネシア、インド、アフガニスタン、ネパール、イラン、トルコを経てヨーロッパに。イタリア、スペイン、ポルトガル、フランスを経てロンドンに到着します。読んでいて「あー、、、。このルート今は無理かも、、」と。
コロナの件も含めると、今はこういう旅行不可能ですよね。バックパッカーが新興国で罹患したら、、(想像するのも恐ろしい、、)。今後、できるかどうかもわからない。できたとしても何年後でしょうか、、。昔できていたことは今もできるとは限らない、いわんや未来をや、ですねえ。
おっと、暗い話になってしまいました。すいません。では次。
●映画「紅い眼鏡」のパンフレット
こういう平とじの薄い本って、本棚の中に埋もれやすくて持ってること自体をすぐ忘れてしまいますね。前回のおとなファミもそうでした。
で、この映画は押井守監督の実写映画の1本目なんです。87年公開。私はその頃中学生なので当然当時劇場で買ったものではありません。入手は大人になってからですね。
映画自体は、確か高校生くらいの時に深夜テレビで観ました。当時、読売テレビで「CINEMA大好き!」というシリーズがあって、マイナー、マニアックな映画とかをテーマを決めて特集的に放送していました。押井守特集、ということで放送されたんですね。確か「天使のたまご」や「迷宮物件」も放送されたような。覚えてる方も多いのでは。
この頃いっぱしのサブカル少年となっていた私は夢中で見ましたね。いやー、あの頃は映画などは情報ばかりが先行してそのものを見ることがなかなかできなかったんですよ。アニメ誌は普通に買えるんですが、ビデオ屋にマイナーな映画ってアニメに限らずまあ置いてないんですね。なので、ビデオ屋を何軒も回って、1本の映画のためだけに自転車で30分以上もかかるビデオ屋の会員になったり、深夜放送のチェックをテレビガイド(これは母親が好きで私が勝手に買っても珍しくお金出してくれた(笑))では欠かさず、ビデオ録画予約を必死でしたりと大変でした。いやー、昔ってとにかく「必死」だったよなあ、、。
おっとまたオッサンの回顧録になってしまった(笑)。すいません。でもこういう「苦労」って時代ごとに変わるんですよね。私の上の世代だとビデオがなくて、映画の放送をカセットテープに録音して、それを聞いて脳内再生した、とかですからね。「ぴあ」の創刊理由も、当時東京の無数にある映画館がいつなにを上映するのか分かる手段がなくて(信じられないかもですが、ほんとそうだったらしいです)、まとめて冊子にした、というのがそもそもなんだそうです(うろ覚えなので注意)。昔は大変だったんだなあ、という。
といって今がゴールじゃないんですよね。30年後くらいに、今の10代の人が若い人に「昔はユーチューブでわざわざキーワードを入力して検索して、必死で動画を探してたもんだ」「ええ!そりゃ大変じゃないですか!!」とか言ってるかもしれない(笑)
で、このパンフいろいろと豪華です。押井監督自らが描いた登場人物のコスチュームデザインなど、資料的価値も高いですね。
確か丁度この頃、最初のケルベロス漫画の単行本「犬狼伝説」が出て、私もはまり出した時期だったんですよね。そう考えるともう30年以上も続いてるわけで、、、。そういえば最近ケルベロス関係の映画も漫画も止っちゃってますね。また復活してほしいなあ、、。
次はこれ。
●映画「海と毒薬」を紹介した「Cinema square Magazine No.46」
これも薄い本なので忘れてました。雑誌のようなんですが(知識がなくてこの雑誌がどういうものなのか知らないのです)、実質上はこの映画のパンフレットになってます。当時この映画のオリジナルパンフってあったのかな?これがその代用として頒布されてたのかどうか含めてよくわかりません。
内容は熊井啓監督のインタビューはじめ、原作の遠藤周作氏の寄稿(これは再掲ですが)など非常に濃いです。
この映画も原作も、ほんと凄いので興味のある方はぜひ。映画も原作も「戦争はダメだ」とかそういう上っ面のことじゃなくて「狂気的な「ある状況」に放り込まれた時、お前は正気でいられるのか?」という根源的な問いを突きつけてくるんですよ。戦争に限らず、人間社会に常に付きまとう「状況の怖さ」を描いた、非常に優れた作品だと思ってます。
遠藤氏の「私にとって不幸なことには、文壇にこの小説を「反戦小説」として受け止める人があった。私の意図にはそこにはなく、私を含めた人間の弱さ、もろさを書くつもりだったのである」という言葉が全てを物語ってますね。
で、再読して「ひえええ!」となったんですが劇中の手術シーンで流れる血って、スタッフとか関係者の血を抜いた本物だったそうです。モノクロ映画なので最初は墨汁とかを使ってテストしたけどいまいちで、助監督の張氏が「本物を使えば」と発案。監督補の原一男氏(!)と血を抜いてきてテストしたら「迫力がある!」と採用。で「演出者の若い人たちと、にっかつ芸術学院の見習いについた人たち、美術助手さんの若い人たちの血を使いました」(熊井氏談)。ひえええええ!!!
そりゃ凄い映画になりますわね、、。気合が違う、、。でもいやほんと凄い映画なのでぜひ。それにしても主演の奥田瑛二さんと渡辺謙さんが若い医学生役って、ほんと時間が過ぎるのは早いですねえ、、、。そういえば「瀬戸内少年野球団」で渡辺さんが元特攻隊員として出てきてましたがあれが映画デビュー作だったそうです。「おばはん、わし本気になるで!」でしたっけ?あの色っぽいおばはんも岩下志麻さんだったし、凄い豪華な映画だったなあ、、、。あ、また話がずれましたね(笑)
「生体解剖」(上坂冬子・中公文庫)はこの事件のノンフィクションです。興味のある方はあわせてお読み下さい。とても濃い内容だったと思います。これはもうン十年も読んでないので、私もまた再読してみます。
で、ひとつだけ言わせてもらうとしたら「だから●●人はダメ」とかいう観点・視点はほんと危険です。そういう属性で決め付けるのは実に簡単で安易な「答え」なんですけど、はっきりいって思考停止です。「よくないこと」をする人たちを、人種や国籍などの属性で判断するのはほんと楽なんですけど、罠です。そんな簡単な話ではない。知れば知るほどそれがよく分かります。要は「お前はどうなのか」です。「そういう自分自身がダメなのかもしれない」という視点は常に持っておかないとアカンと思います。「状況」次第で誰でもすぐ「悪魔」になれちゃうんですよ。ホントですよ、、。
暗い話になりました。すいません。でも、これらはそういうことを深いレベルで考えさせてくれる作品なんですよね。ほんとお勧めです。
薄い本というと、こういう雑誌のおまけの類もよく埋没してしまいますね。
●森薫氏のラフスケッチ集(森薫・月刊コミックビーム07年5月号)と漫画「COPPERS」の読み切り(オノ・ナツメ・モーニング・ツー23号)の付録。
森薫氏は「エマ」「乙嫁語り」の作者です。どっちも好きです。オノ・ナツメ氏の「COPPERS」はNY市警のある分署を舞台にした、警官たちが主役の漫画です。
どちらもそれぞれ付録にするにはもったいないレベル。これ欲しさに買うファンも少なくなかったでしょうね。まあ、でもだから付録にするのか(笑)。で、こういう付録の類って書籍よりも売りに出されることが少ないので後で手に入れるのも大変、という。見たときに買っとけ、ってことですねえ。
森薫さんのスケッチ集は、以後何冊か出てるようですが、すでにプレミアが付いちゃってますね。でも欲しい、、。見ているとほんと、森さんは絵を楽しみながら描いてらっしゃるのがよく分かるんですよね。そして、絵の力・圧力が凄い、、。市警の警官の日常をリアル・シリアスかつコミカルに描いた「COPPERS」はとても好きだったんですが、オノさんは以後こういう漫画を描かれてないようで(人気がなかったのかな?)残念。人物や組織の描写がほんと見てきた様な感じでとてもよかったんですけどね。付録では、キャラの描写が本編よりもディフォルメがリアル気味になっててちょっとした違和感を感じるように描いているのが凄いなあ、と。よかったら本編、読んでみて下さい。短編集「DANZA」には「序章」のような一篇が載ってます。
次は、本じゃなくて地図。
●大正時代の樺太と台湾の地図
地図、とはいえかなりざっくりしたもので大きさもA4用紙くらい。多分学校の教材とかそういうのだったんじゃないかと。
10代の頃よく行ってた古本屋に、事務所に置いてあるような小引き出しコーナーがありました。そこにはこういう小さい印刷物(竹久夢二の複製画とか)がちまちまと入れられてて、たまに覗いてました。そこにあったんです。
安かったので(500円の値札が。そこに大正時代、とあったので多分大正時代のもの。いい加減ですいません。)なんとなく買って、それきり忘れてました。なんで買ったのかなあ、、。まあでも、今は日本じゃない地域の「日本地図」ですから、今見てもなかなか味わい深いので、多分そういう理由だったんでしょう(笑)
樺太地図の日露国境線が1直線というのがなんとも、、。ざっくりしているというか分かりやすいというか、、。
まあ当時から僻地だったし資源もなさそうだし、なので日露間で特に揉めることなく決まったんでしょうねえ。お互い監視・警備もしやすそう(?)です。国境を境に地名が漢字とカタカナになってるのもジワジワきますねえ、、。
それにしても、当時の日本には地面に国境線があったんですね。当たり前なんですけど。今は全くないので不思議な感じがしますね。
台湾の地図には、沖縄諸島も一緒に紹介されています。確かに、この当時の日本最南端は台湾だったので、沖縄はその中間地点な訳です。
当時の日本の地理感覚がおぼろげながら理解できるような気もしますね。この「日本の端っこ」の感覚の違いはかなり大きいかも。考えてみたら確かにその通りだったんでしょうけど、こういうのを見るまで気付きもしなかったです。うーん、面白いなあ、、。
まあ、それはそれとして樺太や台湾には一度行ってみたいなあと思ってますが、いつ行けるかなあ、、。そもそも樺太はコロナ関係なく今は簡単に行けないのかな?(そのレベル)
次は
●南方熊楠「菌類彩色図譜」複製画
20数年ほど前、和歌山の白浜にある「南方熊楠記念館」で買ったもの。お察しの通り「ゼロパーク」(当時あった日本軍兵器の展示館。今はもうない)に行ったついで、だったんです(笑)
熊楠のことはぼんやりとしか知らなかったんですが、興味はあったのです。まあ、今でもぼんやりとしか知らないのですが。すいません。で、そこで売られてたもの。ジャンル問わず、マニアってはこういうのに実に弱い(笑)
これは熊楠が研究のために作成した、キノコなど菌類の特長を記したもので、約3500枚(!)もあるとか。その一部を複製したもの。
ほんと、何を記しているのかわからない。でもマニアはこういうのに(略)
この記念館は海のそばの白浜を見渡せる高台にあって、こじんまりとしたとてもいい雰囲気だったことをよく覚えています。建物も場末の公民館みたいで(失礼だな、、)とてもイイ感じでした。展示も充実していて面白く、ついでに寄ったくせにかなり「ふんふん!なるほど!いいなあ!」となりました。
熊楠が熱心に研究していた、粘菌の各種実物(というのかな?)の展示もありました。初めて粘菌をみましたが、あれほんと不思議な生き物ですね。かなり気持ち悪いんですけど、めちゃ綺麗という。「漫画のナウシカの粘菌ってこんなのかあ。ナウシカが採集するのもわかるなあ」と思ったことを覚えてます。粘菌、一度機会があれば見てみてください(変な呼びかけだな、、。でもどこで観れるのかな。植物園とかかな?)。
で、さっき調べたらこの記念館、建物ごとリニューアルされててチョーオサレになってました。ちょっと残念。でも機会があればまた行ってみたいですね。しかし展示案内を見ると、粘菌の実物展示がないっぽい、、。なくなってたら悲しいなあ、、。
というわけで最後。
●軍艦島関係の書籍各種
●軍艦島関係の書籍各種
これは埋もれてた、というよりも本棚から一端出してまとめてみると、結構な数を持っていて「あー、、、」となった、ということです(笑)
私は端島(軍艦島の正しい呼称。ツウはこう呼ぶ(多分))に昔からほんと惹かれてて、たまに端島の本が出たら迷わず買ってました。地方の出版社のものや自費出版本もちょこちょこ出てて、そういうのも情報が入ったら即座に買ってました。とはいえ、今みたいに有名になる前はほんとたまーにしか本は出なかったし売り切れることもまあなかったので、入手は楽でしたねえ、、。
なので気が付くと結構集めちゃってたという。もちろん、もっと本気のマニアの方々からするとまだまだなんでしょうけど。
で、ふと「これらの軍艦島本の紹介だけでブログ一回分いけるな、、」と気付いてしまいました(笑)。なのでこれらの本の紹介はまたそのうち、ということで。
というわけでお終いです。お気づきでしょうが、前回のもの含めいわゆる「お宝」はないんですね(笑)。なんというか、自身の思い出込みのものばかりなんです。要するにそういう記憶と一緒になってるから大事なものなんだろなあ、と。希少価値とかそういう客観評価とはちょっと筋が違ってますね。高く売れるものは全くないという(笑)。でも逆にそういう感じだからいいんだし、処分する気もでてこないんだろうなあ、とも。「お宝」って「いくらで売れるか」とかそういうんじゃないんですよね。自分にとって「お宝」だったらそれでいいんですよね。
なんかカッチョよくまとめられたような気がするので今回はこの辺で(笑)。
それでは。