赤塚豊子さんのことを初めて知りました。
48年前に25歳で夭折した小児麻痺の詩人です。
手足の自由もきかず、話すことも
ままならなかった豊子さんは、文字を覚え
22歳の頃に、タイプライターでカナ文字で
詩をつづり始めたそうです。
右手の親指に左手を添え、体重をかけて
文字盤を押す。爪がはがれ血がにじんだり
身を削るような営みの中から綴られた詩は、
半世紀を経ても、その瑞々しい感性に
今を生きる私たちの心に寄り添ってくれます。
豊子さんは、お母さんに「私が死んだあと
いま私がやっていることは、きっと大きな
反響がある」と話していたそうです。
赤塚豊子さんのカナ文字の詩
アテモナイテガミヲ
カイテイルワタシ
チセツナ シコウノ
ナカデ
ウブゴエヲ アゲル
コトバヲ
ヒロイナガラ
シロイカミノウエニ
テヲ フルワシテ
カイテユク
(「テガミ」から)
ワタシハ アルク
マボロシノアシ
タトエ ワタシノイコツガ
クロイツチノナカヘ
キエテモ
ワタシノタマシイハ
マボロシノアシノ
ウゴキヲ
トメナイダロウ
(「ワタシハアルク」から)