8月が終わろうとしています。
ふと、初女さんを訪ねたあのイスキアの夏が
思い出されました。
お盆が過ぎた今頃だったでしょうか…
ランディさんの「いのちのエール」の写真撮影に
私も同行させて頂いたのです。
その年の春過ぎから、初女さんは講演を
やめられていたので、お会いする機会も減って
いました。
ランディさんと編集者と写真家、そして
山田スイッチさんと一緒に、森のイスキアに
行くと、初女さんは撮影に向けて美容院に
行かれ、まだ戻られていませんでした。
ランディさんは、イスキアのスタッフの
お料理のお手伝いをしていました。
私は庭を散歩したり…
ゆっくりとした、いつものイスキアの時間が
流れていました。
髪をきれいに整えた初女さんが戻られ、
写真撮影が始まると、初女さんが「パッ」と
言って両手を広げたのです。
そんなことは、あまりなさらない初女さんなので
ちょっと驚きましたが、「初女先生、かわいい」
などと、私もはしゃいでいました。
写真家のむっちゃんは、初女さんを気遣いながら
少しだけ撮っていました。
食事をし、ランディさんのお土産のバラのジャムで
お茶を頂き、この時間がずっと続けばいいな~と
思いながら、おいとまの時がやってきました。
帰りの車の中は、「女子会」ムードで
盛り上がっていた時に、ランディさんが
スッタフからから聞いた初女さんの病気のことを
言ったのです。
私は、涙が止まらなくなり泣いていました。
そうしたら、ランディさんが「岩木山神社に
御祈願に行こう」と言って、急きょ岩木山神社に
向かったのです。
初女さんはクリスチャンだけれど、神さまでも
仏さまでも、頼めるところはどこでも
良かったのです。
ランディさんから聴いた時は「90歳を過ぎて
乳癌なんて、ひど過ぎる!」と天を恨んだの
ですが、全てを受け容れている初女さんは
どこまでも静かでした。
あの日、帰り際に私の手をじっと握って下さった
初女さん。
私は、子どもみたいに泣いてしまいました。
これが、私の初女さんとの最後の森のイスキア
夏が終わりに近づくと、なぜかあの日のことが
立ち上がって来るのです。
初女さん
今、初女さんをとても近くで感じています。
でも、神さまが願いを叶えてくれると言ったら
森のイスキアで、もう一度だけ初女さんに
会いたい…