長雨が続き、私たちの挨拶は「梅ちゃん、
どうしてる?」で、始まります。
梅ちゃんとは梅干しのことです。
青梅を塩水で漬ける梅干しは、とても手がかかり
”梅干し”なんて呼びつけには出来ないくらい
愛おしくなるので、梅ちゃん!と呼んでます。
お日様が殆ど顔を出してくれず、干せないので
梅ちゃんの苦戦を強いられてます。
初女さんは80キロ漬けていたと言いますから
驚きです!
森のイスキアに真っ赤な梅が干されている
あの風景が忘れられません。
イスキアの風に吹かれ、時間が経つのも忘れて
梅を一粒ずつ、ひっくり返していく、
そのことだけで、十分心が満たされました。
豊かな時間でした…
梅干への初女さんの思いが籠もった文章を
見つけました。
『今、世の中にはありとあらゆる種類の
食べ物があふれています。
その中で、多くの人たちが、たった一粒の
梅干しを求めて私のもとを訪れます。
私たちの祖先は、昔から毒消しの薬として
梅干しを大切にしてきました。
複雑な世の中を生きる私たちの体と心は、
浄化されたいと強く思って、梅干しを求める
のかもしれません。
そのようなことを思うと、私は喜びと共に
責任を強く感じます。
ですから、皆さんにおいしく食べて
頂けることを祈って、ますます心を込めて
漬けています。』
初女さんは、こういう思いで梅を漬けて
いたんですね。
イスキアから帰る時に頂いた梅干しは、宝の
ようでした。
初女さんの心が宿っていたからですね。
私も、心を込めて梅ちゃんを漬けます!