~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

被災地のギター

2012-08-24 22:53:15 | 日記
昨日、息子が被災地のボランティアから帰ってきました。

3度目のボランティアでしたが、息子は「今回が僕にとって一番

重かった」と言って、ぽつりと話してくれました。

前々回、写真の洗浄をやったけれど、1年たっても引き取り手のない

写真をデーターに収める作業やランドセルを洗ってきたという…

ふと気がつくと、しっかりしたギターケースがあり、泥と一緒に

ギターが入っていたので、息子は何とかそのギターに音を

取り戻したいと思ったようで、担当の人の許可を得て、ギターを

きれいにした後、楽器店に行って弦を買い、全部張り替えたら

1年以上も泥まみれだったギターが、蘇えって音を奏でたというの

です。

「俺の持っている技術なんて、大したことないのに、ちゃんと音が

でたんだよ」と、嬉しそうに話した後に「でも、あのギターの

持ち主が生きているかどうか分からない…」と言って黙って

しまいました。

「ギターはケースに入れて、小学校の体育館に戻しといた

もしかしたら、取りに来るかもしれないもの」と…

そして、息子の作った「閖上(ゆりあげ)の歌」をみんなに聴いて

もらったと…

息子の大学の入学式は、震災の為行われませんでした。

東京の大学だから、入学式ぐらしてもいいのにと、私は思ったの

ですが、そんな大学生活のスタートを切った息子にとって

やはり震災は、行動せずにはいられなものになっていたようです。

でも、震災ボランティアから帰ってくると、息子が少し大人に

なっているのを感じます。

体育館に置いてある、あのギターが持つ主のもとに返る日を

祈らずにはいられませんでした。



コメント
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